第135話.帰ってきた!
「わたしは帰ってきた!」
「ちょ、レシカさん落ち着いて」
今、サンラの門が開くのを待っている。
橋脚を作り終え、あれから王国へ戻り、エステリア国王には帝国との交易について三者会談をすることを伝えた。
国王も国益が産まれるのならと、前向きに検討をしてくれるそうだ。
まぁ検討だから確約は出来ないけどね。
ガコン
ギギギギギ
ダーン
ようやく門が開いた。
律儀にレギルさんがお出迎えだ。
「スグル殿お帰り、帰りが遅かったので心配したよ」
レシカも…元気だね
「あ、レギルさんただいま。除雪やイルナ川に橋脚を作ったりしてたら予定より遅くなっちゃった。」
「除雪に橋脚作りをですか?」
「うん、交易をするには、道がしっかりしてないとね。」
「まぁ、交易は早さも重要ですからね…」
ほほう、とスグル達の後ろ、王国とを結ぶ街道に目をやり、関心する。
幅6mほどの道が付けられていた。
「今年の交易は早くに始められそうですね、しかし、イルナ川に橋脚というのは…」
「水量が多いと道は寸断されるからね、そうなると殆んど行き来が無くなるんだよ。えっと、ここが王国と帝国を結ぶ街道で、川のこの場所に橋脚を作ったんだ。」
「肝心の橋は掛けなかったのですか?」
「いや、全部が全部やっちゃうと、住人の稼ぎが無くなっちゃうから…」
「建材を供与して、帝国依頼でギルドに発注したんですよー!」
レシカさんが割り込んできた
え?とレギルさんが驚く。
だって、除雪の仕事をとっちゃったんだもの…
しかし、あれだけの量の雪が有れば、雪室も幾つか作っても良いかも知れない。
ふと
「そう言えばレギルさん、孤児院がもう少しで完成するんだけど」
早いな、とレギルさんが驚く
「職員を募集しないといけないんだ」
「どのくらい募集が必要だい?」
学校も併設だから…、えーと、孤児30人に、児童80人の計110人、5組として、先生を2名ずつ、養護員2名、養母さん10名、院長1名、副院長1名、校長1名、教頭1名、事務員5名、用務員2名、炊事係10名、清掃員20名…
「さて何人?」
「職に見合った人を雇わないといけないじゃないか、一括りに募集はできないぞ…、かなりの人員が必要じゃないか」
「各組の教員1人はピアノ修得必須でお願いします。」
「貴族にも声をかけないとならないか…。しかし、なぜピアノが要るんだい?」
「音楽で感性を養うのさ」
「受け入れられるだろうか」
「受け入れて貰うのさ!」
「ふむ……。募集は年齢に上限は有るのかい?」
「元気で働けるのなら上限は無いさ」
「そうか………。募集は商業ギルドに冒険者ギルドに発注するが良いか?」
「色んな伝手があるのは良いね!」
「領内では恐らく賄えきれないから、周辺国にも募集をかけるとしよう」
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働き方改革で何が変わったか。
仕事の環境が悪化し錆鏨が増える一方です。