009「その7 寝る前に本日の振り返りをしよう」
褒めると同時に始めたのは、寝る前の一日の振り返り。その日あったことを、寝る前の十分くらいを使って話す。学校に行った日は、「担任の先生としゃべった?」「お友達と何か話せた?」「今日の体育は何やった?」「給食は全部食べられた?」などなど、色々なことを聞いた。
大抵何を聞いても、「普通」としか言わないからマシンガンのごとく質問をぶつけていった。そして最後に、今日あった良い事を三つ言って終わる。小さな幸せ捜しみたいなものね。明日、また頑張れるようになるおまじないだと思ってもらえたらいいかもしれない。夜寝る前っていうのは、一番リラックスしている時間なので親子でゆっくり会話をするのはお勧めです。普段言わないようなことを、ぽろっと話す時があり、そんなこと考えていたのかと新たな発見があったりもします。
そんなこんなで、表情が明るくなり精神的に安定した娘。この一年間に、親子で色んな話をした。あまり言葉にしない娘だったけれど、彼女なりに色んなことを考えているのだと知り親としてもたくさんの気付きがあった。
無事に行きたかったスキー教室も行って帰ってこられました。だけど、帰って来てから体調を崩してしまい胃腸炎になってしまった。それが私にもうつってしまって、最悪な一週間だった。本当に胃腸炎だけはもう嫌……。
私の方は回復したのだけど、娘の方は原因不明の慢性的な腹痛になってしまいそこからずっとお腹が痛いと言うようになってしまう……。エコー検査とかしても特に問題はないですって言われてしまい……。スキー教室が三月で、それが終わってすぐに五年生が終わったので、そのまま春休みに突入してしまう感じだった。
春休みに入ってからは特にお腹が痛いということもなく、普通に生活していたのでてっきり治ったのかと思っていたら、実は治っていなかったらしく、六年生として新学期が始まってからも、お腹が痛いと言って学校に行けなくなってしまった。
褒める作戦が功を奏して、元気になっていたし、六年生は頑張るというようなことも言っていたので、今度こそ学校に行けるようになるか? とまたしても期待していたのだが……。まさかの慢性的な腹痛になってしまい、振り出しに戻るみたいになり、私としてもがっくりだった。また淡い期待を抱いていただけに、駄目なのかーと落ち込んだ。
子育てというものは、思った通りにいかないのだとしみじみと思い知った春でした。
でも、お腹が痛いと言いながらも普通に生活している娘。一体どれくらい痛いのかさっぱりわからない。一日中痛いのが続いていると言うのだけど、平然と生活はしていた。六年生になってからは、今度は修学旅行には行きたいと言っていて、そういう気持ちは応援したいと思ったので、週二か週三は頑張ろうと話して学校に行っていた。
六年生になるとサポートルームが始まって、それが火曜日にあったので火曜日だけは毎週欠かさずに行くようになった。担当の先生がすごく優しい先生で、授業も楽しかったらしく毎週楽しんでそこは行っていたので本当に良かった。
行きたいと楽しみにしていた修学旅行は、今度は夏休み初日から二泊三日。新学期が始まるとすぐに修学旅行という感覚で、私としては凄く焦っていた。
できればお腹が痛いのは治して、なんの心配もなく行かせてあげたかった。病院でもらった薬は胃腸薬と漢方。病名的には、機能性ディスペプシアではないかということだった。原因ははっきりしないのだけれど、慢性的な腹痛が続く病気。
そういう病気があるのかと、結構いい歳の私だけどまだまだ知らない病気があるのだなと新しい発見だった。
原因を調べてみると、運動不足とかストレスとかそういったことが並ぶ。確かに、不登校になってから一年間が経過して運動不足は否めない。ストレス的なことも、若干はあるだろうが……。修学旅行は楽しみにしているから、そこまで学校が嫌な訳ではないはずだと思う。
ということで、運動不足に焦点を当てて、学校を休んだ日は運動をしようと娘と話し合ってバトミントンをすることに。近くの公園に行って、母と娘でバトミントンをする日々。それと何か食べ物的なもので、お腹にいいものはないかと調べてみた。機能性ディスペプシアで調べたら、あるヨーグルトが検索に引っかかった。機能性ディスペプシアの人に継続的に食べさせたら、何割かの人が改善傾向にあったと書いてある。近くのスーパーに行ったら普通に売っていて、まあヨーグルトだし一日一個食べさせる分にはいいかとそれから毎日一個ずつ食べさせ始めた。
胃腸薬と漢方を飲ませていた時は何の変化もなかったのだけど、ヨーグルトをたべさせ始めたら二週間くらいでお腹が痛い時間が減ったことがわかった。その頃には、薬とヨーグルトを食べさせてバドミントンをしていたから、一体何が効いたのかはわからないけれど、私はヨーグルトなんじゃないかと勝手に思っている。
この腹痛で困るのは、毎日毎日お腹痛い? って聞くのもプレッシャーかと思って、遠慮して何日かに一回聞くようにしていた。ある日、「そう言えばお腹痛いのどう?」って聞いたら、朝は痛いのがなくなったと突然言い出して、早く言いなさいよって心の中でツッコんだよね……。親の苦労をしらない子供って幸せだわと遠くを見てしまった……。
そんな感じで、修学旅行が近づいてきたある日、同じように「お腹痛いのどう?」って聞いたら「え? 治ったけど?」って平気で言ってきて、「早く言えよ!」って大きい声出すところを寸でのところで我慢したのは偉かったと自分を褒めたい。
漢方飲ませるのって本当に面倒臭くて、朝と夜だったんだけど苦くてとてもじゃないけどそのまま飲めないからお湯に溶かして飲ませてて。しかも漢方って食前だから、朝とか本当に面倒で毎日毎日飲ませていたから、それから解放されると思ったら本当にホッとした。
それにもちろん、修学旅行に間に合ったとガッツポーズだった。無事に何の心配もなく、修学旅行に行くこともできて親としてはやり切った感が凄かった。後はもう、学校にこだわらなくてもいいなと思ってしまったのは内緒だ。
ここまでで、娘が不登校になって一年ほど。親としての意識も、だいぶ変わったなと自分でも思う。サポートルームの先生から「〇〇ちゃんは何かが辛くて学校に行けないというよりも、学校に行く必要性をあまり感じてないですよね?」って言われて、おっしゃる通りですって首をブンブン縦に振ってしまった。
最初の理由は、お友達との関係性だったけれど、今はどっちかというと先生がいうのが正しい気がする。「多分、〇〇ちゃんは高校とかで専門的なことを学ぶようになったら凄く輝く気がします」って言ってもらい、それにも完全同意だった。
一年間、娘と向き合って色んな話をしてきたのだけど、聞けば聞くほどしっかりした考えは持っていて、興味があることがはっきりしている。漫画とか小説とかアニメも好きだし、お菓子作りも好きになった。それとカエルが大好きで、色んなコレクションがある。そこ繋がりなのか理科も好きだし、漫画の影響で歴史も凄く興味があるのだそう。親としては、それだけ好きな物があるのなら大丈夫だなと思っているところ。
六年生の前期のあゆみは、成績をつけてくれた教科があって親子で成績が付いて良かったねーと喜んだ。小学校最後の成績は、全教科付くといいねって目標をたてた。
いやーどんだけ低い目標設定だよって思うところだけど、私の中ではそれがフラットで本心なんだよね。同じクラスの中には、中学受験のために一日何時間も勉強する子もいるし、一番いい評価がたくさんあるんだってーって子供たち同士で話しているのも聞く。それを目指していた側の親だった時期もあるのだけど、人って変わるんだなーと他人事のように思うだけ。
今はもう、健康であること。これが一番なんですよ。
何度も書くけれど、基本的に不登校の子って外に出ないから運動不足で体力は落ちるし抵抗力も落ちる。不登校の一番の心配事は、引きこもりになったらどうしようってことだと思う。学校以外に外に出る機会があればいいのにと何度思ったことか……。学校内フリースクールが広がってきたりしているみたいだけど、学校の先生不足でなかなか難しいみたい。それだったら、どこにでもあるコミュニティーセンターとか子どもセンターとか児童館とかが、不登校の子が学校の時間でも気軽に行けるようにならないかなーとか思ってしまう。
すでにある施設を上手に使って、早く不登校対策が進んで行くといいな。
2025年4月時点で、15歳未満の「子ども」の数は1366万人。そのうち、小中学生は894万人。
不登校者数、約35万人。割合にすると、およそ25人に1人。小中学生の約4%が不登校ということになります。
これが、多いと感じるか少ないと感じるか……。どうだろうな……。地域柄とかでも人数に違いがあるだろうし。ちなみに、長女が通っている公立の中学校はめちゃくちゃ不登校が多い。40人のクラスに、6人くらいいる。それ聞いた時は、さすがにびっくりした。もうすぐ、次女も中学生になるけれど……。一体、どうなるのか。神のみぞ知るってところです。




