決戦、あの白き月で(5)
結局どっちつかずなアイリスであった。
「ねえ、どうしてなの……?」
SICへと続く海岸。 光りが差し込み水しぶきを輝かせるその場所に、タナトスが一機跪いていた。
その傍らには黒衣を纏ったゼクスが仮面を片手に目の前のメアリーを見つめている。
「どうして、メアリーを助けてくれたの?」
あの、ヴァルハラ全てが終わりを迎える瞬間。 ゼクスはメアリーを連れ、何故か戦闘領域を脱出していた。
リアライズは当然、既に宇宙に打ち上げた後。 それはヴェクターの計画に齟齬が発生しかねない重要な装置。 当然、それを扱うデヴァイサーであるメアリーも必要な存在だった。
その命を救おうとしたのは当然の事だろう。 しかし、それをわざわざ敵の傍まで送り届けるというのはどう考えても矛盾した行為に他ならなかった。
「どうして、かな……。 自分でもよくわからない。 ただ、気づいたらそうしていた」
「…………ねえ、ゼクス君。 本当はゼクス君だって、この世界が終わってほしいなんて思ってないんじゃないの?」
この世界は何のためにあるのか。 そしてそれは誰か一人のものなのか。
違うのだ。 世界とは全ての命の総意に他ならない。 あらゆる人に平等に降り注ぎ、あらゆる人から平等に与えられる苦難と愛。 螺旋のように渦巻く複雑な因果こそ、世界なのだ。
それを個人の意思で壊すだの守るだの、そんなことは馬鹿馬鹿しい。 少なくともジェネシスで仲間たちと過ごした僅かな時間の中、ゼクスはそうして一生懸命に戦う人々の姿を見てきた。
やりきれない思いや複雑な関係を乗り越え、それでもいいと、それでも生きたいのだと、必死で戦う誰かの姿を見てきたのだ。
そして仲間を守る為に散った命が自分に問いかける言葉が耳に残って離れない。 本当は薄々感づいていたのだ。 彼らは皆死に行く中でも、決して後悔も恥じもない誇りある姿だったのだと。
あんな風になりたい。 ああいう風に生きられたらどんなにいいだろう。 そう思う。 ぎゅっと拳を握り締め、メアリーに背を向けた。
「それでもぼくは、この生き方しか出来ないから」
「分からず屋っ!! 幸せになっちゃいけない人なんて、いないんだよっ!?」
「ありがとう――。 でも、ぼくは、父さんを裏切れない。 今君をここに送り届けた事が、彼らに対する最後の贖罪だ」
振り返った少年の表情は仮面に覆われうかがい知ることが出来ない。 それは山のようにならぶ数数え切れぬジェネシスが生み出した悲しみの兵器たちと同じ姿で。
「さようなら。 次に会う時は、敵同士だ」
「ゼクスくんっ!!」
風を巻き上げ舞い上がるタナトス。 大空に飛翔するその姿を追いかけ砂浜を走るメアリーを見下ろし、ゼクスは悔しそうに目を閉じた。
⇒決戦、あの白き月で(5)
戦いは、結論だけ言えば私たちの勝利だった。
ジェネシスという組織が完全に消滅したのは言うまでもない。 その影の権力者たちも、ユグドラシルを前に自殺――。 彼らが何をしようとしていたのかは、私には少しだけわかった。
永遠の命なんてものは、この世界には存在しないのだ。 だから別世界を望む。 別の世界にならば、今の自分とは違う自分がいるからだ。
意識だけ他の世界へ移動し、他の可能性の世界の自分に上書きする。 そうすることで他の世界へ意識だけ移り住むことが可能なのだ。 それは、私も経験している。
そして私が見たあの世界に神はいなかった。 平和だった。 そんな世界に彼らも旅立つことが出来たのだろうか。
それとも、あの悪夢のような女に全員殺されてしまったのだろうか。
メルキオール・レンブラムという女は、人間ではなかった。 恐らく人の形をしているだけの神。 リイド・レンブラムともエアリオ・ウイリオとも違う、その上を行く存在。
素手で人間を引きちぎり、ばらばらに出来る力を持ち、フォゾンを操り神を従える。 圧倒的なその力はまさにリイドとエアリオをつなぎ合わせたような力。
彼女は地下にあったジェネシスの研究施設を壊滅させたのだろう。 そして、黒幕たちをも……。 彼らの死が自殺であったのは間違いないが、何故自殺したのかは私にはよくわからない。
だがきっと、時間がなく耐えられなかったのだろう。 彼らはメルキオールの存在を知っていたのだろうか。 そしてそれに相対し、何を思ったのか……。
何はともあれ、ヴァルハラは殆ど完全に壊滅した。 天に伸びる塔は中腹ほどからぽっきりと折れて、今は半分以上海に漬かっている。 当然そこにすんでいた人々は殆ど死に絶え、救助活動は同盟軍によって行われているものの、助けられる数は余りにも少ない。
思い出の共同学園も、ジェネシスも、帰るべき家も家族も亡くしてしまった。 沢山の、本当に沢山の命を巻き込んでしまった。 この世界に生きる、ただ生きていただけの人々を、私は殺したのだ。
作戦は第二段階に移行する。 それと同時に、この世界に本格的な終焉が迫っていた。
エデンに向かったというロンギヌスとヴェクターたち。 ジェネシスの残存戦力は全て宇宙へ。 そしてそれから間もなく、月から無数の神々が地球全土に向けて飛び立った。
それらは今まで確認されていた神の数とは比べ物にならない、世界全土を被いつくような滅びの軍団。 今まさに、地球を滅ぼそうと迫ってきている。
残された私たちに出来る事は決して多くない。 恐らくどんなにうまくやっても生き残る人類はそう多くはないだろう。 地球全土に同時に攻撃を受ければ、物量の問題であちらが圧倒的に有利なのだ。
たとえ抵抗できたとしても僅かな間。 時間が経てば経つほど有利不利の色は濃くなっていく。
よって、ジェネシス攻略作戦終了後、人類は最後の作戦の為に世界中の勢力に呼びかけた。 これから敵の総攻撃が来るという事。 そのためこの世界は終わるということ。
そして、今更多くは望まないこと。 ただそれぞれ、生き残るために最善を尽くす事。 その上で、救助の手を求める人々には同盟軍が手を貸す事になった。
東方連合の帝、スオウ・ムラクモもSIC本社ビルに到着し、帝自らが率いる近衛兵団が合流すると、こちらの準備は殆ど整ったといえる。
最後の作戦、敵を倒すだけが目的ではない。 地球を守らなければならないのだ。 その意味でも、この作戦に割ける人員はとても限られていた。
最終作戦は大きく分けて四つに戦力を分散させる事になる。
一つは世界防衛のため派遣される戦力。 そしてこれは同時に、各地にあるヘヴンスゲート攻撃への戦力でもある。
敵は空から来るものよりもゲートを通じて沸いてくるものの方が圧倒的に恐ろしい。 そしてそれを全てカバーすることは今までの人類の結束では不可能だった。
しかし今までもそれぞれのゲートを抑えることが出来るくらいには人類は戦ってきたのだ。 今手を取り合い、その苦難を乗り越えなければならない。
次に、フロンティアを制圧する戦力。 これはもう既にジェネシス制圧作戦中に同盟軍部隊と共にトライデントが片付けていたため、残るは護衛となる。
フロンティアは現在は地球の周回軌道を維持しているが、周囲を旋廻している制御リングを操作する事で移動が可能である。
作戦の肝となるこの超巨大なフォゾン研究施設を移動させ、月面に落下させる。 これがアレキサンドリアが提案した奥の手だった。
エデンの上に建築されたファウンデーションにはフロンティアとの距離を常に把握する共有システムが存在し、互いの位置はそれで確認できる。 向こうにはこちらの手が見え見えになるが、こちらとしても百発百中の制度でファウンデーションに激突させる事が可能だ。
フロンティアにはかつての研究施設がそのまま残っている。 そこには高圧縮フォゾンが多数内蔵されたまま。 濃度の濃すぎるフォゾンは神に対する強力な打撃となるのは、アーティフェクタのフォゾン武装が通用する事からも明確だ。
さらに巨大建造物という物理的威力でファウンデーションをぶち抜き、エデンへの道を切り開く。 これが第二戦力の役目である。
次の第三戦力は、ファウンデーションと共にエデンに突入。 研究施設および、月のフォゾン維持装置を破壊する。
元々月にはフォゾンがない。 フォゾン生命体である神々はそのため石化し眠りに付いていた。 それを呼び覚ましたのはファウンデーションのフォゾン施設であり、それを破壊することで月から無尽蔵に湧き出す敵を止めることが出来るかもしれないという考えである。
当然保障はないが、やれる事は全てやらねばならない。 フォゾン施設を破壊し、ファウンデーションを破壊する。 ここまでが第三戦力の役目。
そして最後に第四戦力。 これは、最も厄介な仕事となる。
この世界にユグドラシルが二つあるのは、それぞれ『出入り口』として役割を別々に持っているかららしい。
地球のユグドラシルは『入口』。 そして月のユグドラシルは『出口』なのだ。 故にスヴィアもユピテルも、月のユグドラシルから現れるしかなかった。
今回はそれを逆手に取る。
瓦礫の下に埋もれた地球のユグドラシルを使い、月のユグドラシル――つまり敵の中枢に単機突撃を仕掛けるのだ。
第三戦力がファウンデーションへの攻撃を始め、戦力ががら空きになったところに突入。 ユグドラシルおよび他の全施設の破壊後、第三部隊と合流し脱出する。
言う程単純ではない。 でも、やるしかなかった。 そうする以外に、人類が生き残る道はなかったから。
「エクスカリバーに――――私が、ですか?」
「そう。 アイリス・アークライト――君がエクスカリバーに乗るんだよ」
作戦前、急に社長室に呼び出された私はそんな事を行き成り言われてしまった。
「エクスカリバーはもう直ってたみたいだしね。 ある戦力は使わなきゃ損だけど、今は干渉者も適合者もいないような状況だし……。 それに、単機で敵陣に突入する役目である君が、今更ヘイムダルってのもちょっと無謀でしょ?」
そう。 ユグドラシルを通過し、月のユグドラシルまで単機突入を行う戦力。 それは他でもなく、私に与えられた役目だった。
一度ユグドラシルを通り抜けた私の身体には、特殊なユグドラ因子が埋め込まれているのかもしれない、というのがアレキサンドリアの見解だった。 思えばそれを私に施したのはヴェクターであり、彼の計画に利用されていたのだとしたらその力が私にあっても不思議ではない。
背中に埋め込まれた因子は、今も私の身体に残っている。 それは一生残る傷跡だろう。 ここではないどこかを目指して、敗れ去った夢の翼。
それが今、まるで運命のように私を約束の場所に誘うのであれば、私はそれを受け入れる。 そして自分の目で確かめなければならないのだ。 真実を。
しかし、そこにたった一人で突入するのは流石に不安に思っていたところで。 確かにエクスカリバーがつかえるのなら、とても心強いのだが。
「でも、適合者は……」
「それはユピテルにやらせればいい。 あいつはリイド同様異世界へわたるのは上手だ。 お前との相乗効果でより月へいける確率があがる」
「私は干渉者として、ということですか……?」
「そう。 君のは干渉者としての資格と力がある。 エリザベスもそうだけど、結局バイオニクルであり、ユグドラ因子を持つ人間ならば誰でも干渉者になれるんだ。 あとは心の強さが物を言う」
言葉と同時に彼女が私に投げ渡したのは、ずっしりとした重さを持つ一振りの刀だった。
私はそれに見覚えがある。 それは、私の憧れた人が持っていた、誇りとも言える刀だったから。
「オリカ・スティングレイのものだろう? お前に預けておく」
「何故、これがここに……?」
「先ほど、ここにメアリー=メイがやってきてな。 何故かそいつが持っていたんだよ」
「メアリーが!?」
「今は休ませてる。 リアライズに長時間接続していたら消耗するからね。 とにかくこっちの駒が一つ増えた。 アイリス、みんなお前に多くは望んでないんだよ。 お前はもう全てを出来るだけの力は持っている。 あとは気持ちの問題だ」
「……気持ちの問題?」
「ユピテルに本心をさらけ出せるかどうかってことだよ。 きみが怖がっているのは、結局そこだろ?」
握り締めた一振りの刀。
それは、彼女が振り上げ、そして誰かを守るために振り下ろした罪の証。
とても、重くて。 とても、冷たくて。 だからきっとこんなの、女の子には似合わなかった。
「…………かも、知れませんね」
この戦いはいつから続いていて、どこへ向かっているのだろう。
私は先輩に出会って、大きく人生を揺さぶられた。
最愛の姉を奪った憎むべき相手。 私は彼に冷たく当たり、彼を追い詰めた。
私も彼もきっと子供だったから。 でもそんな私をみんなは受け入れてくれた。
ただそこに居る事が出来るという幸福の中、私たちはきっと世界全てのことは見つめていなかった。
だから心のどこかでは子供でいられて。 そうした笑顔を浮かべる事が罪である事さえ知らなかった。
今この瞬間も世界中で散っては生まれていく命。 それらに対して私たちに何が出来るだろう。
一体何をしてあげられるのだろう。 何を残せるのだろう。
何もわからないしわかるわけもない。 ただただ漠然と広がる矛盾とした自己思考の彼方、私たちはそうして迷いながらでも何かをしなければならない。
先輩はその重さをたった一人で背負って、たった一人で駆け抜けたのだ。 その身が燃え尽きても気にもせず。
先輩の事を思うと、今でも胸が苦しくなるのは恋のせいだけではない。 その辛すぎる宿命を、救えなかったという想いもあるのだろう。
だからこそ、ユピテルを見て、私は胸を詰まらせるのだ。 いつか誰にも救われなかった彼は、彼のようになってしまうのだから。
人は変われる。 変わろうと思えば、願えば。 それを教えてくれた。 私は少しでも変われたのだろうか。
格納庫の隅、ユピテルはコンテナの上に腰掛け、泣いていた。 あのユピテルが、泣いていた。 私はそれを見たから、きっと変な思考に陥ってしまったのだろう。
涙を流しながらどこか遠い場所を眺めるその横顔は美しく、とても中性的で天使のようだった。 何故翼を持たないのだろう。 そんな風に思う程。
「ユピテル」
声をかけると、彼は涙を流したまま振り返り、そっと微笑む。
「なんだい、アイリス」
その姿がとても綺麗で、何もいえなくなる。
「どうして、泣いているの?」
彼は視線を再び遠い場所に向け、静かに語った。
「サッカー、またするって。 約束したのに……。 ボクは、守れなかったんだ。 約束も、彼らも……。 ままならないね、アイリス。 守れないものばかりだ。 こんなに力があっても守れない。 当然かな……。 ボクは、壊す事しか出来ないのだから」
「……悔しいのね」
「悔しい……のかな」
「貴方がそうしていたって、事態は全く好転しないのよ?」
「…………」
ユピテルは心底落ち込んでいるようだった。 それほどまでに、子供たちとの約束が大事だったのだろうか。
いや、きっとそうなのだ。 大事に成っていくのだ。 係わり合いの中で、触れ合いの中で、大切なものが増えていく。 それはきっと心になる。
「私にもあったわ。 そんな事」
「…………?」
「守れるって思ってた。 自分ひとりでも。 でも、それはうぬぼれだった。 思いっきり負けて。 結局、誰かに助けを求めてた」
辛く当たって。 自分の方がうまくやれるって喚いて。
結局何も出来なくて、怖くて泣いてたっけ。
「正直に言うとね? 今でも戦うのも……貴方と一緒に居るのも、怖いんだ」
ユピテルは私を見つめていた。 だから出来るだけ強気に笑ってみせる。
「でも、悔しいじゃない。 ここが限界なんだって思いたくない。 もっともっと、出来る事があるって思うから。 負けっぱなしじゃいられない」
「……アイリスらしいね」
「でも私、姉さんみたいに強くはやれないから。 オリカさんよりも、リイド先輩よりも、ずっとずっと弱いから……」
ユピテルの手を取ると、彼は少しだけ驚いていた。 細くて長くて白くて、とても綺麗な手。 そっと握り締めて、肩を寄せる。
「一人で出来る自信がないんだ……。 怖くて仕方がない。 でも、どうしても逃げたくないから……」
「――――一緒に行くよ、アイリス。 ボクが君を守る。 君だけは、絶対に……手放したりしない」
強く優しく、ユピテルは微笑んでいた。 流れた涙の後が輝いて、少しだけ可笑しくなる。
「ボク、リイドと少し話したんだ」
額に手を当て、懐かしむように。 彼は語り始める。
「あいつは最後の最後まで君たちの事を守ろうと必死になってた。 スヴィアもそうだった。 みんな必死なんだ。 一生懸命。 ボクのした事と言えば、壊す事、壊す事、壊す事……ただそれだけだ。 でも、彼らは違った。 守る事も、愛する事も――信じる事も。 ボクよりもずっとすごい、リイド・レンブラムだった」
「……後悔、していますか?」
「今、後悔しそうになってることならあるよ」
「では、それはやってしまうべきです。 後で思い返して『ああ、やっておけばよかった』と思うよりは百倍ましですから」
「じゃあ、遠慮なく……」
手が強く引かれたかと思うと、私はユピテルの腕の中に居た。
こうして抱きしめられるのは何度目だろうか。 そんなことを考えながら、私はもう考えるのをやめた。
ただ暖かく、どうかこんな時間がずっと続けばいいのにと。 ただくだらなく、矮小な自分たちの存在に少しだけ目を瞑って欲しいと。
「――本物にはなれなかったとしても。 それでも君を、好きになった記憶だけは。 ボクはきっと、ずっと忘れない」
周りには沢山の人がいた。 作業員やら兵士やら避難民やら。 でも私は、そんなの気にならなかった。
人々の雑踏の中でも、確かなものはある。 ユピテルの背中に腕を回し、私は目を閉じた。
「応えて欲しいなんて言わないよ。 君が、リイドの事を愛してるって事は判ってる。 いい事を教えてあげるよ、アイリス。 リイドはまだ生きてる。 ここじゃないどこかで。 ボクはもう、彼のことが見つけられないけど……それでも彼は生きてる。 いつかまた、会えるよ」
「…………今は少し。 静かにしませんか?」
見詰め合う視線が交差する。 ユピテルは悲しそうに微笑み、それから小さく頷いた。
このままでいいなんて思わない。 全てを許されるとも思わない。 ただそれでも、気持ちだけは変えられないし嘘もつけないから。
人々の声や作業の音で埋め尽くされそうなそんな世界の果てで、交わした二度目の口付けは涙の味がした。
こうしてエンディングが迫ると『これでよかったのか?』というところが結構ある。
序盤でイリアが死んだりしたあたりは特にそう。 あれがなければリイドの性格は変わらなかったと思うけど、それにしたってイリアの出番は全体からするとごく一部になってる。
今思うとイリアの性格好きだったんだけどなあ。 雰囲気明るくなるし。 明るいやつから死んでいくこの話は後半が重くて仕方ない。
さて、ここまできてふと思ったのはもうあと戦いしかないなーってことです。
くっつきそうな人はもうくっついてるし、ネタバレも大体してるし、あとは本当にラストのラストまで引っ張ることだけ。
あとは月での決戦、戦いのパートだけで全てが埋まりそうです。 すでに登場人物も十分成熟し、それぞれの気持ちも強く成長したと思います。
僕はリイドのように最初だめだめなキャラがだんだんまともになっていく過程を書くのが一番好きですが、一見ちゃんとしているようで実は駄目なやつが強くなるのも好きです。
とくに続編に入ってからは大人率も高くなり、キャラもだいたい成熟してるのでなかなか書くところがなかったというか、結局リイドのストーリーで書ききれなかったところの補足になってしまったように思います。
主人公じゃない連中のお話がだらだらと続き、ちょっと中だるみしたなあと思いますが、この後スパっと希望的な終わりに出来たら気持ちよく書ききることが出来るのでしょうか。
思えばレーヴァテインという話はもうリイドがいなくなって完結、のほうがよかったのかもしれません。この続編は全く別のお話というか、あのエンディングじゃ納得できない人向けというか、要は言い訳の塊みたいなものなので。
アニメで言うところの二期みたいなのをイメージして作りましたが、果たしてうまくいったのか。主人公不在で続く物語というのはどうなのか。不安や迷いだらけで執筆し続けてきたこの続編も、やはり読者様が居なければここまで書くことは出来なかったと思います。
誰かが楽しいと言ってくれるととてもやる気が出ますよね。 前期から引き続き応援してくれる読者の方、こっそりメッセージをくれる方、そういう人たちの言葉が少なからず本編にも影響していると言えるでしょう。
自分ひとりでは書けなかったレーヴァというお話が終わってしまうのは寂しいですが、読者であり協力者であった皆さんの為にきちんと終わらせなければなりません。 それが時間をとらせた僕自身に出来る責任の取り方でしょう。
ここにきて行き成り打ち切りとかになったら流石に殴られても仕方ない……。
ううむ、がんばらないとなあ。