表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奇跡への軌跡  作者: act.
1stChapter 「HellowWorld」
13/27

another.001

投稿が無い日は会社に泊まっているか、疲れて眠っている時・・・。

どこまでも高く、どこまでも広く青い空の下に12からなる浮遊体があった。




「彼女の意思を継ぐ者があの世界に現れたという事か?」


「どうやらそうらしい・・・」


「なんという事だ・・・しかし奴は『零秒の間』に永久凍結されているはずだが?」


「その凍結から誰かが開放したらしい」


「なんと・・・」


「我等の中に内通者が居るのかもしれんのぉ~」


「誰だというのだ?!」


「・・・・・・今はその議論をする意味は無い」


「そう、問題は奴が彼女の意思と力を受け継ぎ、我等をも含めた全ての『天敵』を倒し、あの世界に渡ってしまったという事・・・」


「まさか、アレを倒すとはねぇ」


「『奇跡』か・・・」


「その定義は我等にも不確かなもの・・・下手に口にするものではない」




12からなる浮遊体は時計回りの順に一人一人、発言していった。


そしてまた最初に発言した浮遊体に戻り・・・。




「あの世界の結界の綻び状態はどうだ?」


「強力すぎる為に時間はかかるが、世界への干渉は既に始まっている」


「戦況はやや不利な状態な為に一概に順調とは言いがたいな」


「結界のおかげで幾ら尖兵を送ろうにも、尖兵は本来の力が出せていない」


「たぶん、あの魔女も我等の行動に気が付き前々から布石を打っているのであろうな」


「厄介じゃのぉ~」


「しかし、計画は進んでいる」


「例の(ファウスト)の調整はどうだ?」


「洗脳が4割と言ったところか・・・」


「力は我等に匹敵するぐらいにはしているよぉ~」


「まだまだだな・・・」


「もし、あの(ファウスト)が倒される事があれば・・・是非も無く我等の出番だな」




沈黙が訪れる。


皆、それぞれ何を思っているのかを知る術はない。


そして最初に口を開いたのはやはり、一番目の浮遊体だった。




「今回はここで閉廷する。次回もまた明日のこの時間に・・・」


それを合図に次々と浮遊体は消え、最後に残ったのは・・・。




「・・・11番目よ」


「なんだ、6番目」


「おぬしが奴を解放したのじゃろ?」


「・・・」


「やはりな・・・なに、つげ口はするつもりは無いよ」


「・・・」


11番目と呼ばれ浮遊体は沈黙し続けたままだった。


「おぬしがやらねば、ワシがやっていただろうからのぉ~」


「・・・あなたは・・・」


「勘違いするなよ?全ておぬしに賛同しているわけではない。だが、我等もあり方を考えねばならぬ時期かもしれん」


そう言いつつ「カッカッカ!」と笑いながら6番目の浮遊は消えた。


あとに残ったのは11番目の浮遊体。




「私は・・・」




その呟きを最後まで言う事なく11番目の浮遊もまた消えた。




あとに残ったのは、変わらずあり続けるどこまでも高く、どこまでも広がる青い空だけだった。



ご意見、ご感想お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ