表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ほのを  作者: につき
10/12

視線

愛はやがて幻想を包み込む

身ぐるみに

己の信じたかったものを

差し出せという


愛情とは

手を伸ばせば焔の暖かさ

見つめている輝く瞳

軽やかに跳ね回る足音


幻想とは

見上げる夜空の美しさ

思わず丸く大きい月

玲瓏に光り続ける星


信じたかったものとは

待ち続ける昨日

遠ざかる線路の音

蹲ったままの子ども


わたしという

散らかり続ける表情が

一点に集約する

初めて出会う誰かの

見知っている美しさに


陰影の濃い輪郭を

描いてみたい

発達した骨格の横顔

強さという個性


美しさは美しさとして独立する

それは共有する記号として

光のように真っすぐな速やかさで

波のように押し寄せる確かさで


純粋なものは空を求めない

唯その下にあって輝くもの

暴風雨の不安な夜を過ぎ

明けた光の朝のように


無感動に澄み広がる空

名前を持たず流れる雲

全てを透過して

わたしへ届く

彼方より照射された視線


連続する美が悲しく過ぎていく

瞬きする美は明るいというのに……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ