美少女天使の兄との出会い
《3話》
フィリス兄との遭遇後「悪魔領・辺境」
俺はあの後、フィリスの兄を名乗る天使に半強制的に連れて行かれることになった。一旦ついてこいと言われ前を飛ばれたからあまり慣れないものの悪魔の翼を生やしついていく。にしてもフィリスが極刑…事態が全く掴めていない、そもそもフィリスの兄を名乗るこの天使をいきなり信用して良いのかもまだ決めかねている状況だ…。
「君がすんなりついてきてくれて助かるよ。」
「あんな事言われちゃついていかない訳にはいかないでしょ。そもそも聞きたいことが多過ぎて俺としては何から聞けば良いか…それにまだアンタを信用すらしていない…」
「確かにまだ自己紹介が出来ていなかったな。なら俺から名乗ろう、俺は"シエル・フィーゴ"こんな名乗りが必要かは分からないが、熾天使の御三家であるシエル家の次期頭領候補だ。ちなみに、妹は"シエル・フィリス"だ。まぁ君もかしこまらずに聞いてくれて構わない。」
「は…はぁ」
「まぁ…名乗ったところで簡単に君の信用を勝ち取れるとは思っていない。だから此方から先手を打たせて貰うよ、ディガル。」
「アンタ俺の名を…フィリスから聞いたのか。」
「ご明察。言っておくけどフィリスは俺のことをかなり慕ってるからそういった情報は結構筒抜けだと思っておいてくれていい。何なら君がフィリスに一目惚れしたってことも。」
待てコラ、今ラストとんでもない事を言わなかったか!?
「は…?一目惚れ、フィリスがそんな事を…?」
「いや、フィリスからは君の話と今度魔界を案内してもらう話しか聞いていない。ただの俺の勘だ。君がフィリスが極刑と聞いた時に明らかに動揺したオーラを出したこと、後単純に悪魔からしたら熾天使のしかも御三家の高貴な女に惚れない訳がないという身内贔屓の2つの理由から君がフィリスに特別な感情を持ったのではという推測をした。」
「あ……アンタがフィリスの兄である事は認める!だからそれ以上その話をすんのは勘弁してくれ!」
「ハハハ、君は面白いな。初対面でそこまで妹の為にわざわざ不信な天使についてくる辺り…だが…その気持ちがきっと妹を極刑から救う事になるはずだ。」
「そもそもそこを聞いていない、何故フィリスが極刑になるんだよ。だいたい俺はあの天使に殴られていたところを助けられただけで…」
「ルクス家の跡継ぎ…ルクス・バルディオルだな。」
「確かそう名乗っていたような気が…フィリスよりは明確にオーラが小さかった。」
「あぁ。再び身内贔屓ですまないがフィリスのポテンシャルは熾天使の中でも別格だ。まだ実践慣れはしていないが、間違いなく数年でシエル家の跡継ぎの俺よりも強くなると断言出来る。」
「そんなに……、シエル家ってのは、いやそもそも熾天使っていう位はどれ位高いんだ?」
「…オーラは見極められるがそれは知らないのか。まず熾天使ってのは天使族の中で最上級だ。そして、シエル家はその御三家、つまりトップの3つの家柄の一つだ。」
そんな相手に敬語使わなくてホントに良いのだろうか…俺はもはや苦笑いするしかない。目の前はそれの跡継ぎ……畏まるなってのがまず無理な話だろ。
「ってことはフィリスは天使の中でも最上位レベルのポテンシャルってことか。」
「勿論まだ上が居てもおかしくはないがその認識で構わない。此方からも聞かせてもらうが、君がオーラが見えるってのはどのように見えるんだ?」
「どのようにって……そうだな、あんたからは光を纏ったような生命力が溢れているような。そんなオーラだ…ちなみにフィリスも同じ光を纏っていた。」
「なるほどな…ありがとう。」
ありがとうと言われても俺からしたら見えたそのままを伝えただけで礼を言われる筋合いは無いんだが……
そう礼を伝えたフィーゴは先程まで歩みを緩めていたが、足を完全に止め此方を振り返ると
「ここからは悪魔領の外に出る、所謂天使の領地だが…勿論天界にある。かなり上に飛ぶことになるし、君は悪魔だからそもそも普通であれば結界に阻まれる。だけど私の足にしがみついてそのまま突っ切れば問題無い。だから絶対に離さないで欲しい」
「え?あ、はい」
そう言いながら、俺はフィーゴの足にしがみついた。
次の瞬間、俺の身体が一瞬浮遊感を感じた。意識がはっきりした時にはすでに爆発的な加速で地面からもうかなり離れていた。
今から俺は天界に行く事になってしまったが……、まだ魔界のことすら全然知らないのに大丈夫なのだろうか。フィリスも極刑とか聞いたし幸先不安な事がホントに多過ぎる……
《3話完》




