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第139話.信号

いつもお読み頂きありがとうございます。


誤字・脱字報告を頂きました。

数が多いので現時点で個別返信はしておりませんが、ご指摘頂きましてありがとうございます。

修正には手をつけたいと思いますが、やる気が……。


気が付けば3年目に突入です。

これからも宜しくお願いいたします。



「しんごうき、ですか?」

「うん。」


レギルさんを始め、自警団代表、学校関連施設や各ギルドの代表が集まって貰い、プロジェクターで信号機の有る無しで変わる交通について説明した。


片方向に最短間隔5分間隔で循環馬車が走るし、他にも当然ながら、それぞれの馬車は走るし、住民が道路を横断するのに危険が伴うからね。

どこかで滞留させないと。

かといって遅延もさせられない。


「ほほう、この間の災害の時の情景もそうだが、この投影されたものは凄いな。それに、この馬の無い乗り物、スグル殿が持っているような魔道車が沢山走っているのですね。」

「というか、現状でも自警団が見回りをして、事故は防いでる訳だろ?、態々何もなくても停めるというのは如何なものかね。」

「この、らうんどあばうと、という環状型ではダメなのか?」


「そうですね…、馬車通りが無いのに信号で待つのは無駄にも思えますが、引切り無しに馬車が走れば、人が道路を横断出来ないんですよ。子供の目線で馬車の来る来ないの判断は難しいでしょう。」

「しかしだね、これまで何もなく通れていたものが、停まらなくてはいけなくなるのだろう?、我々、主に流通に携わる者から見れば、損に繋がる。」


頷く各代表達。


「現状の流通に、朝の7時台、8時台は、定期馬車が1時間に最大で16台ほどが加わりますし、歩行者も試算では1時間に300人ほど増加する見込みです。これを円滑に且つ安全に回したいと思っています。」

「そんなに増えるのですか?」


「学校関係の通勤・通学で単純に増加する見積りですね。それに、信号で決まった時間に歩行者が道路を渡れるようにした方が、馬車を停める回数が低いのですよ。」

「信号が無いと馬車が停まる回数が増えるのですか?」


「無理に渡ろうとする人が出ますからね。目算で距離があると思ったら渡るでしょう。自警団も気付けば馬車を停める動きをするでしょうし、御者から見ても危ないし停まるでしょう。」

「でしたら、歩行者を決まった場所で横断するように周知させれば良いのではないか?」


「どうやって渡らせるの?」

「そりゃあ、ある程度人数が纏まったら自警団が誘導して」


「では10人集まるまで渡れないと決めたら、30分、1時間と足止めをしても良いということですかね。」

「まぁ人数を決めたなら仕方ないでしょうな。」


「成る程…。皆さんもそれで良いですか?」

「良いんじゃないかな、なぁ」

「あぁ良いと思う」


「ふむ。では賛同者多数により、信号の使用は見送りとします。では、循環馬車の試験運行を行いますし、5日後には家族連れでの学校説明会が有るので、そこで交通の実体験をしてもらうとしますか。」



─────

再び、代表者集合。

というか召集が掛かった。


「今日の集まりは何でしょう?」

「スグル殿、ふざけるのも大概にしてもらいたい!」


「あの、何か…。レギルさんこれは?」

「えーと、スグル殿が先日提案した歩行者の道路横断に関してだな、昨日の試験運転と学校説明会で苦情が殺到してな」


「?」

「惚けないでもらいたい。我らギルド加盟店で損害が出たぞ、どうしてくれる!」


「なぜ私に?、話し合って決めたのなら、それに従うまででしょう?、ギルドは約束、契約を反故にしても良いんですか?、そもそも苦情ってなんなんです?」

「馬車が動かず配達時間が間に合わなかったそうだ」


「僕関係ないですよね!」

「いや、まぁ、うん。」

「約束を違えたのはそっちじゃないのか?!」

「「「「そうだそうだ!」」」」


「横断者が居たから馬車を停めて渡らせたのでしょう?何か問題でも?」

「しかしだな、1人毎に馬車を停められたのだぞ?!、10人の話と違うじゃないか!!」


「えー、間違って無いよ?」

「くっ、この言わせて置けば「まぁまぁまぁまぁ」レギル止めるな」


「おい!契約書を交わした訳ではないが、各代表が集まった場での約束事、破る訳無いだろ!!」

「す、スグル殿も落ち着いて、な、な、落ち着いて」

「だ、だが10人と良いながらも、1人2人で、ば、馬車を停められたのだぞ?!」


「どこが違う?、じゅうにん集まったんだろ?」

「い、いや1人…」


「だーかーらー、住人が集まったんだろ?サンラのさぁ」


「「「「「「「「・・・・?」」」」」」」」






「ああ!、成る程成る程、く、あはははははは」

「ぉ、ぉぃ」

ひそひそ

「あああ!、成る程なぁ、こりゃ一本取られたわ!参った」

「スグル殿も悪戯が過ぎるぞ…」




「では信号機を運用中するという事で良いですか?」

「あぁ、全く動けなくなるよりは断然良い。」

「そうだな」

皆頷く



斯くして信号機の運用開始が始まった。


後日、スグル学校基金より補償が行われ、当時の事情とお詫びが被害のあった顧客に贈られた。

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