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ユメニッキ  作者: Auguste
2/10

第1幕 出口の無い館

ここはどこだろう?

一室だけでもとても広い。


とても長い机の真ん中にはお皿があって林檎が置いてある。

ここは食堂か?

橙色に照らされた、洋風な雰囲気だ。


私は林檎を1つ取って、口に運ぶ。

林檎が果物の中で1番好きだ。

ケーキにしても、ジャムしてもとても美味しい。

1番好きな食べ方はそのままが1番美味しい。

この林檎もとても甘味がしていい味をしている。


それにしても、何か変だ。

窓1つない。

こんなに広い食堂なら、窓があってもおかしくない。

机の端と端辺り、真ん中に計3枚の扉がある。

他の部屋はどうなっているんだろう。


私は机の真ん中辺りにある扉を開けた。


おかしい……。

また同じ部屋だ。

何も変わってない。

長い机に真ん中に林檎が置いてある。

扉の位置もそのまんまだ。


私は部屋を戻ろうとする。

しかし、扉はいつの間にか閉まっているし、鍵も掛かっている。


私は段々と不気味になってきた。

でもこのままでいるわけにはいかない。


次は奥側の扉を開けてみた。


また同じ部屋だ。

そして開けた扉は閉まっている。


その後も扉を何度も何度も開け続けた。

おかしい。

また同じ部屋だ。

もう疲れてきたし、喉も乾いてきた。

しかし、あるのは皿に盛られた林檎だけ。


いつか他の部屋に出られることを信じて、再び扉を開けようとした。

その時、物音がした。


そこには血まみれの包帯を顔に巻き、ドレスを着た女性が立っていた。


手には……。


血まみれの包丁を持っていた。

最初はゆっくりと歩き、そして私に向かって追いかけてきた。


私は必死に逃げた。

扉を何枚も何枚も開けた。

でも部屋は同じまま。


女性はもの凄いスピードで追いかけてくる。

なんでだ?

さっきまで扉は閉まったのに。

女性は何事も無く扉を開けて私を追いかけてくる。


何度開けても同じ風景。

適当に扉を選んでも、何も変わらない。

もうダメだ……。

そう思ったとき、後ろは誰もいなかった。


撒けたのか?

それとも諦めたのか?

どちらにしろ、早くここを出たい。


私は息切れをしながら、次の扉のノブに手をかけた。


その時、勢いよく扉が開き、私は体勢を崩した。


目の前には……。


さっきまで追いかけきた女性が立っていた。

女性はおもいきり、手を振りかざした。


私が最後に見た光景は…………。











今にも刺さりそうになっている血まみれの刃だった。


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