第156話.競技大会終了
それでは
今回の競技会は大変興味深い結果で終わりました。
みなさん、今回の筆記で出された最終問題。
答えは出ましたか?
上位に入る学校では答えが同じでした。
もちろん理由には個人差がありましたが、一貫しての教育を受けられているのでしょうね。
ザワザワ
静かに!
それでは表彰に移る
呼ばれた学校の代表は登壇してください。
サンラ自治区 初等教育学校
エステリア王国 エステリア中央学園
アシロ帝国 帝国ワモスク学園
ザワザワザワザワ
ざわめきが大きくなる
一位がサンラ? 初等教育だと!?
王国や帝国は国が誇る教育機関だが、サンラ?
では表彰に移ります。
ガタッ
「ちょっと待って下さい!」
「何だね?」
ザワザワ
「なぜ、我々のような貴族が通う学園ではなく、半年も前に出来たばかりの平民のサンラ?、しかも初等教育の者が上位なのですか!。なにか不正をしたに違いない!」
ザワザ…
シ────ン
「きみ、名前は」
「ヤハキット・ケリン・オユマだ」
「ふむ…、ではオユマ君、不正とはどんなことだい?」
「ふ、不正は不正だ!」
「ほう、不正の方法は解らないが不正をしていると…。──ふむ…。では君達の座席から検出された魔力の使用痕跡はなんだろうか。先にも述べたが、文章問題ではサンラのチームは回答に個人差があった。しかし君たち貴族のチームはチームで回答が一貫していた。これは偶然なのですか?。」
「僕たちを疑うんですか!?」
「サンラ初等教育学校には、我が王国や帝国からも優れた教師が転任しています。赴任した彼らは元々、周りの教師達から疎外されていました。そして嘆いていました。競技大会は出来レースに成り下がったと。他にも異を唱えたために居づらくなったと。」
「……」
「そこで今回、各々に渡された問題には一見すべてが同じように見えても、一部が異なるようにしたのだよ。」
「(えっ!?)」
…ザワザワ…
「つまりだ、問題が違うのに君たち上位の回答が揃っていたということだ!。私は言った筈だ、『サンラのチームは回答に個人差があった。しかし君たち貴族のチームは回答が一貫していた』と。」
「ぐっ」
「何か反論あるか?、皆も応えよ。」
………………
シーン
「無いようだな。……ゴホン。このような場になって申し訳ない。改めて、サンラの諸君おめでとう!」
「あ、「「「「ありがとうございます!」」」」」
━━━┉┉┅
「かーっ、スグルにも見せたかったぜ、あの貴族さんの慌てよう。」
「そんなに?」
「あぁ、雉も鳴かずば撃たれまいってな、あの後な、翌年から王国と帝国でも庶民向けに学問の門扉をひらくと宣言されてな、貴族さん大慌てさ。」
学があれば遣いづらいからな…
お読み頂きありがとうございます。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
コロナ感染者も減って来ていますが油断はできないですね。