第111話.デモでもだって
一部の断水と一部の価格高騰に、被害?に遭っている者たちが領主邸前に集まっていた。
「これは何の集まりかな?」
「俺たちは昨日からの横暴に対して抗議にやってきた!」
「「「そうだそうだー」」」
「本来あるべき状態に戻しただけなのだが?、何が不満なんだい?」
「おいレギルさんよ、住人に生活出来なくさせるってぇのは、領主としてどうなんだい!!」
「話が見えて来ないのだが、君たちは何か勘違いをしていないか?」
「何が勘違いだ、水が無ければ生活出来ないだろうが!、それになぁ馬車の値段が15倍だぞ?、破産だよ、商売できないんだよ!」
「「「「「そうだ、元に戻せー!」」」」」
「「「「もーどーせ!、もーどーせ!」」」」
「「「「「領主を辞めろー」」」」」
「スグルを連れてこい!、そもそもが、彼奴のせいじゃないか!」
「「「「「「そうだそうだ、連れてこーい!!!」」」」」」
「何とか言ったらどうなんだー」
「あー、言わせてもらうが静かにしてくれんか?」
「「「「今さら何を言おうってんだ!!!」」」」
「ゴチャゴチャ煩いんだよ!、黙れ!!!」
「なっ…」
─── シーン ───
「あー、サンラ自治領代表のレギルだ。先ずは生活用水についてだが…」
「食事や洗濯が出来ないのよ!なんとかしなさいよ!」
「あー、静かにしてくれないか。水が出ないというが、あれはスグル個人の所有物だ」
「え?」
「サンラ自治領として借り受けていたものを返却したものだ。そして」
「なぜ返却したんだ!、返却しなければ今まで通り…」
「静かにしろよ?。一昨日に各代表に集まってもらい、冒険者ギルド、商業ギルド、居住区の3つの代表から、スグルに肩入れをしている、税金も納めていないと指摘あった。“住人の総意と”して“不満”を言ってきたのだから、昨日からの対応は正当なものだと思っている」
「な、それなら差し押さえれば良いじゃないか!」
「「「そ、そうだそうだ」」」
「差し押さえか…」
「「「そうだ、差し押さえろ!」」」
「そうよ、そうすれば元に戻せるでしょう?」
「では聞くが、誰が維持をして、その費用を誰が払うんだ?」
「え?タダなんだろ?」
「君たちは馬鹿なのか?、どこの世界にタダで供給される物があるんだ?!、水が出ない?、井戸や川に汲みに行けよ!」
「そんなの疲れるじゃない!」
「あぁ、疲れるよな!、その疲れるというのが水を使うための対価だよ!」
「でも水道は…」
「何を勘違いしている?、水道はどうやって君達の家やお店に渡ってるんだい?、誰が敷設し、誰が浄化を管理しているんだ?」
「でもタダで…」
「そうだな、タダだな。彼は…スグル殿は、運送業以外には無欲だよ。だから好意によってタダで出来ていた。だが、稼がなければいけなくなった。」
ここに集まった君達によって─────
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