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ほのを  作者: につき
5/12

夕暮れスズメ

林立するビルは綺麗

夕暮れにスズメは飛び去り

身の置き場なく薔薇は花を留める

わたしの贖った歳月と費やしたもの

そうして言葉はわたしに還る


運河が満ちていく

どうしても届かない月の引力に

答えなど見つからない

仔猫と等しい二十歳は知っている


この暴力的なチープが怖いから

マスクで顔を隠している

生きているのに忘れようとしている

この寒さを誰も口にしない


失えば失うほどに

贖われる町の風景

そこにあるものは

費やした年月によって

費やした物事によって

得られる言葉となり

そして交点として

お互いがお互いを乞うていること


見知らぬ誰か同士

汚しあって慰め合う愚かさ

わたしたちはどうしようもなく愚かだ

そして

目の奥にある滅びを認めた明るさ


天気予報が外れて晴れた

今日は暖かな秋だった

穏やかな日暮れに

まだ気づかない彼らは

若く自らを自らに費やしている故だ

風景は贖うもの。

費やして得る言葉。

暮れに迫る来し方。

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