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奇跡への軌跡  作者: act.
2ndChapter 「TurningPoint」
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act.017

第二章スタート!!

「ようこそ、ルミナス学園へ・・・私はこの学園の理事長、ミネラ・ウォーカーと申します。お二人を心よりご歓迎いたします」


学園のある一室に通され、入るやいなやミネラは自己紹介した。


「私は神咲灯馬と申します。そしてこちらは・・・」


「神咲弥彦と言います。よろしくお願いします!」


灯馬に続いて弥彦も元気一杯に挨拶をし、ミネラは少し微笑んだ。


「ふふ・・・元気がいいですね。それでは挨拶もここまでにして、本題に入りたいのですが宜しいでしょうか?」


「ええ、どうぞ。時間もありませんしね」


灯馬と弥彦が学園に到着したのは、本日の授業が開始されるチャイムが鳴ったのと同時で、そこから入り口の門番にお願いして中に入れてもらい、約20分かけて学園長室と思われるここまで案内されたのだった。


重厚な作りの中にどこか冷たさを感じる部屋で、雫の部屋と似たような雰囲気を出していた。


案内を買って出てくれた門番の人はいつの間にか居なくなっており、部屋に残されたのは灯馬と弥彦、ミネラの三人だけであった。


ミネラが二人を備えられたソファーに座るよう促し、腰を落ち着かせたのを見計らって口を開いた。


「それではまずお二人がこれから向かう教室ですが、灯馬さんは総合学科で教鞭を振るっていただき、弥彦さんは魔法学科で基礎知識から学んで頂く・・・これで間違いはありませんね?」


「「はい」」


その返事を聞いて満足そうにミネラは一つ頷き、


「よろしい・・・では私はこの後用事がある為、失礼ですがここで退室させて頂きます」


と言い、立ち上がり何歩か二人から離れるように歩いた。


「本当に急いでいらっしゃる中、遅れてしまい申し訳ありません」

灯馬はそう言いつつ頭を下げた。


「いえいえ、お気になさらず。今、二人の教員がこちらへ向かっています。案内を予め頼んでありますのでその二人に付いて行って下さい。では・・・」


そう言うとミネラの影が彼女を取り囲むように黒く広がり、足からその影に沈んでいった。


「お二人とも今後の活躍を心より期待しています」


そう言って一礼をしつつ、最後には頭の天辺が影に飲まれるのと同時に、彼女を取り囲んでいた影は集束し、彼女は居なくなってしまった。


その様子を逐一見ていた弥彦は慌てて灯馬に問いかけた。


「師匠・・・あの人はもしかして?!」


「ああ、ヴァンパイア族だな。しかも始祖クラス・・・いや、完全に始祖だな」


「はわわわ!!凄い人と会っちゃいましたね!!」


弥彦は歓喜とも畏怖とも取れる感情を体全体で表現していた。


今まで本でしか読んだ時がなかった伝説の存在がたった数分とは言え目の前に居て、しかも少しでも話してしまったという事が弥彦には十分インパクトがあったのだろう。


そんな弥彦を眺めていると、不意に扉を叩く音が聞こえた。


「「失礼致します」」


その一言と共に扉は開かれ、新たに入って来たのは二人の男女だった。


「どうやら学園長は既に出られたみたいですね」


そう最初に言ったのは、赤い衣服を身に纏った眼鏡をかけた女性だった。


「遅かったか・・・」


そして遅れて言ったのは、顔に無数の切り傷痕が目立つ、厳つい男性だった。


「仕方がありませんね・・・それでは遅くなりましたが、自己紹介をさせて頂きます。私はヴァリス・フィリングと申します。先日はうちの愚妹が失礼を致しました」


そう言うと彼女は深々と頭を下げた。


「え?愚妹って・・・」


「ノココは・・・いえ、ノココ・フィリングは私の妹です」


「え~~~~!?」


そこで驚きの叫びを上げたのは弥彦だった。






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