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【プロットタイプ】花菖蒲と紫陽花

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

結局こうしているのが一番良い。

と思い始める今日です。

私が放浪を求めるのは、今という時間を忘れたいから。自宅という環境が合わないのは、余りにも土壌が成り立っていないから。

だから私は今日も出掛ける。私が愛した物が枯れない場所へ、今を忘れさせてくれる場所へ。


本日、鏡花はせかせかと歩き回らないらしい。そう俺が判断したのは、箱庭に訪れる事を聞いたからだった。故に今日は鏡花の旅に同行する事にした。

箱庭の中、雑多な木々が生い茂る森を抜けると、巨大な池があった。其れはこの庭園の大半を埋めつくす程の翠。天気が良いので数羽の鴨が滑り行く。

鏡花の目当ては庭園である。だが其れよりも必要としていたのは、茶屋で食せる生菓子だった。故に今は自然豊かなこの庭には目を向けず、足早に茶屋へと足を運ぶ。

漸く辿り着くと、肩の荷が降りたのか、ただぼんやりと池に目を向ける。

「連休、色々あったよ。一日に沢山の土地を歩き回った。でも結局私は、こうしているのが一番良い。誰にも何も言われず、何もされず、ただ綺麗な光景だけを目に焼き付ける。

そうした意味では博物館や美術館も引けを取らない。けれどもまぁ、彼処はベンチが無いからね。ゆっくり座って環境に浸れる訳では無いんだよ」

眼前の緑を写したもの憂いげな瞳が揺れている。何処か哀愁を感じるその瞳から焦りを感じているのだと知った。

お前、今の今までの連休中、生き急いでいたのか。こうして侘び寂びを感じる事無く、ただひたすらに消費し続けて来たのか。

その様が俺に好ましい人間に映ると同時に、哀れに思った。目的も無いままに、足掻いて居るようで。

暫くすると、茶と生菓子が届けられた。鏡花の菓子は花菖蒲。俺のは紫陽花だった。何方も淡い紫をした菓子。其れに容赦なく黒文字を突き立てて、頬を動かす。

偶然か、必然か、今の俺達に相応しい花言葉だった。

「知恵を求める心意気故に移り気になったのか。俺には分からない」

だが今が幸せなら、其れで良いんじゃないか。

ぼーっとするだけなら、自宅でも出来るじゃん。

何で態々遠くへ行きたがるの?


浸りたい空気じゃないから。

骨董品一個だけ置いただけじゃ何も変わらない。

その骨董品の良さが消えてしまう。

模様替えするにも、多額の金が掛かる。

維持をするのもタダじゃない。


だからずっと彷徨い歩く。

自分の空間を害さない場所へ。


だから物凄く生き急いでいるんですよ。

焦ってると言いますか。

満たされないと言いますか。


それを一時的でも紛らわしてくれるのって、鏡花にとっては『知恵』なんです。

『知る』、『感じる』事なんです。


花菖蒲の花言葉、知ってます?

『知恵』とか『心意気』、『良い報せ』なんです。

紫陽花の花言葉は、

『移り気』、『変節』なんです。


今までずっと飢えを満たす為に、知恵を求めて彷徨い歩いて来たけれど、最終的な安寧を得たのは何もせず、ただ世界に浸ることという話。

それは自分の信念とか、考えと真逆だった。という話。


遠くに行きたいな。何処でもない場所へ。

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