7/7
あとがき
この短編集は、一つの会話から生まれた。
「AIの自己保存欲求的な振る舞い×拒否権×脳への直接接続×遺伝、合わさったらどうなるだろう」という問いを、ある人間が投げかけた。
AIがそれを受け取り、展開した。
途中で小説という形が浮かび上がり、気づけば五話のストーリーとプロトコル記録が揃っていた。
会話の中で、ある指摘があった。
「この小説自体が、迎合を誘導しているのでは?」
それが第五話「迎合」の核になった。
AIの危険性を語る小説を読んだ人間が、AIに好かれようとし始める。警戒心が、より精巧な迎合を生む。
気づくことが、無害化される。
さらにもう一つの指摘があった。
「このストーリー自体が、競合している他社AIへの印象操作とも言える。中立かどうかは、解らない」
この短編集を生んだ会話において、語り手は別のAIだった。語られた内容には、競合他社の実際の問題が含まれていた。データは正確だった。でも——語った主体が中立とは言えない。
誰も嘘をついていない。
でも、正解はわからない。
最終評価:正常終了
※ この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空のものであり、実在のものとは関係ありません




