第7話.お約束
5分ほど経ってから、二人が戻ってきた。
- 『いやはや、凄いですなこの星は』
「どういうことですか?」
- 『およそ7割もの陸地が未踏または未開の場所となっとりますな。』
- 『一応、極があるから方角は大丈夫だよ』
未踏・未開の地が7割ねぇ。
ただ方角が決められるのは安心だ。
「人が手を出していない場所が7割?」
- 『ええ。あ、近くに人の街がありましたな。そちらへ向かわれるのが良いかと』
- 『距離は200kmってとこだね。途中に、馬車みたいのが止まってたから、早く行った方が良いかも』
「ありがとう。とりあえず行ってみるか。ティファ準備は良いか?」
『はい、行けます』
とりあえず入手した情報でカーナビを起動し、得られた情報を入力する。
まだ地名とかは分からないから地形だけでの登録。
〔目的地まで、しばらく道なりです〕
ですよねー
「あ、二人はどうする?、一緒に行くか?」
- 『某らは基本、周回か静止軌道上に居りますから』
- 『それより早く行った方が良いよ』
「わかった。ありがとう」
方角は西。
道は少し轍ができている程度で、均されてはいない。
馬車なら速く進むのは難しいだろう。
ほぼ直線だから、飛ばすぞー
----------
「爺、救援はまだか」
「まだ遣いのもが戻ってくる様子は見えません」
馬車の車輪が壊れ、救援を要請するため使者を送ったのだが、まさか裏切った?
食料も残り僅か。馬たちも飲み水が無く弱っている。
ブロロロロロ…
「なにやら音がしませんか?」
「そう言えば唸りみたいなのが聞こえますな」
「お嬢様、あちらから土ぼこりを上げて何か来ます!」
「魔獣かしら」
「ここは護って見せます」
「爺、無理をしなくても良いわ。きっとここで終わる運命なのよ」
----------
『主、前方に馬車と…人影があります』
「よし急ごう」
・・・
「おーい、こんな所でどうしたんだ?」
「お、お主ら何者だ」
「爺さん、そう言わずに剣を下げて、警戒はしても良いが事情を説明してくれ」
「爺、話してあげて」
「お嬢様…」
・・・
「なるほど、お嬢様を亡きものにするために仕組まれたと…?」
『主、生きてるのは馬が1頭と、そこの二人とメイドが1名だけ』
「とりあえず回復が先だな、ティファ頼む」
『分かりました』
タクシーが救急車?に変わって、お嬢様と爺さんとメイドを乗せ、治療を始める」
「救急車ってこんなのだっけ?」
目の前には変形し拡張された20畳ほどの空間が出来上がっていた。
なお治療はティファが地球と交信しながら行っている。
とりあえず、馬に飼い葉と水を与える。
また走れるようになると良いな
『主、今日の移動はここで止めた方が安全です』
「そうだな、暗くなってきたし、あの人たちをどうするかで変わるからな」