第136話.職種募集
サンラからの交通(主に改良馬車による移動)で片道に凡そ10日圏内にある街に衝撃が走る。
貴族から平民、裕福から貧困層まで幅広くの人員募集。
「おい、サンラで職員を募集しているそうだ」
「んあ?、サンラでか?」
「サンラで賄えん程なのか?」
「なんでも学校っちゅうもん作ったそうでな」
「そしたら、貴族や高名な魔術師や学者を雇うんが良いんじゃねぇか?」
「んだんだ」
「貴族なら既に王国や帝国に学園があるだろう?」
「「んだな」」
「サンラの学校ってのは、サンラの住民と孤児院の子供たちに開くそうなんだ」
「俺たちの国じゃ貴族が個別で雇うか学園に入れるかだけどな」
「へぇ身分の違い関係無くか……」
「「「……………」」」
「そもそもサンラに貴族って居たか?」
「いや居なかったと思う」
「そういや居ないな」
「おっ、貼り出されたようだぜ」
掲示板に人が群がる
「えーと、何々?」
──募集要項──
孤児院併設、サンラ初等教育学校
~孤児院~
勤務地
・サンラ自治区
住み込み
募集人員
・院長 1名
・副院長 1名
・養護員 2名
・事務員 3名
・養母さん 10名(育児、家事全般)
・用務員 3名
~サンラ初等教育学校~
勤務地
・サンラ自治区
募集人員
・校長 1名
・教頭 1名
・教員 15名
・音楽科兼任教員 5名
・養護員 3名
・事務員 10名(後述の付属寮との兼任)
・用務員 5名(後述の付属寮との兼任)
~サンラ初等教育学校付属寮~
勤務地
・サンラ自治区
住み込み
募集人員
・管理人 2名
~学校併設食堂・寮兼用~
勤務地
・サンラ自治区
募集人員
・調理師 30名(交代制)
~施設専任清掃~
勤務地
・サンラ自治区
募集人員
・清掃員 50名(交代制)
==採用試験==
・実技、面接
────────
「こりゃ、凄いな。こんな大々的な募集は初めて見るよ」
「あぁ…」
「俺たちにもチャンスはある…よな」
「でもよ、住み込み以外は何処に住むんだ?」
「どこかを借りるか、家を買う?・・・」
「これ、貧困層まで募集はしてるけど、実質は金ないと受けられないんじゃないか?」
ガヤガヤ
「はーい、みんな静かに!!」
ザワザワ
パン!パン!と受付の姉ちゃんが手を打つ
しーん───
「今日、ここに貼られた募集は、誰でも採用試験が受けられます!。そして、合格者はサンラでの居住となりますが、持ち家、賃貸、独身寮、家族寮と、選ぶことができます。募集要項に書かれていないのは、まだ居住に関して、立地場所やどの程度の種類を用意するか纏まっていないからです。」
ザワザワ
「はーいまだ終わってませんよー。申し込みの受付は10日後から5日間。試験はその5日後に職種別に実技試験と、その後、実技合格者が面接へと進みます。試験は地区毎に、冒険者ギルドと商業ギルドで執り行います。以上!」
お読み頂きありがとうございます。
現実は冬なのに、話はこれから融雪期(春)へ向かいます。
寒かったり暖かかったりと気温の変化がありますが、風邪をひかないようお気をつけください。