第119話.雪対策
と、その前に。
「王様さん、この辺に住んでた子供達が居たんだけど、ここって、どっちの領地になるの?」
「そこか?…、そうじゃなぁ、どちらが近いのだ?。わしらにそこまで精巧な地図は無いからのぅ」
「似たようなもので線引きしてるのあるでしょう」
「いや、それがな?、サンラが独立した後、なにも協議しておらんじゃろ。じゃから、エステリアでもあるし、サンラでもあるのじゃよ」
「んじゃ領地については、この災害の復興が一段落したら話し合ってもらうで良いか?」
「そのように、レギル殿に取り計らっておくれ」
「それじゃ、保護した子供達はこちらで預かるよ」
「そうして貰えると助かる」
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「瓦礫はどのようにすれば良い?、ブロック?、セメントのような物はあるし、ブロックで良い?」
H:12cm × W:30cm × T:17cm の中空型
騎士団の人と衛兵達と一緒に周り、錬成と創造魔法を繰り返していく。
瓦礫の山は一瞬に資材へと換わることに住民は驚きを隠せないようだ。
家具を除き使えそうなものは柱や梁に。
板は屋根や扉に。
分厚い生地はなんだろう…、とりあえず浄化で綺麗にしていく。
鍋や包丁といった生活用品は修復魔法で綺麗にし、残りはR:1.5cmで3m弱の鉄筋に仕上げていく。
そんな都合よく廃材に鉄なんて無いので、(かなり)足りない物量は鉱山から転送で取り寄せる。
あとは職人に頑張ってもらおう!
「ふぅ、こんなもんでどうでしょう」
「スグル殿は凄いですな…、我々じゃここまではとても…」
「区画整理と、あと一世帯平均で使用する想定で資材に変えてるけど、足りない分はそちらで補充してね」
「ですが、近隣の国も同様の被害が出ていれば、確保なんて難しい………、あっ、そちら…サンラに発注をすれば良いのですね?!」
「シズタミの復興もあるけど、サンラ自体には殆んど被害は無いからね。鉱山もあるし、都合が付くと思うよ」
「それは何よりです。これで、氷雪季には間に合いそうです。」
え?
「氷雪季?」
「えぇ、これから寒くなりますからね、例年は雪も50cmは積もりますでしょうか」
「ちょっと待て、区画整理に降雪なんて気象条件は盛り込んでないぞ?」
「え?、いや、排水路があるので問題は無いかと思いますが……」
……
「あのね、今まで無かった排水路だけど、王都内の殆んどの雪を流したら詰まるでしょうよ」
「・・・あー、そうですね!、確かに下流に行くほど詰まりやすくなりますっ!」
んー
そうだ!
「造ろう!」
「え、なにをですか?」
「雪室だよ、雪室!」
「ゆきむろ?」
「そう!、氷雪季に専用の部屋に雪を貯めて、夏でも冷たい温度を保てる、冷蔵庫みたいなものだよ。」
「ほほう、時間が無い状況では良い案ですな。」
「溶け出た水も使えるしね」
「では早速、急いで住民と調整を始めます!」
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