act.000
基本、主人公最強物です。書くにつれ、他にも強い人がわんさか出る予定です。そういった物が苦手な方は残念ですが「戻る」ボタンを押してください。
物語が煮詰まらず曖昧な部分も出て来ると思いますが、生暖かい目で見守るか、指摘してください。
それではヨロシクお願いします。
背中に柔らかな感触が伝わる。
気持ちが良い風が肌をなで、甘い蜜の香りが鼻腔を通り抜ける。
眼はまだ開けない。
今はまだこの感覚に身を委ねていたい。
「師匠・・・そろそろ眼を開けてくれませんか?」
「・・・」
その一言で全てがぶち壊しになった気がする。
「師匠・・・目覚めているのは解っているんですからいい加減起きてください」
「・・・」
「そうですか、そうですか・・・じゃここは失礼して・・・!」
っというと少年は近くにあった岩の上に登りそこから跳躍し、未だ狸寝入りをしている青年の鳩尾めがけてキックを入れようとした。
「チッ・・・」
青年は一つ舌打ちすると、眼を開いて飛び掛ってくる少年の足を掴み、そのまま力任せに地面に叩きつけた。
「イッ!?」
ドスンッという音と共に青年は体をゆっくり起し、地面に叩きつけられた痛みでうずくまっている少年に眼を向けた。
「おいおい、人の眠りを妨げるとは良い度胸だな?」
痛そうに腰をさすりながら
「いつつ・・・寝たふりをする師匠がいけないんじゃないですか・・・」
未だに顔にあどけなさが抜けない右目が金色で、左目が銀色のオッドアイを持つ少年だった。
「はぁ~・・・まぁいいか、どうやら無事に着けたようだしな」
「あ、はい!そうですね、とても良い『世界』じゃないですか」
少年は表情をパッと明るくし、地平線まで続く花畑を見てどこか思いを馳せていた。
「じゃ早速だが弥彦行こうか・・・」
「はい、師匠!・・・ってどこに行くかはもう決まっているんですか?」
そういうと、青年は一つ頷いて「ああ・・・」と一つ返事をした。
「それなら良かったです!久しぶりに食事を取りたいですね~!あ、あとデザートなんかも食べたいです!早く行きましょう!」
そう言うと弥彦は小走りに先を行き、「師匠、早くー!」と叫び青年に手を振った。
「まずは、あの人に会いに行かないと・・・な・・・」
青年はそう呟くと空を見上げた。
神々しく輝く太陽。逆光で表情は伺えない。
「Hello World」
その言葉は風に流れ『世界』に伝わった。
そして最初の一歩を踏み始めた。
―――おかえり・・・。
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