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第160話.画策

王国郊外に新しい町が━━━━


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「待ってください、水が引き込めないってどう言うことですか!」

「王都水道局が今朝方通告してきたのだよ、新規の町に回す水は無いと…、構想外の規模で町が作られるものだから、賄える水は無いとな」


「じゃあ、イルナ川から直接引くことは許可して貰えますか?」

「排水汚染も心配されておってな」


「そんなこと言ったら元から水なんて分ける気が無いと言ってるようなもんじゃないですか!」

「いや、まぁ…」


「そもそも、王都の上下水道浄化機構を設置したのは何処か分かってるんですか?、その水道局の担当者は」

「それは知らないんじゃないかな、知ってたら拒否しないと思うよ」


「はぁ、どうなってるんですか、この国の役人は…」

「いや、ほんと、返す言葉もない」


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「水道局長は居るか?」

「これはこれは、タジア様、何かご用でしょうか」


「局長は居るのか?」

「確認して参りますので、こちらで少々お待ちください」

…………


「お待たせしました、局長のジダンです。本日は如何様な用件ですか」

「新しくできる町に水の引き込みを拒否したらしいな」


「あぁ、えーっと、はいはい、あの新しい町にですね。えぇ、供給量を見ても回せる水が無いのでお断りしました」

「イルナ川からの取水もダメだそうだな」


「そうですね、最近は環境にも配慮しなければなりませんのでね、勝手にされては困るのですよ」

「環境に配慮すれば問題が無いとも取れるが?」


「いいですかタジア様、新しくできる町が申請した取水排水は、王国の取水口の上流になるんですよ。」

「ふむ、だが申請書には新規取水口に関する調査書や運用案も付けてあったはずだが?」


「調査書ですか?、そんなものは見ていないですが?」

「おかしいな、受付の控えでは調査書は、ほれ、この通り」


「ちょっと待ってください・・・


調査書

1.エステリア王国水道利用状況

2.新規取水口設置および高度浄水場建設

3.災害時運用規定案

4.渇水時運用規定案

5.下水処理場増設案

6.費用概算見積り


タジア様、どうやらこちらに手違いがあったようだ、控えの調査書を拝見したが、新規取水口浄化設備と王国への水道管敷設と下水処理施設の増強、これら施設の王国水道局への委任、見た限りでは問題は無い。」

「ふむ。まずは本来の申請書と調査書を確認して貰いたい。申請書の一部が無くなるなど作為的意図的なことがあれば役所としての信用が無くなるからな」


「はっ、直ちにお調べいたします。」

「頼むぞ」


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「企画課のコニーを呼んでくれ」



「局長、お呼びとのことで何の用件でしょう」

「北西部にできる新町についてなんだが」


「申請に出されていた水道使用についてですかね。」

「そうだ、その申請に調査書が一緒に提出されていたそうなんだが知らないか?」


「調査書…ですか?」

「あぁ、先程までタジア様が来ていてな、一応、控えを貰っておいた。」


「うーん、私は見ていないですね。」

「そうか企画課も知らない所で動いてる…か。時間とらせてすまんかったね。」


「いえ、何か分かりましたらお伝えしますよ。」

「うむ、宜しく頼む。」


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「もうね、循環型水処理施設でも作っちゃう?」

「できるのか?」


「あぁ、サンラで働いてる浄化スライムは公表皆されている通り、安全なろ濾過水を提供してくれる。しかも不純排出物は農業用肥料に使えるのは凄いことだ。」

「学術的にサンラ固有種なわけでしょ、そのスライム達って…、スグル殿が株分けに許可出しますかねぇ」


「まぁ別にさ、町がここになければって訳じゃないんだ」

「そうなんです?」


「あぁ、あくまで集荷配送の拠点として、従事者とその家族が住む場所を纏めるための町だからな、別に王都郊外じゃなくても良いわけだ」

「確かに魔道車の機動力で考えれば、王都じゃなくても行けますね」


「だろ?、王都以外の地方都市や帝国領でも良いわけだ。その場所それぞれに合った流通網を作る。シズタミ、サンラ、エステリア、アシロ、この4箇所で見ると王都郊外が最適地なようだけど、ちなみに今、シズタミとアシロ帝国の間に街道が作られているからな、王都を経由しなくてもよくなる。」

「王都の水道局がどう動くかによって、通常の水道にするか、循環型にするか、別の地にってことですね。」

期間が開いたにも関わらず、お読みいただきありがとうございます。

編集画面を時々開いては、話をどう持っていくか悩み閉じを繰り返していました。

名もなき登場人物が多く居りますが、ご容赦ください。



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