第133話.帰路に付く
「ふぃー、ただいまーっと。」
『お帰りなさい。』
「さぁ、サンラに戻るぞ」
『承知しました。』
「も、もう戻るのですか?」
「あぁ、教会に配り終えたし、皇帝にも会ったし、観光するところは無いしな」
「あうぅ」
帝国に来てまで観光をできないと知ると落胆する。
「さて、帰りには、帝国から王国までの街道を除雪しながら道標を立てて帰るよ」
「えぇー、時間が掛かりそうで嫌ですぅ」
『レシカさん、我儘はダメですよ』
「殆ど自動だから、直ぐに帰るなら帰してあげるけど」
「ぅー、それはそれで嫌ですぅ」
「じゃ、帰りも付き合ってくれよ」
「はいですー」
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「と言うわけで、地形の詳細データが欲しいんだ」
-『なるほど、承知しました。』
「地形データ待ちだけど、ティファ、車体の先端をラッセル車に変えて、サイドに杭打ち機を付けてくれないか。」
『イメージはこんな感じで良いですか?』
「おお、カーブのときは進行方向に向きが変わるんだね」
『はい。切り返しなく街道を進めるでしょう』
「ありがとうティファ!」
<ピピ ピピ
「はい。」
-『スグル殿、データを転送しました』
「ランドさん、ありがとう。ちょっと確認するね。」
-『気になるところがあれば仰ってください。』
「これは地震の影響は考慮済み?」
-『えぇ、断層によるズレは盛り込み済みです。』
「じゃあさ、その部分は補修しちゃうからさ、マーク付けてくれる?」
ー『段差のみになりますので、魔法で地均しをすれば良いでしょう。全部で18ヵ所です』
「ん、ありがとう。この通りに進んで行くから、宜しく」
-『承知しました』
「よし、じゃあ、エステリア王国に向けて出発!」
台風15号の被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。
気温の高低変化にご注意ください。
熱中症や風邪にもお気をつけください。