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悪魔は異世界で禁断の恋をする  作者: サボり魔大学生ソニ
1章 フィリス極刑裁判編
8/21

フィリスとの《契約》

《8話》

【ナハス裁判所内】時刻11時37分


俺達4人は正午に始まる裁判に向けて一通り話をした後に控室から出て法廷の方へと歩き始めた。法廷は1階にある為3階からは階段を降りていくのだが…2階に降りたとほぼ同時にフィリスが口を開く


「あのさ…ちょっとだけディガル君借りていい?兄とソニアはちょっと先行ってて貰って構わないかな?」


フィーゴとソニアはそれを快諾する。


「何かしておかないといけない話があるのか。まだ裁判が始まるまで時間はある、10分位なら問題ない。俺とソニアは先に向かっておくが…構わないか?ソニア。」


「私はフィーゴ様がそう仰るなら構いませんよ?フィリス様とディガル君が二人きりでどんな話をするのか聞いておきたい気持ちも無いといえば嘘になりますが…。私は男女の逢瀬を邪魔するつもりはありませんから…フフ。」


おい、なんかやっぱり勘違いしてないかこの御方!?変に期待させるような言い回しはやめてくれ!


「あはは、ソニアは相変わらず揶揄うの好きだよねー。でも…意外と近いかも?いい線行ってると思うよ?」


「ちょちょ…なんでフィリスまでそこに乗っかるんだよ!」


「ハハハ、こういう砕けた会話久々だし楽しいからね。」


じゃあお先に〜…とフィーゴとソニアは絶妙なタイミングで会話から離脱していく。あんたら吹っかけるだけ吹っかけておいて、責任取らず離脱してくの勘弁してくれ…(苦笑)


「久々なんだな…。」


「いや…兄やソニア以外にはって話ね。やっぱり新鮮だよ?私さ…正直なところ対等に話せる相手が少ないんだよね。熾天使ってさ、御三家の仲そんなにいいって訳じゃないし…敵ではなくてもやっぱり意識しちゃうとこあるから。他の天使は私が熾天使ってだけで目上のーみたいな感じの接し方だし。やっぱりディガル君って面白いよ、存在もだけど…私を対等に見て接してくれるだけでもね。」


やっぱ熾天使も熾天使で悩みとかあるんだな…普段から馬鹿言い合ったり一緒に笑い合える友達が居ないってのはやっぱり天使でも寂しいとかあるのだろうか…


「俺が面白いかどうかはともかく…フィリスを熾天使だからみたいに特別扱いするつもりは無いよ。そもそも最初に呼び捨てで呼んでいいって言ったのはフィリスだから。……って言いたいんだけど、やっぱりどうしてもふとした時に目の前に居るのが熾天使様だと考えると緊張でグラつきそうになる。しかも超絶可愛…。なんでもない。」


ヤッベ流れでつい可愛いと本人の前で言いそうになった。というより悩んだ素振りみたいなポーズとか、少し湿っぽさな雰囲気を纏って感謝の言葉を伝えるとか…普通に破壊力が凄まじい…。


「あー、言った言った!言ったねぇー、あの時もさ正直いつもみたいに私が見張りをしてたらペコペコする周りの天使や悪魔達に見飽きて帰るんだろうなーとか思ってたから…殴られてる君を発見して良かったよ。」


感謝したいのはこっちなんだけど…フィリスはフィーゴと同じように君でよかったと伝えてくる。こう見ると確かに兄妹なんだなーと思う。確かに髪色は薄い紫がベースとして同じではあるけども…等と考えているとフィリスが続けて


「それで本題ね…。裁判なんだけど…兄は勝率7割って言ったけど、それは多分ディガル君を緊張させない為の話だと思う。

 正直な話私は50:50と考えてる。さっきも言ったけどミスタ家が絡んでくる場合正直勝算もなしに来るとは思わないからね。だから万が一というか負けの50を引いてしまった場合…つまり私が極刑になった時に私を…助けて欲しい。」


ここに来て勝率が50%は確かにギャンブルに近い。助けて欲しい…か。俺に力になれることがあるのだろうか…


「勿論フィリスにできる限りの力を貸したいとは思うけど…正直まだ俺は戦闘経験も全然無いし、なんなら自分の存在にすら理解出来てない。何か策があるのか…?」


「極刑になった時に、熾天使の裁判では例えそれが誤審だとしてもその裁判に負けたという事実で熾天使の位を剥奪される可能性が高いの。理不尽と思うかもだけどこれがルールなの。」


「……つまり疑いをかけられて一度それが悪いと決定されてしまったら印象が悪くなるからってだけで熾天使は駄目ってこと…?」


「そういう事なんだよね…意外と熾天使って厄介な種族だなと思うでしょ?」


俺はそれに対して頷くことしかできない。


「もし極刑になると熾天使の力や存在を剥奪されるんだけど…。私達熾天使はそれを完全に奪われると生きる事が出来ない。言葉の通り極刑、死んでしまう。」


「どうやったら…フィリスを助けられるんだ…?」


「これは賭けになるんだけど…私の熾天使の力の半分を…今ここで君に預ける。ホントに偶然なんだけど…君はソニアも言ってた通りイレギュラーな存在。君は自分の事を悪魔って言ってるけど、オーラを見れるって話から熾天使の力も持ち合わせてる可能性があるの。」


「もし…俺が熾天使の力を持っていなければ…?」


「その時は、私の熾天使の力はあなたに分け与えられずに戻ってくるはず…。でも君が熾天使の力を持っているなら…私の熾天使の力を隠し持ったまま私が極刑を受けた後、魔界に堕とされたタイミングで3時間以内なら肉体に熾天使の力が少しでも戻れば生き返れるの…でもあくまでこれも聞いた話、君みたいなイレギュラーな存在そうそう居ないから実際にできたって話もほとんど知らない。」


「ホントに…賭けだよな。一番いいのはフィリスが無罪になってくれることなんだけど…。」


「ごめんねディガル君…私まだ死ねないんだ。未練たらたらで…もし私が熾天使剥奪されて魔界送りにされて半分悪魔になったとしても私はまだ死ぬ訳にはいかないんだよね。だから…手を貸して欲しいの。御礼は…私のできる事なら何でも一つディガル君の言うことを聞く…でどうかな?」


「俺はフィリスがそうやって必死に生き延びようとするの…天使っぽくないけどなんか分かるし手を貸したいって気持ちが強くなった。んじゃしてもらう御礼は考えておくよ。」


「い、言っとくけど御礼に私の命とかは駄目だからね。後"抱かせろ"とかそういうのもなるべく……」


と苦笑いをしながらフィリスは自分の胸を隠すような仕草をする。可愛い…


「分かってるよ。とにかく…俺に力を預けられるかがまず第一関門だろ…?」


「その点において私は心配してないよ?んじゃ、やろっか…《契約》を」


《8話完》


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