第11話.ご対面
「さて街に入ったけど、どこ行けば良い?爺さん」
「ああ、屋敷まで頼む」
「屋敷ってどこ?」
「ほれ、あそこに大きい館が見えるじゃろ」
「いや見えるけども、道順はどう行けば良いんだ?」
「その機械では分からぬのか?」
「ランドさん聞こえる?」
- 『どうした?スグル殿』
「街の中の地図か上空写真は有る?」
- 『おお、有りますぞ。スグル殿のステータスウインドウの方に送っときますわい』
「ん、ありがとう」
- 『いえいえ』
「という訳で、これがこの街の上空写真だ」
「お主ら、本当に襲ったりせんのか?」
「まぁまぁ、で、どう行けば良い?」
「今居るのは、ここじゃな。で、この通りを進んで、この交差路を右じゃ。そうすれば着く」
「んじゃ行きますか」
進んでいくと、やっぱり注目を集めるね。
もうちょっと経ったら営業するよー
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到着っと。
「爺さん着いたけど、馬と馬車はどこに降ろせば良い?」
「そうじゃったな、ここを入って裏手で降ろしてもらえるかな」
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「それで、お主らを旦那様に紹介したいのだが」
「えー、面倒くさい」
『主、ここは恩を売っておくのも良いかと』
「なにを、こそこそ話しておる。お嬢様も一緒に行きますよ。お嬢様?」
「あっ、爺、ごめんなさい。余りにも珍しい乗り物だったので」
「では参るぞ」
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「娘が帰って来た?、本当か!」
「はい今しがた見慣れぬ乗り物に乗って帰って来られました」
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「お父様、只今戻りました。」
「おお、よく無事で。」
「あのぉ」
「何だ貴様は」
「旦那様、今回無事に戻って来られたのは、この者どものおかげなのです」
「それは誠か」
「えぇ、お父様。彼らに助けて貰わねば、ここにこうして居られなかったでしょう」
「ですな、食料も残り僅かとなり、水も尽きかけましたからな」
「そ、そうか。いや助けて貰ったのにすまん。礼を言う」
「気にしてませんよ。」
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「しかし、御者が娘を亡きものにしようとは。」
「後継ぎ騒動と伺ったのですが?」
「恥ずかしい話しなのだが、私の弟の息子、いわゆる甥が居ってな、私の娘に入り婿をとらせて血筋を絶やすよりも、男系で続けた方が良いと申してな。任期制の領主なのに血筋をって頭が痛いわ」
「そこでお嬢さんを亡きものにしようと?」
「ああ、そこで、その甥が4日前の夜から行方を眩ましとる」
「その事なんですが、魔獣にやられましたよ」