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ねこいぬ
薄衣の幽玄な彫刻ほどに
わたしの詩は精緻であるか
とんでもない
こんな荒っぽい言葉では
割れたガラクタほどの価値もない
ならば
克明に記すほど良いのか
そうではない
こんな堅苦しい言葉では
置いただけで割れてしまいそうだ
それならば
何処まで開けば言葉は収まるか
……
ねこたちの窓が三つ
ねこ ねこ ねこ
いぬたちの格子が四つ
いぬ いぬ いぬ いぬ
向かい合う道を挟んでため息一つ
ねこたちよ いぬたちよ
それぞれのため息を何処へ還す
ねことねことねこが
いぬといぬといぬといぬが
寒い夜に縮こまって丸まって
まったくの一つの固まりになって
眠るときの温かみの真ん中に
お前たちの悲しみをそっと置いておく
ひんやりと夢の中へ溶けてしまえ
言葉を着想へ還す試み。走りながら考えるように、書きながら生まれるままに。