第131話.入国
「着いたな」
「着きましたね」
セガリラさんとジェリックさん。
外門の前で、門番が来るのを待っています。
「来ないな」
「来ませんね」
門番が中々出てきません。
少しして門の内側から
「すみませーん、いま扉が凍ってて開かないんですよー、宮廷術士を呼びに行っているので、今暫くお待ちくださーい」
まぁマイナス6度なら扉も凍るか。
「おい、あとどのくらい掛かる?」
「あと、どのくらいか…、あれ?」
「どうした?」
「参ったねこりゃ。融かした矢先に凍ってきてらぁ…。」
ジェリックさんが頭を抱えて蹲った。
「スグル殿、何とかなりませんか?」
「そうは言っても、攻撃と見なされたら嫌だし。壊れても嫌だし」
『主、あの門扉はすでに壊れているようです』
「え?どういう…あっ」
「スグル殿どうしたんですか?」
「セガリラさん!、今すぐ氷の溶解止めさせて!!」
「どうしたと言うんです」
「先の地震で柱が歪んでるんだ、それに溶けた水が再び凍って隙間で膨張して周りを圧迫してるんだよ。このままだと」
「このままだと?」
ピシッ
<「中止ー!、術士の方、作業中止ー!」>
バキンッ
「セガリラさん、遅かったようです」
「なっ」
ギ…ギ…ギギ…
ミシッ
ガコン
ギギギギギ………ズドドドドドーン
・・・・・
「あ、あぁ…」
「とりあえず、修復しましょうか?」
「で、できるのか?!スグル殿!」
落胆するセガリラさんに、ちょ近い近い、ジェリックさん顔近い!
「んっ、んっ。すまない。しかし出来るのか?、その、かなりの重量だぞ?」
「あー、うん。大丈夫だよ。あ、術士の方を下げてね、危ないから。」
じゃー行くよー
「リワインド・カルテット!」
ピカーッ
「「「「「おおおおお」」」」」
「すごい」
「ふー、こんなものでどうでしょう。デザインが変わっちゃったけど、強度は大丈夫だと思うよ。」
「スグル殿、こ、こ、これは」
唖然とするジェリックさん。
なんか術士の方が騒がしい、伝承の門扉だとか?
「さ、さ、ジェリックさん、セガリラさん、早く入りましょう。」
「あ、あぁ、そうだな。じゃぁ、通るぞ」
「はっ、どうぞ」
警備兵が道を開ける
ようやくアシロ帝国本国に入国できた。
お読み頂きありがとうございます。
いつの間にか7月も終わりですね。
あと少しで1ヶ月ちかく朝の電車が空く季節。