第17話.お出かけ
翌日、領主の館へ赴く。
「スグル殿、今日は魔獣の長との顔合わせでしたな」
「はい。その前に、屋敷の件でお話が」
「お気に召しませんか?」
「新築とかは嬉しいんだけど、やっぱり現領主の屋敷より大きいのは気が乗らないんだ。そこで相談があるんだけど、交換しない?」
-----
---
-
なんとか屋敷を交換する話で落ち着いた。
そして荷物の運搬は身内で行うとして、商業ギルドには一切依頼を出さないこととした。
力仕事なので冒険者ギルドには運搬要員を数名派遣してくれるよう依頼を出す。
身内なら金銭的な問題は(表面上)無いからな。
使用人の方は、10名中4名を新しい屋敷に従事する事が決まり、残りの6名を俺が引き取る形となった。
-----
それはそうと、早速、領主を連れて草原へ向かう。
「えっと、何故にお嬢様が?」
「すまんな、スグル殿」
「えー良いじゃない、あなたの乗り物が気に入ったのよ。」
「付き人は居ないのですか?」
「はっはっはっ、スグル殿が昨夜やらかしたと聞いてな、何かあると思い残してきた。なぜ知ってる?といった顔だな。」
なんでも今朝方にギルド長が訪れて、経緯を語り詫びを入れてきたんだそうだ。
まぁ信用に関わるからな、突っ掛かってきたあいつが暴走しなけりゃ良いけど。
「んじゃ行きますか」
『よろしくお願いします』
「あぁ頼む」
「楽しみですわー」
ちなみに、タクシーの料金メーターを試しに賃走にしている。
初乗り2kmが780円、800m毎に80円加算の設定だ。
信号待ちとかが無いから純粋に走行距離の金額になるはず。
「乗り心地が良いな、しかも速い」
「でしょ?お父様、これを商業ギルドが疑うなんて酷いですわ」
『主、後ろから馬で追い掛けてくる者が居ましたが』
「昨夜、難癖付けて来た奴だな、放っておこう」
『いえ、それは気にしていないのですが、馬が』
「馬がどうかしたのか?」
『一昨日の夜に襲ってきた者が乗っていた馬と同じでして』
「ん、何かあったのか?」
「えーとですね、昨夜絡んできた男が後を付けてきているそうです。」
「なんと」
「しかも、お嬢さんを襲おうとした仲間のようですね」
「何で分かった?」
「馬が同じらしですよ、だろ?ティファ」
『はい、画像を照合したところ馬が同じでした』
「ふむ…、こちらに追い付きそうか?」
「時間的には厳しいでしょうね。間に合ったとしても顔合わせが終わる頃でしょう」
さて、待ち合わせ場所に到着、っと。
「着きましたよ」
約66kmの位置で料金は7,180円。
こっちの通貨に換算して718Enyか。
土日のアクセスが、前日の木金の3~4倍に急増して驚いています。
内容が薄くてすみません。