第102話.手掛かり
「燃費を少なく長持ち、そんな運搬車を作って欲しいんだ」
「なにを運ぶんですか?」
「初めは魚の運搬を考えていたんだけど、応用するれば新鮮な野菜や、その他の食品なども鮮度を保って運ぶことができるようになるんだ」
「しかし、良いんですかい?、鍛冶ギルドに新しい技術を売り込んで」
「持ってても使えなきゃ意味がないんだ、宝の持ち腐れさ。それなら街のために有効に使って貰えるようにするのが一番だろ?」
「まぁサンラの発展のためなら、スグルさんからの申し出通り、薄利で対応しますがね、スグルさんには1Enyも入って来ないんですよ?」
「流通は俺一人じゃ対応しきれないからね、街の皆に動いてもらわないと。それに、冷凍・冷蔵の魔道具が量産できれば、値段は安くなるし、小さなお店や、各家庭にまで普及させることができるんだよ、その後にサンラ以外の街や都市に売り込めば、利益が出るだろう」
「まぁ開発のしがいがありますけどね、でも冷凍って昔に貴族が失敗したやり方なんじゃないのかい?」
「断熱や保温・保冷の概念が無いからだと思うよ」
「断熱?、保温に保冷?」
「熱や冷たさを通さなくするのさ」
「ほほう」
「音は遮音の魔法があるけど、熱を断つ魔法があればなぁ」
「ふむ…。!。あるぞ、恐らく可能なはず…」
「おお、その魔法とは!?」
「シールドだ」
「永続的に可能ですかね。少なくとも、戦闘で使用するものだと、良くて一時間位じゃないですか?。シズタミとは片道でも、改良馬車で1~2日は掛かるでしょう」
「そんなに魔力は使わんはずだし、魔道具にするんだろ?」
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魔道具か、そういやサンラに魔法や魔術に関連した組織が無かったような…。
「さて、やって参りました。ここ、冒険者ギルドです」
「誰に向かって話をしてるんですか?」
「あ、えーと…、そう、ネフカさん!」
「忘れてましたね?」
「いやだなぁ、忘れてませんよ?、あはははは」
「はぁ…、で、何のご用件です?」
「んと、魔法や魔術に詳しくて魔道具の作れる人か、魔術ギルド的な団体を知らない?」
「スグルさんは、今度は何をしようっていうんです?。サンラから近い所でも、エステリア王国に行かなければなりませんよ?。」
「そこにはギルドか何か有るの?」
「魔術士ギルドがありますけど…、あまり良い話しを聞かないところですよ」
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