表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奇跡への軌跡  作者: act.
1stChapter 「HellowWorld」
11/27

act.008

忙しすぎる・・・人生で初めて会社に泊まって働くのを経験しました。

「甥と言うのはどういう事ですか?」


先ほどまで戦況報告をしていた、ブロッケンが代表して言った。


「言葉通りの意味です」


「という事は・・・」


と、そこで雫がブロッケンの言葉を遮って言った。


「今から説明致します」


「はっ!」


そこで雫は一呼吸置き言葉を続けた。


「そうですね、簡単に説明すると・・・もう一人の『創生の魔女』である私の姉の息子にして弟子である人です」


「では・・・」


「そう、皆さんは既に感づいて居るでしょうが、この国・・・いえ、この世界の正式な正統継承者という事になるんでしょうかね?」


そう言うと雫は灯馬に視線を向け、それを受けた灯馬は苦笑いで無言の返答をした。


そこで初めて口を開いたのは灯馬だった。


「えっと、少々宜しいでしょうか?」


その場に居た者に一斉に視線を向けられ、灯馬は一瞬たじろいだが気を取り直して言葉を続けます。




「今、雫叔母さんの言った通り確かに自分にこの世界を管理する資格があるかもしれません」


一部の者に「雫叔母さん」と言い、睨まれたが気にする事無く続けた。


「しかし、今はこの世界を管理するつもりはありません」


そう言うと今度は雫に睨まれ冷や汗がドッと出た。


「その理由としては、あと一人・・・『三人目の創生の魔女』に出会っていないからです」


そう言うと再び会議場はざわめきに支配された。






創生の魔女。


異世界プリズムアークでは、その世界に住む者では知らない者が居ないと言われるほど、御伽話として有名な物語である。


だが、物語は時に間違った事を覚え伝えてしまったり、独自の解釈が広まっていた。




神に見捨てられた者が住み、神に見捨てられた世界プリズムアーク。


三人はそれぞれ傍観者、調停者、執行者として世界を管理する。


元居た世界に強い未練を残し、天国や地獄にもいけず彷徨っている者の最後の楽園。


―――やり直すための世界。




魔女の中心人物であった一人目は、世界の創造と創生で力を使い果たし死に、


二人目は生ける伝説として悠久の時をこの世界の中心で見詰め、


三人目は世界が終る時その姿を現し、世界の敵を殲滅し、新たな導き手を世界に示す。




人生を謳歌せよ!


少ない命で悔いが残らぬように。


顔を上げろ、胸を張れ!


小さな幸せさえも見逃さぬように。


祈りが通じなくても私達は生きていける。




この素晴らしき世界で共に生きていこう。


『奇跡』は常にその胸の中に・・・。







「では、この世界が滅亡の危機に瀕しているという事ですか?!」


誰かが声を荒げて言った。


灯馬は雫に一度目を向け、雫は沈黙したままだったが一つ頷き、灯馬に言葉を続けるよう催促した。


「そうです・・・」


「バカな・・・!」


「これは確かな事です!」


未だざわめきが支配している中、灯馬は言葉を荒げ放った事により一瞬にして静かになった。


「これから話す事は、皆さんがこの世界の真実を知っている者だという事を前程にお話をします」


その一声で、全員の目が真剣なものに変わり灯馬は感嘆の息を漏らした。




―――強いな・・・力だけではなく心も強い。よくこれだけの人達を集めたものだ。




その心内を知ってか知らずか、雫は細く微笑むのだった。





ご意見、ご感想をお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ