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渡らない私たち、戻らない彼らたち

 あなたが行きたいのは、その交差点の対角線上。

 つまりは二回、横断歩道を渡ります。


 あなたは目の前の赤信号に気がつくと、当然のごとく歩みを止め、当然のごとく携帯電話を取り出した。

 携帯電話をいじくり回すあなたは気がつかない。



 ――あなたの真横の青信号に。



 メールの返信で気づかなかった?


 それは後付けのものあって、正しい起因ではありません。

 あなたはその横断歩道を渡らなかった。

 いいえ、あなたは渡ろうとしなかったんです。





 人間は弱い生き物です。

 好き好んで、やりたくないことをやる人なんていないんです。

 しかし、私たちは大人になるにつれて、我慢を覚えていきます。

 やりたくないではなく、やらなければならないに変化するのです。

 つまりあなたは未だ、大人になれていないのです。




 大人だから、我慢しよう。


 大人だから、諦めよう。


 大人らしく折れて、大人らしく吹っ切ろう。


 大人が我慢しているのだから、君たちも潔くなろう。



 実にサッパリとした主義主張ですね。

 だけど、それは彼らの言い分であって、私たちに押し付けようとするのは少し違うのではないでしょうか?

 だから、私は敢えて彼らにこう言ってやりたい。



 ……だから、何なんですか?、と



 私たちは未だ子どもです。

 いいえ、子どもと云う肩書きに甘んじていられる歳なのです。


 未だ子どもの私たちは考えが稚拙です。

 ですが、私たちにも夢というものがあります、

希望があります、

若さがあります。

 大人になれていない私たちは、大人にはもはや無い何かがあるのです。




 しかし、私たちの身体は時と共に朽ちていきます。

 つまりは、いつかは大人にならなければならない時が来るのです……。



 だけど、いつかは大人にならなくてはいけない時が来てしまうのなら、


今だけは、、、


今だけはこうやって、気ままなままに暮らしているのも、

間違いなんかでは無いハズなんじゃないですか?





 ――私たちはきっと、未だ大人に馴れていないだけなのですから。。。


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