第149話.第一歩
鍛治ギルド研究室───
ここで魔道車の開発が進められていた。
「よし」
「プロトタイプの完成ですね」
「ああ、これで試験をして、課題をクリアできたら、いよいよ生産開始だ」
「「「おめでとうございます!」」」
「ああ、これもスグル殿が我がギルドに技術供与してくれたおかげだ」
「しかし良いんですかね、他国に漏れでもしたら」
「言ってなかったか、この技術は王国と帝国にも共有される。」
「「「「え?」」」」
「いや、待ってください。この技術は戦争に使われたらヤバイものですよ!?」
「うむ…言いたいことは分かる。だがなサンラだけが発展しても妬まれるだけだ。スグルが言っていたのだが、多くの技術は戦争と共に発達してきたそうだ。」
「「「「「……………」」」」」
「ぞれにな、間諜が紛れ込んでいる以上、魔道車の情報は他国へ流れていると思ってくれ。我々の発表が後出しになるかも知れないが、な。」
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『主、鍛治ギルドから連絡が来ました。』
「おー、ついに試験車が完成したか?」
『はい、これから試験に入るようです。しかし、良いのですか?』
「ん?何が?」
『いえ…』
「技術は身を滅ぼす、ということか?。」
『………』
「確かに便利になれば人手は要らなくなるし失業者も増えるだろう。でもね、日持ちしない商品でも隔地に届けることが出来るんだよ」
「さぁ、運送業への第一段階だ。早速試作車を見に行こう」
お読みいただき、ありがとうございます。
話が思い浮かばず短くなってしまいました。
年内の更新はこれで終わりとなります。
コロナの変異種も出ているようです。
みなさんもお気をつけください。