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スキルを確認しよう

 「おう、やっと来たか。何やってたんだ?まさかぶっ倒れてたわけじゃねーよな」

 

 食堂、なのかな?に着いたときに笑いながら、そう言ったのはジリアンさん。まあ、ジリアンさんからすれば冗談のつもりだったんだろうけど………


 「その……実は先程………」

 「大丈夫だったよ?」


 危ない危ない。メイドさんに先に言われたらばれちゃうところだったよ。


 「……倒れたみてえだな」

 「そのようですね」

 「体調管理はしっかりしないとだめですよ?」

 「っていうか、休んでなかったの?」

 「なんでばれたの!?しかもなんで僕が悪いみたいになってるの!?」


 やっぱりろくな目に合わなかったよ。ちゃんと休んでたのに。


 「今日はやめとくか?病人に無理させるわけにゃあいかねーしな」

 「だから大丈夫だって。お腹も空いてるし、早く食べ始めようよ」

 

 このままじゃ強制的に部屋に帰されそう。大丈夫だってこと見せないと。それにお腹が空いてるのは本当だし。


 「体調が悪くなったように見えたら、無理矢理にでも部屋に戻してください」

 「わ、わかりました」

 

 なんか不穏な会話してるんだけど!少しは信用してくれてもいいと思うんだけど!


 「それでは食事にしましょうか。運んできてください」


 テーブルに並べられたのは………


 「ええと、これ何?」

 「何かの鳥の肉じゃねえのか?」

 「これは?」

 「野菜じゃないの?」

 「じゃあ、こっちは?」

 「パンですが……知らないのですか?」

 

 食べ物ってこういうものだったっけ?何か違うようなものだった気が………

 そうすると、また頭に鈍い痛みが。軽く抑えただけだったけど、メイドさんはごまかせなかったみたいで。


 「部屋に戻りましょう。具合も悪いようですし」

 「大丈夫だって。ほら、もう良くなったし」

 

 とは言ったものの、みんなは白い目で見てくる。うう、凄いアウェー感。本当に大丈夫なんだけどなあ。

 

 (にしても………)


 なんで頭が痛むんだろう?一回目はメイドさんの耳に触ったとき、二回目はご飯を見たとき。どうにも変な気がする。そう、まるで思い出させないようにするかのように。


 (気のせい、かな?)


 考え過ぎかな。それではまるで思い出さないように、いや思い出してはいけない(、、、、、、、、、、)ようにしてるみたいじゃない。そんなことはないだろう。その場はそう考え、切り上げてしまった。後にそれが大きな問題になるとは露知らず。


 「まあ、大丈夫ということにしておこう。この様子だと部屋に戻しても、ここに帰ってきそうだ。それよりも、スキルの話を早めに切り上げる方がいいのではないか?」

 「そうですね。そうするとしましょうか」


 みんなの優しさが痛い………


 「それではもう一度ステータスを確認してくれませんか?」


 今度はみんな驚くことなく、開いたみたい。二回目だしね。


 「ステータスの下の方には所持スキルというものがあると思います。それがスキルと呼ばれるものです」

 「で、スキルってーのは結局のところ何なんだ?」

 「そうですね。説明するとなると難しいものなのですが……あえて言うなら自身を補助してくれるもの、でしょうか。例えば剣術というスキルを持っている人は持っていない人と比べて、より上手に剣を扱うことができます。勿論ステータスが同じなら、の話ですが。圧倒的にステータスが高い人なら対抗できたりもしますし、逆もまたしかりです」

 「なるほどねえ。ちなみにお姫様はどんなもんを持ってんだ?」

 「私は《全属性魔法適正》に《召喚魔法》、《高速詠唱》、《消費魔力減少》ですね」

 「魔法が得意なだけはあんな。俺のを見てみたが、俺は《剣術Lv10》に《槍術Lv10》、《弓術Lv8》、《集団指揮Lv30》、あとは《カリスマ》ってのを持ってんぞ」

 「Lv1でそれだけの数のスキルを!?凄いですね………」

 「まあ、いいから早く紹介していこうぜ。ほら、あいついるし」

 「なんでそんなに信用ないの、僕?」

 「二度も体調を崩してるからでしょ。ちなみに私は《剣術Lv30》に《体術Lv25》、《聖属性魔法》っていうのがあったよ」

 「おい、なんか俺より高くねえか?」

 「その分スキルの数が少ないじゃない。それにあんたの《集団指揮》ってやつも30じゃない」

 「お二人とも、異常と言っていいほどのスキルですよ………?」

 「あうう、私、《回復魔法》しかないんですけど………」

 「!本当なのですか!?」

 「そんなに驚くことか?」

 「はい。《回復魔法》は10万人に1人しか発現しないと言われるほど希少な魔法です。過去の勇者の中でも、持っていた方はごく少数でした」

 「そ、そんなになんですか!?」

 「確かに《聖属性魔法》でも代用はできるのですが……回復量は断然違います。最高峰のものになると、死んでさえいなければ治すことができるとも言われています」

 「あわわわわわ、とんでもないものを持ってしまいました………」

 「私は《銃創成》に《弾丸創成》、そして《効果付与(エンチャント)》だな」

 「知らないスキル……ユニークスキルなのでしょうか?」

 「ユニークスキル?」

 「はい。個人専用のスキルのことです。一般的なスキルと比べて、強力なものが多いです」

 「んだよ。結局、アルヴァが一番強いってことか?」

 「それはわからん。最後はユート。お前だ」

 「ん?んー、わかった」


 相も変わらずひどいね、これ。神様がいるなら僕を嫌ってるとしか思えないよ。


 「なかった」

 「は?ない?」

 「うん、ない」

 「マジで?」

 「マジだよ」

 「……どうすんの?」

 「どうしようか?」


 ジリアンさん絶句してるよ。みんなもだけど。


 「と、取りあえず……飯食うか」

 「そ、そうですね」

 「……あまり落ち込まないでね?」

 「き、きっとこれからいいことありますよ!」


 ……みんなの優しさが、痛いなあ。


※               ※               ※

 「ふう、やっと帰ってきた」

 

 みんなが心配しながら送ってくれたはいいんだけど、過保護すぎやしない?そんなに頼りないんですか、僕は?特に、ジリアンさん。いい人なんだけど、なんだかなあ……無関心過ぎたり、ひどいことされるよりいいんだろうけど………


 「何かあれば呼んでくださいね」

 「うん」


 このメイドさんも心配性だし。

 そういえばスキル。なかったんだよね。しかも僕だけ。シルヴィアさんも不思議がってたよ。


 (でも、これはスキルじゃないだろうしなあ)


 運が悪かったんだろう。そう思うことにした。


 「おい、ユート居るか?」

 「あ、ジリアンさん。何?」

 「風呂があるみたいでな。入れそうか?俺がちょうど行くところだから、ついでにと思ったんだが」

 「たぶん、入れると思うよ。で、風呂って何?」

 「それも知らないのか……いいか、風呂ってのはな………」


 そう説明してくれるジリアンさんに付いて、部屋を出る。その時にはもうさっきまでのことは忘れていた。




 ユート Lv1

MP 500

STR 7

VIT 6

DEX 3

AGI 5

INT 15

LUK 100


 【所持スキル】《----:--》、《------》 

 

 

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