第137話.表示盤
商業ギルド─────
ギルド員と商会業者が忙しなく働いている。
現在は学校施設の備品を納品するために検品をしている。
「什器はこれで最後だな?」
「はい!、あとは運び入れて各場所で梱包を解いて並べるだけですーーーー」
「了解した!。では、運搬開始!」
「ふー」
迅速に運搬できる馬車ができて、待ち時間が短縮され納品が捗る。
これもスグルのおかげだな。
「ジームンお疲れ。ほい、コーヒーだ。」
「おー、デービスありがとう。」
カップを受け取り、一口飲む。
「サンラに学校が出来たってのは良いな」
「あぁ、雇う方も一々教え込まなくても良くなるし、働く場所も広がるってもんだ」
「あっそうだ、その学校に納品されたマジックアイテムに良いのが有ったよ、俺の娘も学校に通うから事前に見せて貰ったんだが」
「マジックアイテム?」
「なんだよ、気にならないのかい?」
「いや、何がマジックアイテムなのかは分からんよ」
「なんでも黒板っていうのが、またスグル絡みで開発されたそうなんだ。」
「黒板って白墨を使って書くあれか?」
「そうそう、実際に見たんだけどさ、チョークを使わないんだ。それとな、赤や黄、青なんかも沢山の色が使えるんだよ。更に消す前には紙に転写できて、複写や切り取り、貼り付け、消すのも一瞬なんだ」
「ふむ…。うちのギルドの掲示板にも欲しいな。その名前は聞いてるか?」
「ちょっと待ってろ、たしか納品書の………と、あったあった、えーと、感圧反応型…ヂ…デスプレエって名前みたいだな。」
「感圧反応型デスプレエか…読みにくい名前だな。因みに価格はいくらだ?」
「1枚、500万enyだと」
「ごっ!?」
「あぁ、500万enyだ。」
「500万enyか……ふむ……」
「それが学校施設に20枚納入された」
「そんな金がどこにあるんだ?」
「スグルが出資した基金から出ている。」
「土地はレギルから、施設はスグルか…」
「俺たちは仕事にありつけるんだがな……?」
「……よし、うちの商会でも感圧反応型デスプレエを導入するか!」
一商会の動きが切っ掛けとなり、サンラ自治区内の各ギルドと工場、商会に双方向通信機能を備えたタッチパネルディスプレイが普及することとなる。
お読み頂きありがとうございます。
もう1月も終わりですよ。12分の1年が終わるんです。
あっという間ですね。
まだ寒い日が続きますが、体調には気をつけましょう。