001 はじめに
不登校という言葉。今、この言葉を知らない人はきっといない。全国で約35万人の児童が不登校だと言われている。その定義は、年間30日以上の欠席がある子供。でもこれは、保健室登校や遅刻、早退が含まれた数ではないので実際はもっと多いのではないだろうか。
これを書いている私は、小学生と中学生の娘の母親。もちろん不登校という言葉を知ってはいたし、知り合いでも不登校の子供を抱えている家庭があった。話を聞いても、大変だろうなってことしか感じなかった。
そんなある日、小学生の娘が突然学校に行けなくなった。他人事としか思ってなかった不登校という問題が、ある日突然自分に降りかかってきた。最初は「嘘でしょ?」って思ったし「学校に行かないなんて、どうすればいいんだろう?」って思った。「授業を受けなくて大丈夫なのか?」とか、「このまま引きこもりになったらどうしよう?」とか、あげだしたらキリがないくらい不安で、どうしたらいいのかわからなかった。
そんな私が、娘が学校に行かなくなって一年半たった今思うこと。それは、健康でさえあればいいという境地。現在は、全く行けないという訳ではなく週2,3を目標に学校に通う日々。この一年半、親として子供と向き合って色々なことがあった。学校に行かない子供に、親ができることはなんだろう? ってずっと考えていた期間だった。
SNSや投稿サイトで検索すると、具体的に何をしたら良いかって書かれているものはほとんどない。ネットに流れる情報は、親の精神論が多くを占める。
「無理やり学校に行かせる必要なんてない」
「学校に行かせることが全てじゃない」
「不登校は不幸じゃない」
「不登校って特別じゃない」
こういう言葉を目にするたびに、だから何だよ? って思っていた。学校に行かない子供を抱えている親が一番悩むのは、何をしてあげられるのかってこと。ずっと一生、家の中で生活していく訳じゃない。いつか必ず社会に出て生活しなくちゃいけない。それができる子供にするためには、親はいったい何をしてあげればいいのだろう? って。
迷ったり、悩んだり、周りの人に相談しながら、手探りで色々なことを試してみた。その結果、それなりに親子共々元気に暮らしている。その一年半の出来事を、折角だから文章にしてみようと思い立つ。
不登校になる原因は、その子その子で全く違う。参考になるかわからないけれど、私のようにどうすればいいのか分からない保護者の方に、ちょっとでも役に立てばいい。
だけど、これを読んでいる保護者全ての人の役に立つなんて、そんな大それたことは言えない。それに、これをやったら絶対に学校に行けるようになるというものでもない。今よりも、ちょっとだけ子供が元気になるかもしれない。今よりも、ちょっとだけ外に興味を持つかもしれない。今よりも、ちょっとだけ親子で笑えるかもしれない。それくらいの気持ちで読んでいただけると嬉しいです。




