表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/204

同行者

 あれから時間が経ち、とりあえず移動しようかということにはなったんだけど……結局、野宿になっちゃった。


 「ところでカトレアちゃんはこれからどこに行くのかしら?」

 「ええと……今はバーホルト国に行こうとしてるんです、が………」

 「あら!私もちょうどそこに行こうと思ってたところなのよ。ご一緒してもいいかしら?」

 「そ、それは……どうしましょう、ユート様………?」


 カトレアが僕に話を振る。ちなみに今の位置的には僕、カトレア、アメリアさんという順で一列に並んでる。普段みたいに座ったら自然とこうなったんだよね。アメリアさんがカトレアに近寄っていくから、カトレアは僕の方に逃げる感じで寄ってくる。なんなんだろね、この状況。


 「んー……別に僕はどっちでもいいかな。カトレアが決めていいよ」


 変なこと言ったらひどい目に会う未来が見えたので、そう返しておく。うん、《未来視》は今日も便利。こんなことに使っていいのか、ってことを言われるかもしれない。でも、能力は使ってこそじゃないかなと思うし……別にいいと思う。


 「うう……ひどいです………」


 ああ、カトレアも断りにくいのか。まあ、せっかく助けたのにまた襲われて助けたのが無駄になりました、じゃ寝覚めが悪いしね。かと言って、迫ってくるアメリアさんには困ってるし……といったところなんじゃないかな?


 (とは言ってもねえ………)


 ここで断ると、アメリアさんに殺気を向けられながら問い詰められる。で、うんと言うまで離されない。で、断らなかったら断らなかったでカトレアに半狂乱状態で問い詰められる。どっちを選んでもろくな目には合わない。困るよねえ………


 「まあ、いいんじゃない?ついてきても」

 「ええ!?」

 「へえ」


 カトレアが驚愕の表情で、アメリアさんが興味深げな表情で見てくる。


 「ど、どうしてですか!わ、私は、その、この人苦手なんです!だから………!」

 「とりあえず落ち着いてよ。何の考えもないわけじゃないし」

 「そ、そうなんですか?」

 「うん」


 まあ、妥協点としたらこうすれば問題ないんじゃないかな。


 「アメリアさんはついてきてもいいよ。でも、カトレアが嫌がるようなことは禁止。その時点で別れる。それでどう?」

 「……それなら、まあ、大丈夫です」

 「……内容は理解できたけど、言うことを聞かなかったからといって別れられるの?私が追いつけるといった可能性だって………」

 「それはないよ。絶対に」


 アメリアさんを見返す。侮ったような表情をしているけど、《テレポート》があれば逃げれないなんてことはない。遠距離で使って、帝国辺りまでアメリアさんを跳ばせばいい。それだけで逃げることができる。


 「……どうやら嘘を言ってるわけじゃないようね。いいわ。その約束を守る。破ったらその場で別れることにしましょ?」

 

 どうやら納得してくれたらしい。ふう、面倒なことにならなくてよかった………


 「珍しいな、主が対応を間違えないなど」

 「そこまで驚くこと?最近思うんだけど、クロってほんとは忠誠心とか欠片もないんじゃない?」

 「そんなことはないさ」


 ほんとかなあ?この頃の対応を見るに首を傾げざるを得ないような………


 「でも、今までのユート様なら間違えていたと思いますよ?何があったんですか?」


 カトレアも失礼だよね?最近周りの人が冷たい………


 「何って、《未来視》を使っただけだよ。正解っぽそうな答えを総当たりしたわけ」


 その答えにカトレアが肩を落とした。どうしたんだろ?


 「どうせそんなことだろうと思っていました……ていうか、そんなことに能力使っていいんですか………?」

 「いいんだよ、別に。むこうも構わないだろうし」

 「むこう、ですか?それはどういう………?」

 「ああ、それは………」


 そこで言葉に詰まる。……あれ?今、何を言おうとしたんだっけ?


 「ごめん、ただの勘違いかも」

 「そ、そうですか……わかりました」


 何とも言えないやり取りを最後に、会話は途切れたのだった。……何か、大事なことを忘れている気がするんだけどなあ………


※               ※               ※

 (ふー、危ない危ない。またあんなことになるところだったよ)

 (まったく。どれだけ心配をかけさせれば気が済むのだ、あいつは?)

 (そんなこと言っちゃだめですよー?マスターさんが無茶をするのは今に始まったことじゃないわけですしー)

 (まーなー。だから早く思い出してほしいところなんだけどよー)

 (ふふふ、どうせ僕には関係のない話だよ……僕のことなんか元々持っていた記憶からも消えてるだろうからね………)

 (いちいち鬱陶しい。こっちまで鬱になるから喋らないで)

 (はあ、相変わらずばらばらですね………)

 (にしても、あいつあれだよねー?何というか、生意気?)

 (それに関しては全面的に同意。今すぐに殺したいところ)

 (物騒だなー、せめて黒焦げくらいで許してやれよ)

 (そっちの方が物騒ですよー?精神を崩壊させるくらいで許してあげませんー?)

 (皆物騒過ぎです。マスターを侮られて苛立っているのはわかりますが、短絡的な行動は慎みなさい)

 (それなら、何もしないのか?)

 (ええ、今は(、、)。もし、これ以上のことをしたときは………)

 (なるほど、徹底的にやるのか。まあ、そのときは仕方ないよ)

 (今はマスターを見守ることに留めましょう。いざというときは先ほどのように助けるということで)

 (りょーかーい)

 (わかった)

 (オーケー)

 (わかりましたー)

 (了解したよ)

 (了解)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ