ステータスを確認しよう2
「次、誰がする?私は別にいつでもいいけど」
「あわわわ、アルヴァさんのすぐ後だけは嫌です………」
「じゃあ、僕は一番最後で」
一応確認しておきたいこともあるしね。
「じゃあ、次は私か。さっきの人と比べられるのは嫌なんだけど………」
凛花さんのステータスはこんな感じ。
伊集院凛花 Lv1
MP 120
STR 15
VIT 20
VEX 30
AGI 35
INT 30
LUK 25
うーん、十分凄いと思うんだけどなあ?確かに、STRとLUKは低いけどそれくらいだし。ていうか、女の子なんだから仕方がないと思うよ?
「や、やっぱりみんな凄いです……それに比べて私は………」
いや、だから大丈夫だって。ほら、みんなだって大丈夫だよって顔してるもん。……アルヴァさんはしてないけど。あの人、さっきから全く表情変わってないよね。笑えないとかそんな感じなのかな?
「まあ、取りあえず言ったらどうだ?低いかどうかはこっちが判断することだしよ」
「うう……わかりました………」
コルネリアさんのステータスはこんなだった。
コルネリア Lv1
MP 1000
STR 10
VIT 10
DEX 25
AGI 10
INT 48
LUK 15
「……え?」
頭が真っ白になった。確かに低めなステータスではあったけど………
「普通に魔法主体で戦う分には問題ねーと思うんだが………」
「そう……ですね。これでレベルは1ですか………」
「嬉しい誤算だな。戦力的には申し分ないのではないか?」
「最後はあんただよ?どんな感じなの?」
「……うん、わかってる」
本当は言いたくはないのだけれど、記憶がないことで自分のことを話せなかったこともあるし……それに話さなかったり、嘘を言ったりしてもむしろ足を引っ張っちゃうのかな?だから、本当のことを話すことにする。僕のステータスはこんな感じだった。
ユート Lv1
MP 500
STR 7
VIT 6
DEX 3
AGI 5
INT 15
LUK 100
「これは………」
「ひでえ数値だな………」
「間違いではないのか?」
「間違いの方がよかったよ………」
コルネリアさんなら同じくらいなのかな?って思っていたのに。予想に反して僕より高かった。しかも、LUK以外全部。女の子よりも力がないの、僕?
「ま、まあ、LUKはこの場にいる誰より高いじゃない」
「ええと、お仲間さんなんでしょうか………?」
嬉しくないよ、凛花さん……それにコルネリアさん?コルネリアさんは普通の人より高い数値があるじゃない………
「にしても、困りましたね……ここまで低いともう虚弱と言ってもいいほどのステータスですよ?」
「……もしかしたら、だから病院着を着てるんじゃない?」
「どういうことですか?」
「ユートが虚弱だからってこと。召喚される前は体が弱いから病院にいたんじゃない?」
「あるかもしれないな」
「「「病院?」」」
「ああ、あんたたちは知らないんだ。病院っていうのは病気の人が行くところ。そこで病気を治したりしてる」
「へー、そんな場所があるんですか」
「うん。ただ、中には治らない病気もあるよ。もしかしたらそこにいなくちゃ生活するのも大変だったのかもしれないと思ったんだけど」
「そうなのですか!?」
「いや、記憶がないからわからないよ」
そうなのかなとは思ったけれど。でも、わからないものはわからないし仕方ないよ。やっぱり記憶が戻る感覚はないし。
「もし、それが本当なのだとしたら……私はなんてことを………」
「大丈夫だと思うよ?変なところはないし。ただ、ここに着くまでにちょっと息が上がったくらいだし」
「……ここまでおそらく500メートルはないと思うぞ?それなのに息が上がったのか?」
あれ?なんかまずいこと言っちゃったかな?結構な距離だったと思うのだけれど。
「……スキルの話は食事の時にしましょうか。ユート様の体に何かあっても困りますし」
「そうだな。それがいいだろう。虚弱であるのは間違いないことのようだからな」
「え?そんなことはないと思うけど………」
「そういえば、飯までは時間があるのか?」
「はい。まだ食事までは時間があります。用意ができ次第、皆さまの部屋まで知らせが来ると思います」
「そうか。それなら、おめーは時間まで休んどけ。ぶっ倒れられても困るしな」
「そうですね。それがいいと思います。皆さまの部屋を案内するつもりでしたが、そういうことならユート様の部屋から案内した方がよさそうですね」
「うん。その方がいいと思う」
「待って待って!女の子たちの案内が先でいいよ!僕は大丈夫だから!疲れてるかもしれないし!」
「「「私たちより体が弱いあなた(あんた)が言わないでください(言うな)!」」」
「……はい」
女の子って本当に怖いね。