朝と珈琲と神様と
最初のタグ登録で凄まじく迷った月彗で御座います。
明日から十二月。
クリスマスも仕事だぜ畜生!(白目
コーヒー派か、紅茶派かと問われれば、迷わずコーヒーと答える程にコーヒーが好きだ。
特に十一月も末を迎え、明日から十二月に入るのだ。
砂糖もミルクも一切入れない、無糖のホットコーヒーが特に美味しい季節が訪れるのだ。
ふふ、とお湯を沸かしながら、思わず笑みが漏れる。
「おやおや、何かイイ事でもあったんですかぁ?」
――何とも無粋極まりない。
(折角良い気分でお湯を沸かしていたというに……)
全く、と鼻を鳴らせば、視線をそちらへと向ける。
視線の先、そこに佇んでいたのは、群青の寝衣姿の少女。
寝衣のサイズが合っていないのは、足然り手が完全に隠れ、一時流行っていた萌え袖どころか新手の幽霊のようになってしまっている。
「返答無しとは寂しいものですねぇ」
やや舌足らずの調子なのは、寝起きだからだろう。
「返答しないんじゃない。そのサイズの一切合ってない寝衣にツッコミが浮かばないだけだ」それと、と続け「ちなみに別にイイ事があって笑ってたわけじゃない。ほら、明日からもう十二月だろ? だからコーヒーがより一層美味くなると思ってな」
「じゃあサイズの合った寝衣、買って下さい」アルカイックスマイルで告げて来ては「あぁ、成る程。確かに好きですもんねえ、コーヒー」
「買わんわ。寧ろお前さんにはそのくらいサイズの合ってない寝衣の方が合ってるよ」
「おや、どういう意味ですかねぇ」
「サイズの合った寝衣を着たら、きっとその姿相応になっちまう」
「じゃあその姿で一緒に警察へ行きましょうか」
「逮捕されてしまえというのかお前は」
ったく、とお湯が沸いたために火を止めれば、既に準備済みのドリップバッグへお湯を回し注ぐ。
「香りは好きなんですけどねえ」
アハハ、と笑う少女に、
「俺も昔はそうだったよ。あの苦味と酸味がなぁ」
と苦笑して返す。
部屋がコーヒーの香りで満ちてゆく。
そうして今日が始まる。
――俺と、居候の神様との一日が。




