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生誕編ー4


4


ガルディアン第4支部基地内ーブリーフィングルーム。


ポストル、タージュ、マリヴィナ、ニコルの4人は、ブリーフィングルームに集められ、双翼の生物に関する現時点での調査結果を司令から説明された。


「超大型を超えるエネルギー……」


「ったく、最悪だぜ」


ポストルとタージュは、ブリーフィングルームに残り、双翼の生物に関して会話する。


機体の装甲などに付着した双翼の生物の血液を分析した結果、これまで出現した侵略者アントリューズを超える生体エネルギーが検出された。


だから機体に搭載されているシステムが判別できず、エラーを引き起こし、モニターに『UNKNOWN』と表示されたのだ。


ガルディアンは、現時点で双翼の生物を侵略者アントリューズとして分類し、コードネーム『フルエザ』と名付けた。


現在フルエザは、ガルディアン第4支部管轄内の海底深くで行動を停止している。


ガルディアン第4支部としては、今すぐ討伐に動きたいが、機体を4機しかない保有していない為、安易に動くことができない。


何故なら、無防備になったところを侵略者アントリューズやクリミネルに攻め込まれる恐れがあるからだ。


今後の対応について、各支部の司令たちがオンラインを使い、テレビ会議にて話し合いを続けている。


「しかも、このタイミングで各地にある異空間の狭間が活発化して次々と侵略者アントリューズが出現してるし」


「赤ちゃんだけで精一杯なのによぉ」


フルエザが羽化した直後、各地にある異空間の狭間が一斉に活発化した。


そこから次々と侵略者アントリューズが出現し、本部を含め、各支部の部隊が侵略者アントリューズの討伐に追われている。


幸いにもガルディアン第4支部に進行を始めた侵略者アントリューズはいない。


「あの赤ちゃんが異空間の狭間を刺激して侵略者アントリューズを誘き寄せてるみてぇだぜ」


「もしかしたらフルエザは、異空間の狭間を刺激する力があるのかもしれないね」


異空間の狭間が活性化したタイミングから考え、タージュやポストルの考えは有力だろう。


現にガルディアンも異空間の狭間が活性化した原因は、フルエザである可能性が高いという考えを示している。


しかし、現段階ではあくまで可能性が高いというだけで何の根拠もない。


「……」


ふとある疑問を抱いたポストルは、顎に手を当てて黙り込む。


そんな彼の様子を隣で見たタージュは、首を傾げて彼に尋ねる。


「どうした?」


「どうして今まで侵略者アントリューズの卵が発見されなかったのかなって」


「たまたまじゃねぇか」


「もし大昔に地球で卵を産んでいたなら今だって卵を産んでもおかしくない」


ポストルは、侵略者アントリューズが異空間の狭間から毎回現れるより、地球で子孫を繁栄させ、数を増やした方が効率的ではないかと考えた。


人間という種を全滅させることが侵略者アントリューズの目的なら尚更だ。


それにも関わらず、地球で卵を産んだ侵略者アントリューズがいないことから考え、フルエザは侵略者アントリューズと違う点が多い。


「やっぱりフルエザは、侵略者アントリューズと違う新種の生物なのか?」


フルエザは、血の色が侵略者アントリューズとは異なり、生体エネルギーは、これまで出現した侵略者アントリューズを遥かに超える。


しかも、フルエザは、幼体であるにも関わらず、超大型の個体ですら超える生体エネルギーを持つ。


もしかするとフルエザは、『侵略者アントリューズであって侵略者アントリューズではない存在』ではないか。


ポストルは、そんな仮説に辿り着くも謎が深まっていくばかりだ。


「今あれこれ考えてる場合じゃねぇぜ」


「そうだね」


「今頃シレディア大尉たちも侵略者アントリューズの討伐に必死だろうな」


異空間の狭間の活性化に伴い、シレディアが所属するガルディアン第2支部基地管轄内にも数体の侵略者アントリューズが進行を始め、交戦に入ったらしい。


「シレディア……」


想い人の名を呟き、その顔を思い浮かべ、不安そうに俯くポストルであった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最新話まで読みました! 作り込まれた世界観と設定、素晴らしいですね♪ なんでかな?勝手にマブラヴっぽい雰囲気を感じて好印象ですね
[良い点] コードネーム・フルエザの登場によって緊迫感が更に増幅され、作品の雰囲気が一層シリアスに引き締まった感じがします。 それ自体の高い戦闘力も脅威ですが、コードネーム・フルエザの何よりも厄介な…
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