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悪魔は異世界で禁断の恋をする  作者: サボり魔大学生ソニ
1章 フィリス極刑裁判編
6/21

ソニアとの邂逅、自分の存在について知る

《6話》

【中央都市エディン──ナハス裁判所入り口】


都市の中央、シエル家の敷地の中にその裁判所はある。まずはシエル家の敷地は都市の中央部にあるものの、やはりその敷地の周りに厳重な結界と護衛の天使達が居てそう簡単に関係者以外は立ち入れないようになっている。


その結界は大きな凱旋門を境としている為そこで一度門を通る必要がある。俺とフィーゴは門の前で一度降り、門をくぐろうとすると後ろから声をかけてくる年老いた天使が居た。


老天使『これはこれは…シエル家の"愚息"じゃありませんか…。この度は君の妹、いや同族殺しをしたシエル家の恥さらしの極刑、大変お悔やみ申し上げますのぅ?それによりにもよって悪魔などに助太刀を頼むとは…シエル家の跡継ぎがこれだと熾天使の未来もお先真っ暗ですなぁ…フォッフォッフォ…♪』


は…?このクソ老いぼれは何を言ってやがんだ…?俺は耳を疑うことしか出来なかった。一瞬勢いで反論しかかったが先程フィーゴからはなるべく君は喧嘩を売られても無視すれば良い、代わりにすべて俺が反論すると言われていた為何とか踏みとどまる。


しかし、あまりに露骨に喧嘩を売ってるとしか思えずフィーゴの方を見る。やはりフィーゴも頭に来ているようではあるが、俺の方を見て微笑を浮かべ軽く首を横に振ると、俺に任せろというように口を開いて


フィーゴ「なんの為に来た。妹の裁判はアンタら老いぼれの見世物じゃないぞ。これだから暇な老いぼれは困る。言葉を返すならばアンタらルクス家の後継は俺の妹に惨殺されるほど弱く…そして、自分の思惑通りいかなければ他者にそれを向けて発散する"クズ"だろう?後継の育成が出来ていないのは貴様の責任だろう。恥さらしはどちらだろうな。」


まさに俺が言いたい事をすべてフルカウンターでぶつけてくれた気がする。


しかしながらフィーゴの話しぶりからしてルクス家の先代か先々代か…の老いぼれはほとんど気にも留めない様子で


老天使「フォッフォッ、お主が丁寧に育てていた妹が極刑になってもその態度を取れるか楽しみじゃのぅ。」


などと言いながら先に門をくぐっていく、俺はその背中に蹴りを入れてやろうかという気持ちを抑えて…とある事を思いついた。それを実行した瞬間フィーゴから話しかけられる。


「ディガル君はそういった機転が効くんだな…」


「いや、あの老害なら口を滑らせるんじゃないかって…それにフィーゴが代わりに全部反論してくれたから冷静に頭を回せただけだよ。」


「老害か…うまく言ったものだな…望みは低いがその証拠になる可能性はある…少し期待しておこうか。」


そう言って俺達も門をくぐった瞬間、目の前に女天使が空から現れる。人間で言うメイドに近い姿だろうか…黒と白を基調とした服に薄い青色の長い髪がよく映えている。


「おかえりなさいませ。フィーゴ様」


「あぁ、ただいまソニア。んで、妹の状況はどうだ。」


「特に変わりなく…、極刑の可能性があるっていう者の態度ではありませんよ。まだ若いというのにどこにあの精神力があるのか…」


「アイツの精神力は正直俺なんかの比じゃないさ。だからこそ次期トップに妹を推薦した訳だからな…」


フィーゴはソニアの頭に軽く手を乗せ撫でて


「…ッ…ところで此方の方は…。なるほど…フィーゴ様が昨日言われていた"証人"ですか。確かにフィリス様が言うとおり面白い存在なのは間違いありませんね…」


フィーゴといいこのソニアといいちょくちょく俺の存在について含ませたような言い方をする…。ここは聞いておいた方が良いか…


「ソニアさん初めまして、俺はディガルって言います…その面白い存在っていうのはどういう意味の面白いですか?」


「あら…自分の存在について理解していないのですね…。でも来たるときにきっと分かります。それくらい貴方の存在はイレギュラーですから…」


「結局教えてくれないんですか…」


「そうですね…流石に何も教えないのも面白くないし、少しヒントとしてこんな古い言葉があるの。───闇に生まれし光を持つもの天魔の救命の双翼にして理の平衡を保つ───ってね。」


「ソニア…ヒント与え過ぎじゃないか?」


とフィーゴそうは言うが俺にはあまりピンと来ない。俺がクエスチョンマーク丸出しの顔で見つめていると…


「フフ…でも、本人はあんまり分かってないっぽいですから…今のうちにシエル家だけじゃなくエルゼ家にも良い印象を抱いて貰わないと。」


「エルゼ家…ソニアさんはシエル家の天使じゃないんですね…オーラはシエル家の護衛達より明らかに強いのでてっきりシエル家の天使かと…」


「ソニアはエルゼ家の中でも特に優秀な天使だからな…それに幼少期から俺の側近みたいな感じで動いてくれているから俺の熾天使の力の影響で天使の力も向上している。」


「まさかオーラまで読み取れるなんて…ホントに面白い存在ね…」


「え?これって悪魔特有の能力じゃないんですか…?」


「なるほど…これも自覚してなかったのね…天使の光の量やオーラを読み取る事ができるのは熾天使位よ…。」


「え…。」


「とにかく、その話も後で詳しくするよ。一旦…裁判所に向かおう」


「えぇ。」


「わかりました…。」


自分の存在がイレギュラーで…オーラの話も色々と謎ばかりだ。でもフィリスは少なくとも元気らしい、さあ早く会いに行こう…。



【6話完】

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