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幻想サルベージ
雨宿り
樫の木の下で
空は泣かないから
雲が泣いてる
そんなときでも
足元の濡れることを気にしてる
やっと眠れる朝に
何も手につかない
ひとりで傘を差せば
空が見えなくなる
だからビニール傘は大人気
誰も彼もが空を見失いそうなんだろう
街は大きくなったり小さくなったりを繰り返して
そのたびに わたしも小さくなったり大きくなったり
結局は どっちもどっちだから
雨が降ったら濡れるだけ
雨が上がったら
サルベージをやろう
水たまりに釣り糸を垂れて
この空の底で
誰も見たことのない幻想を釣り上げよう
雨降ってないんですけどね。なんだかそんな感じだったんです。