第18話.ようやく判明
「ランドさん、ミーちゃんお待たせー」
- 『そんなに待ってはないんで大丈夫ですよ』
- 『後ろから来ているのは問題ないの?』
「あぁ問題ない。それよりこちらが領主の…領主の・・・?」
「あー、サンラ領主のレギル-ファルモアだ。」
「娘のレシカ-ファルモアです」
- 『ティファ殿の友人のランドと申す』
- 『同じく友達のミーだよ』
- 『そして、こちらが魔獣と呼ばれている狼の、名はブルーとういい、種族がフェンリルでございます』
「ぅぇ?」「は?」「へ?」
- 『代々、街道沿いの魔物を退治してきてくれたが、水場が枯れるなどして生活ができなくなってきたそうで、まぁ、街の近くにやってきたようです。』
「疎通が図れると聞いたが…?」
- 『そうですな、本人から話してもらいましょう』
- [あー、はじめまして、だ]
「初めまして」
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- [雨は例年通りと思ってた、だ。山から流れてくる水が無くなり、食料も確保できなくなってきた、だ。街に向かう途中で、盗賊に襲われそうな馬車を見つけたので助けた、だ」
「あの時は助かった───、ん?、でもこっちも襲おうとしなかったっけ?」
- [ははは、なんのことやら、だ]
こらこら、顔を背けない。
「ま、助けてくれてありがとう。ただ、山からの水が無いというのは?」
- 『この場所、気づきませんかな?』
「この場所?、窪地では…ないな。石が多いな……。もしかして河原…なのか?」
- 『左様。調べましたところ、ここ三月ほどは水が流れた形跡がございませんな』
「三月もだと?、それならば領内にも影響があるはず…」
- 『領内では井戸を使われている思いますが、水位が下がったなどは聞いておりませんかな?』
「そういえば、水が汲み上げにくいというのを聞いたことがあるな」
「それはそうと、ブルーを雇う?どうする?」
「うーむ…、領内に水問題が起こるとなると、告知のタイミングが難しいかもなぁ」
「んじゃ、えっと、ブルーさんと呼べば良い?」
- [さっきと同じで呼び捨てで構わん、だ]
「あー、うん。じゃあ呼び捨てで行くけど、取り敢えずは水があれば凌ぐことが出来るかい?」