光の国から
イタイです
誤字、脱字多数
プロローグ
ある男は言った
「私たちは人間同士で争ってている場合ではなくなる」
1人は聞き返した
「それはどのような状況だ?」
男は答えた
「核兵器よりも大きな脅威がここにやってくる」
その二ヶ月後男は自殺した
家具は綺麗に片付けており死体の横に椅子と
火が付いたままの七輪があった
:
:
そのまた七ヶ月後
全世界の誰も経験したことのない恐怖がやってきた
地面から出てくる者も
海から上がってくる者もいた
彼らはその巨体で世界各地を暴れ回った
そして人間間での大きな戦争は
無くなった
そして一つの組織が出来上がった
One Intention to Counter fear
恐怖に 対抗する 一つの意思
通称
OIC
全世界の技術を集められ
巨大な彼らを撃退した
①出会い
ジリジリと暑い夏だった
蒸れるシャツを仰いだ
早田 香織
我ながら女子力がない
そんなことは置いといて訓練場に向う
OICに勤めてはや二年
戒重生命体
初めて彼らを撃退した場所が戒重という地域だったので日本ではそう呼ばれている
外国の一部の地域でもそう呼ばれているらしいが…
そんなことを考えながら
訓練場へ足を急がせた
訓練場はクーラーは付いているものの
「訓練のため」
と言って教官がつけることを許さない
おかげで忍耐力(?)はとても鍛えられている気がする
「おい、自信あるか?」
飛行訓練場に向かう途中に声が飛んできた
振り返ると見慣れた顔がいた
「山崎か、自信はないけど得意ではあるね」
「いつも百点な飛行だもんな俺は自信持てないぜ」
そんなことを話していたら自分の番に回ってきたコックピットに乗り込み、ボタンがついているかついていないかのチェック
それが出来たらコックピットハッチを閉める
そのままいつものように空に出た
1、2時間ほど飛んでいたら急に警報が鳴り始めた
戒重生命体だ、
無線を使い通信しながら帰還しようと思った時
謎の赤い球が飛行機に衝突した
:
:
大きな水溜まりのような場所に寝転んでいた
自分の体が見える
「死んだ…のね」
自分は目を瞑ったまま仰向けになっているのに
表現としては変かもしれないが
とにかく上を見上げた
幽体離脱の様なのもだろうか
するとどうだろう自分が死んだという虚しさが吹き飛ぶほど驚いた
銀色の体に赤色のラインが入ったようなデザインの体の巨人が立っていたのだ
テレパシーなのか巨人は口も動かさずに喋り始めた
「申し訳ないことをしタ、私がzに気を取られているばかりニ…」
何を言っているのかわからない
つい言葉を挟んでしまった
「ちょっと待って.zってだれ?いや、それ以上にあなたは誰?」
巨人は少し困った顔をしながら言った
「私の名前はなんと呼んでもらっても構わなイ、そしテzのことについて軽ク説明しよウ」
彼、いや彼らはzという凶悪犯を追っているらしいそして
4年前にzがこの星、地球に潜伏したことが分かり
なんとかしてようやく地球に辿り着いたらしい
「私は地球上では君に衝突した赤い球のような姿でしかいられなイ、それではどう隠れようトzに見つかってしまウ、どうだろうここは協力しないカ?」
困惑しながら聞き返す
「それはいいけど、どうやって協力すればいいの?」
巨人は少し笑うと細長いペンの様なスティックを渡した
中央にはボタンがあり三つに分かれた先端には赤色の宝石の様なものが挟まっていた
「君が力ヲ求めた時、それは君ヲ助けるダろう」
「ありがとうウルトラマン、」
巨人は首を傾げた
「ウルトラマン?」
笑って答える
「そうそうウルトラデカいからウルトラマン逃げたzってやつも
可愛くないからゼットンって呼ぶわ」
:
:
そう会話していた気がする
目を開けると
山崎が心配そうな顔をしながら
名前を叫んでいた
「うるさいなぁ」
そういいながら起き上がると彼は
泣きながら喜んだ
②対戦
ズゥンと低い地面の揺れる音が響いた
山崎が慌てて思い出した様に言う
「早く逃げないと、戒重が近くに来てるんだ!」
ウルトラマンの言葉を思い出した
(君が力ヲ求めた時、それは君ヲ助けるダろう)
手に掴んでいたペン状のものを握りしめ力強く立ち上がると
「行ってくる」
戒重に向かって走り出した周りの声なんて聞こえてなかった
戒重の足元まで行くと
ペン状のもの、名付けよう
ベータカプセルを空高く突き上げて叫ぶ
「力を貸して!ウルトラマン!」
そういいながらボタンを押すと
ビコンッ!
と音が鳴り地面から生える様に
銀色の体に赤色のラインが入った巨人が出現した
高くまっすぐに突き上げた腕は
戒重の下顎に直撃した
戒重生命体は転がりうめいている
戒重生命体の顔は思ったよりも身の毛をよだつものだった
大きく突き出した下顎、片方だけでも6っつはある
紅く、丸く、ちんまりとした目玉
トカゲが立った様な体に
大きな手
背中には無数のヒレが散らばった様に生えていた
訓練で対人戦用の格闘術は習っていたが
戒重に効くのかどうか
怪しいところだ
応用性の高いc型へ構えた
腰を低くし手を前へ構える
「グオォォォォォォォォォォォォォォン」
うむ
話せば分かる様な相手じゃないことはよくわかったが
とにかくうるさい
(静かにしなさい!)
言葉は話せなかった
と
言うより声がうまく出せなかった
ことばのかわりに
「ジャッ」
と言う声が出た
頭を両手で掴み思いっきり膝蹴りを食らわせた
そして静かになった戒重の顔に足の甲をお見舞いした
さらに戒重の大きな腕を持ち
これでもかと言うほど振り回してから
遠くへ投げ飛ばした
のはずだが
すぐにむくりと起き上がると
口を大きく開け
キュイィィィィィ
と不吉な音を立てながら
背中のヒレが
青白く光ったと思うと
眩い光線を口から発射した
腕をクロスし
なんとか耐えた
光線の当たった山がドロリと溶けている
次打たれたら確実に死ぬ
気のせいか
だんだん体が痩せ細ってきている
頭にウルトラマンの声が響いた
「スペシウムだ、手をクロスして念じるんダ強く、強ク」
右手をかまえ
左手を十字に構え
:
:
水色の光線が
コォォ
と音を立て戒重に直げぎした
戒重はドスンと倒れ動かなくなった
かと思うと大きな音を立てて爆発した
ウルトラマンから人間に戻る際に少し言葉を交わした
彼曰くz、いや、ゼットンは
温度に強くどんな暑さも感じなければ効くこともないということだ
一兆度の熱も痛くも痒くもないと言う
③謎と秘密
少し引っ掛かる事があった
ウルトラマンは4年前にゼットンの潜伏先が地球だと分かったと言っていた
そして怪獣が現れるようになったのも4年と3ヶ月前だ
するとゼットンと戒重には何か深い関係があるのかもしれない
そうそうそういえば
戒重を撃退した後
:
:
「おいお前あの時どこ行ってたんだよ」
まずい事を聞かれたので
ギクシャクしながら答えた
「戒重の近くにさ子供がいたんだけどその子を助けてたらウルトラマンが助けてくれて」
山崎は顔をしかめて
「ウルトラマン?誰じゃそら?」
流石の山崎だ
慌てて言い直す
「あぁえぇっとね、私がそう呼んでるだけだから気にしなくていいよ」
山崎は 香織の顔をジロジロ見てから
「まぁお前が無事なら別にいいんだけど、命は一つしかないんだからさ気を付けろよな」
:
:
と言った感じだった
さて本題に入るが
戒重の出現時期と
ゼットンの出現時期がほぼ同じなのは
何か怪しい
地図を広げ怪獣の出てきた所を丸で囲んだ
どれもこれもバラバラに見えるが
出てきた順に結ぶと
何か見覚えのある線になった
一体なんの線なのか
:
:
「また1人で、何やてんだ?」
いきなり後ろから声がしたのでびっくりしてしまった
「うわぁ!部屋に入るならノックくらいしてよぉ」
犯人は山崎だった
山崎は呆れながら言った
「ノックしても全然反応ないから入ってきたんだろぉ」
夢中になると周りの音が聞こえなくなってしまう、
悪い癖だ
もうすぐ昼食だ
と山崎に言われ地図を片付けていると
「お、これ旅客機の航路じゃねぇか」
と言った山崎は全然操縦できないが
結構な飛行機オタクだ
ずっとそんなの知っててなんの役に立つのかわからなかった知識が
今、自分の役に立った
昼食を取りながら少し考えた
何故旅客機の航路に戒重が現れるんだ?
少し考えるとピコーンとひらめいた
そうかゼットンは人間に変装して
各地を転々としてるんだ
そしてゼットンの何かに刺激されてずっと眠っていた戒重が目覚め
暴れているのだろう
そして次に戒重が出る可能性があるのは
:
:
島根県、出雲空港
付近それか、今私達がいる福岡の近くの福岡空港から出雲空港の航路の何処か
になる
多分もう飛行機に乗って出てしまったと思うから
謎の危険物を発見し、パトロールすることにして直ぐに向かおう
手続きを済ませ大急ぎで向かう
空港に着いた
空港の出入り口に構えていると
こちらを見るなり逃げ出す人影が見えた
怪しいと思い追ってみたが
巻かれたのか
見当たらなくなった
がっくりしてパトロール用のジェット機に戻っていたら
腰につけている無線の警報がなった
戒重だ
急いで乗り込み現場へ急行する
戒重の近くに行き
ペンを空に掲げボタンを押す
今回の戒重は三本の大きなツノに
エラの様な模様が首周りにある
目は薬をやった様にひん剥いていた
尻尾の先には
当たったら痛そうな棘が無数に生えていた
戒重は尻尾を振り回してきた
尻尾をジャンプし、ヒラリとかわし
戒重に思いっきり蹴りを入れ
首元にチョップを食らわし、
戒重の上顎を掴み、思いっきり口の中を殴った
ウォォォォンと
酔っ払った親父の様な声を上げて倒れた
とどめにスペシウムをあびせようと手を十字に構え
:
:
あたりはしんと静まり返っていた
スペシウムが出ないのだ
もう一度腕を構えたが出る様子がない
戒重は倒したので死体は置いて
人間に戻り基地へ帰った
④スペシウム
夕食を済ませ寮に戻り
二段ベットの上側で考えた
何故スペシウムが打てなかったのか悩んでいると
「何考え込んでるの?」
二段ベットの下の方から声が聞こえてきた
「あぁ美鈴」
加藤美鈴幼馴染の親友
美人で気が良くて
器用で優しくて
はぁぁ↓
って感じ
出雲空港へのパトロールも一緒に行ってくれた
この人になら明かしてもいいんじゃないか
とも考えたこともあるほどだ
でもその優秀さ余りに
出張が多く各地を転々としている
「今までできていたことが急に出来なくなって」
「ふぅん」
「だからできなくなった要因は何かなぁって」
「んで、何が出来なくなったの?」
またもやギクリとした
どう切り抜けよう
そんな事を考えていると
「もう消灯時間だよ、早く寝な」
いい具合に消灯時間が来た
ホッとして布団に入った
また何か
引っかかる
小さな疑問を置いて
深く眠った
夢を見た
ウルトラマンと話した
と
言うより訴えかけられた
起きろ、起きろ、敵は近くにいるぞ、
と
:
:
勢いよく目を覚ました
窓の方を見ると
コポポポポンと不気味な音と共に
鮮やかな山吹色の光が消えていった
「ありがとうウルトラマン」
奴がゼットンだ
そう言われた様な感覚だった
⑤ひとつまみの不信感
何かがずれていた
何かは分からないが
奥歯に引っかかったほうれん草の様に
気になって仕方がない
まぁそんなこと考えていても気が晴れる訳ではないので
朝食のコロッケを口に放り込んだ
相変わらず湿気ていた
最近どうも調子が悪い
スペシウムは出ないし何か分かったと思ったら何かが引っかかったり
悩み事は減る様にない
ウルトラマンになる前はどうやってこんなモヤモヤを解消していたんだったけ
うーん
:
カラオケ?
歌う曲なんてない
ボウリング?
給料日前
はぁっとせっかく溜め込んだため息も出て来てしまった
「お前最近元気ないな」
自分の右側で食べてた山崎が心配した
「そうよ、昨日もずっと悩んでいたし」
自分の左で食べていた美鈴も心配してくれた
右がオタクで左が美女そして自分自身が宇宙人と同化中
このなんともいえないシュールな状況にクスッと笑ってしまった
「ごめんごめん、ずっと悩んでても仕方ないよね」
2人の手を握って上に上げ
元気よく言った
「今日も一日頑張るぞー!」
美鈴も山崎も困惑しながらだったが
おー!
と、乗ってくれた
教官からは怒られたけど
なんだか元気が出た
そこから、訓練、掃除、昼食、反省会
気がついたらもう日が暮れていた
寝ようと思った時、ふと気持ち悪く残ってた疑問がなんなのか分かった
なんでゼットンは、私、いやウルトラマンの位置に気がついたんだろう
そうだその疑問だ
何も接触が今じゃなくてもいいはずだ
ウルトラマンを危険視するなら初めて融合したあの時
私が気絶している時、一番無防備な時に殺しておけば良かったのに
どうして今になって警告の様な事をするのか
そして
ゼットンが現れる前に話したあの話
今思うと何かを察したような
ふぅーん
と言う返事だった気が
:
:
まさか、ね
そこまで考えると
うとうと眠くなり溜まりに溜まった疲れを吐き出すように
ぐっすりと眠った
夢を見た
穏やかでとても居心地の良い
夢だった
夢からは覚め現実に戻った
今日はお休みの日だ晴れ晴れとした日になる予感がし
カーテンを開けた
うむ
薄々気づいていた
音で察したが信じたくなかった
大雨だ
もう一度カーテンを閉めた
そしてもう一度カーテンを開けてみたが大雨だ
ドアが鳴った
「早田さん!早田香織さん!戒重です!直ちに準備をして
出動に備えてください!」
自分の中で何かがプツンと切れる音がした
休日は雨だし戒重は出るし
そして誓った
この怒りは戒重にぶつけよう
制服に急いで着替え
戒重がいるところまで行き
ベータカプセルを上に上げた
「なるほどそういうことだったのか」
後ろから声が聞こえたので
慌てて振り返った
「山崎!」
山崎がずぶ濡れだ立っていた
その時自分もずぶ濡れだったことに気がついた
山崎が落ち着き払った声で
「いいさ、分かってる、行ってこい」
否定では無く背中を押してくれた山崎の言葉に頷き
ベータカプセルを上に上げ
「行こうウルトラマン」
ビコンッという音と共に地面から生える様に
ウルトラマンが出現した
「倒してこい早田」
腰を落とし腕を前に構える
戒重の頭めがけて
まずは蹴りを入れる首元にチョップし
膝蹴りを食らわす
戒重の頭についていた大きな一角から
電撃が発せられた
光線に比べればこんなもの痛くも無い
手を胸の前に構え右手を上げ
手にスペシウムを込めると
手に光輪が現れた
それを投げると
戒重の左腕に直撃し戒重の左腕が吹き飛んだ
次は右手に向かって投げようとした時に
体全体が急に痺れ
動けなくなってしまった
苦しいが山崎に託された思いを思い出し
必死に立ち上がった
エネルギーを消耗したのか身体がやせ細っていく
最後の力を振り絞り
腕を十字に構え
(当たれぇぇぇぇ)
腕かからスペシウムの光線、スペシウム光線が
戒重に向かってまっすぐに出て
戒重を爆破させた
力付き、人間に戻るなり
そのまま気絶してしまった
⑥お前はゼットン?
今自分が想定している最悪の事態は恐らく
的外れだと気づいた
美鈴はゼットンでは無い
なぜなら美鈴がゼットンなら
小学校からの幼馴染みといいシチュエーションにはならないのである
4年前にここ(地球)に来たのであれば
せいぜい同い年の先輩程度のはずだ
あの時の反応も気にし過ぎだ
まだまだ
山崎に伝えなければいけない事もある
して
今はどこに居るかと言うと
山崎の家である
休暇中に敵が攻めて来たので
一日ずらしてもらった
確かに今、全身が痺れて動けないとは言え運んでくれたのは嬉しいが
何もここじゃ無くても
:
:
横で本を読んでいた山崎が尋ねてきた
「んでお前はどういう経緯でその、ウルトラマンとやらになったんだ?
そして目的はなんだ?ここなら監視カメラも盗聴器もない、洗いざらい話してもらおうか」
言われたとうりに洗いざらい話した
山崎は少し悩んだ後に言った
「事情はわかった、でもなんで俺に相談してくれなかった、とも言わん
一度お前が始めた事だ、お前自身でケリをつけろ」
このオタクは
:
呆れるほど良い奴だな
オタクだけど
こいつなら信用できる
オタクだけど
こいつは私よりも口と腹筋は硬い
オタクだけど
ご飯も作ってもらいお風呂も借りて
もう全回復だ
寮に帰ると美鈴から変なことをされてないか心配された
なぜかあいつは女より飛行機のことが好きだから安心だとしっかり伝えておいた
今日は何かおっとりしていた気がする
戒重も出てこなかったし
こんな平和な日々がいつも続いたら良いのにと心から願った
が願いは虚しく
ある事件が飛び込んできた
連続誘拐事件だ
それなら警察を頼れば良いのだが
これがどうも戒重絡みになってくるそうだ
戒重の発する特有の戒粉という粉に
すごく似た粉が誘拐されたと思われる場所に必ずついているのだ
恐らくゼットンがウルトラマンを誘き出すための罠だろう
罠だと分かっていても人の命がかかっているんだ
乗らない訳にはいかない
山崎には訳を話し一緒に参加してもらった
それを見た美鈴も参加した
:
現場に着いた、メンバーは七人
私、山崎、美鈴、隣の班の
岡山 新
畑琶 幸助
淡蔵 瑛人
総班長の
林 巧真
計七名が今作戦のメンバーだ
誘拐されたと思われる所から早速粉が採取された
調べてみると通常戒重の戒粉と
83%一致した
ゼットンと戒重に密接な関係があるなら
戒粉が似ているのも理解できる
もしかしたら昔戒重が活発だった時にどういうわけか
宇宙に進出してしまったのがゼットンなのかもしれない
だとすると宇宙戒重ゼットンになるのかな
そんな事を考えていると
採取していた美鈴の叫び声が聞こえた
急いでそこに駆けつけると
美鈴の姿はもう無かった
とっさに水筒のお茶をこぼしていたお陰で
犯人の辿った道のりが分かった
ポツポツぽつと続く水の跡は
山の奥に向かっていた
細い一本道に入ると水の跡は消えていた
お茶が切れたのか、それとも
:
:
私と山崎と畑琶さんがこの場の調査
岡山さんと淡蔵さんと林さんがこの道の先の調査
に分担した
大きな下り坂になっている草むらの方を探していたら
大きな洞穴を見つけた
みんなを集めて中に入った
道はうねっていた右へ左へ
進んで行くと小さな部屋の様になっているところがあった
勢いよく入り腰に着けている銃を構える
動くな!
相手はビックリし振り返ると
山吹色に光る二つの目玉があった
夜に見たあの光に似ていた
恐らくこの事件の犯人だろう後ろには小さい人形になった
美鈴や他の人達がいた
戒重と人間の間の様な顔をした恐らく戒重
もしかしたらゼットンかもしれない
そんな事を考えているといきなり
戒重が喋り始めた
「ま、待ってくれ、すまない事をしたのは分かってる
何かに呼ばれた気がしたんだ、君たちの仲間や他の人たちは元に戻す」
喋った事も驚いたが
それ以上にしゃべっていた内容にビックリした
戒重は大人しく人間を元に戻し
外に出て話をし始めた
「あれは、ちょうど六か月前わたしは目覚めました身体も小さく
この近くの村の人にばれないようこんな山の中に
ひっそりと暮らしていました」
:
:
戒重が言うにある時小さな女の子に姿を見られてしまったが戒重を気に入ったのか
誰にも言わずに毎日遊びに来てくれたという
そして戒重は物を人形に変えることのできる能力を見せると
少女な悲しい目をしながら
「じつは、あたし病気なの、もう、治らないんだって私が死んだら
みんなにばれないように、あなたにお人形にしてもらいたいな、そしたら
別の人もお人形にして、お友達を作ってほしいの」
それでいけないとわかっていても人をさらっては人形に変え
少女の友達にしていたという
戒重は自らをダダと名乗った少女につけてもらった名だから
大切にしていると言っていた
もう二度とやらないようにと言い聞かせ
事情を皆に伝え
その場を立ち去った
結局ゼットンではなかったしゼットンのことを何も知らなかった
⑦戒特対班
夏も明け秋がやってきた
いろいろ起こりすぎた夏だった
謎が積み重なり
頭がスポンジになりそうだ
頭の中で今わかっていることをまとめるとこうだ
ゼットンと戒重はなんらかの密接な関係がある
スペシウムはある程度体力を消耗しないと打てない
ゼットンは各地を転々としてる
ゼットンの動きは何か不自然
そして
私はウルトラマン
そこまでまとめた時放送がなった
「早田 香織、山崎 奏、岡山 新、淡蔵 瑛人、畑琶 幸助
計五人は至急、第三特別室にくる事
繰り返す
至急、第三特別室に来る事」
何事かと思い、急いで第三特別室に向かっている途中に
山崎に会った
「何か心当たりがあるとすればアレだな」
山口の言うとおり恐らくダダの件に関する事だろう
第三特室(第三特別室)に入ると林さんが待っていた
後から岡山さんと淡蔵さん、そして畑琶さんも到着したのを確認すると
林さんが話し始めた
「加藤は今は出張でいないがこのメンバーが集まったと言うことは
お察しの通りだと思う
そこで私はこのメンバーを集めて特殊戒重事件や
戒重処理班として我々7人で
戒重特別調査駆除対象班、通称、戒特対を設立した。
今からその役割を発表する
私、林 巧真は、戒特対の班長を務める
そして今はいないが加藤 美鈴君には班長代理を務めてもらう
そして早田 香織君は現場分析官をしてもらう
そして岡山 新君には作戦立案官をしてもらう
そして山崎 奏君には軍事指揮官をしてもらう
そして淡蔵 瑛人君は戒重分析官をしてもらう
そして畑琶 幸助君は外交交渉官をしてもらう
各自自分の役割がわかったら
そこの六つの好きな席につけ
今からここはもう、第三特室ではない、
戒特対班専用事務室だ。」
林班長はとても嬉しそうに
椅子に座り書類整理をしている
確かに秘密は個人個人で守るよりもチームで守った方が
心強い
自分達の寮に置いてある机の荷物を戒特室
に持ち込み整理をする
一二時間ほどするともう移動は終わり
各自で作業している様子だった
私は山崎を呼んで相談した
「戒特対のみんななら明かしても良いかな」
山崎が呆れたように言う
「ダメだろ、お前も言ってたじゃないかどうもあの人が怪しいって」
首を振って否定する
「だから言ったじゃん、思い込みだったって」
それでも山崎は用心しておくだけはタダだ
あまり他の人に言いふらすんじゃない
と言って伝えることを拒否した
プリプリしながら寮に戻ると美鈴が出張から帰り
着替えている所だった
「おかえりー、もう美鈴は聞いた?戒特対の事」
美鈴は自慢げに頷きながら
「うんうん聞いた聞いた、でね、あの戒特対って略したの私なんだよ、いい響きでしょー」
そうだったのか
私のウルトラマンよりもネーミングセンスはいいかもしれない
一方その頃
:
:
「山崎さん一体何話してたんです?」
畑琶が眼鏡をかけ直して山崎に聞いた
「お前らに関係ないこと、じゃいけないよな・・・
おい畑琶」
「なんです?」
「耳を貸せ」
山崎は耳元で濃厚な飛行機トークを始めた
畑琶は分かった分かったと言ってその場を離れ
なんとか誤魔化せた
山崎の頭の中ではもう大体
ゼットンの居場所が把握されていた
早田はというと
訓練や急な戒特対の設立で疲れ
すやすやと眠っていた
⑧モフィラウスその1
戒特対が設立してから二日目不思議な電話が入った
私に、ということで出たのだが
『こんにちは、今日はあなたにとっておきの情報を持ってきていますよ、ウルトラマン』
とても落ち着いた男の声だ
だが確かに私のことを
ウルトラマンと呼んだ
「何が目的?」
『話が早くて助かります、あの人の言っていた通りだ』
顔をしかめて聞き返す
「何が目的?」
男は少し笑いながら答える
『戒重特別調査駆除対象班の皆さん聞こえていますか
私はモフィラウスそしてこの受話器を持っているのはウルトラマン
早田 香織さん、明日、班の皆さんだけを招待しましょう
明日の午前七時にこの電話に08453243と、入力して受話器を取ってみてください
皆様を招待致します、それでは』
戒特対室が凍りつく、
最初に口を開いたのは畑琶だった
「ウルトラマン…なんです…か?」
ウルトラマンの名前は山崎から広まっていた
早田は目を尖らせていった
「えぇそうよ、だからこれは私とウルトラマンとの問題なの
だからみんなまでモフィラウスのところに行く必要はないの」
「でも」
畑琶が口を挟む
「いいの、そもそも私が始めたことだから
私で終わらせないと」
黙って腕を組んでいた山崎が
我慢の限界だと言わんばかりに
早田の肩を掴んで行った
「1人で抱え込もうとするな、なんのための仲間だ?
助け合うためじゃないか
正体が知られた以上、十分に
戒特対の俺らを頼ればいいじゃないか
確かにケジメはお前がつけろと言ったでも何もこれで全てが終わるわけじゃないだろ、なんでも自分で解決できると思うな」
早田は、はっとした誰も自分を責めた目はしていなかった
「ありがとう山崎」
「当たり前だ、いざとなった時にお前を止められるのは俺だからな」
戒特対は各自解散し次の日に備えた
そして
:
:
決戦の日
戒特対班室の空気は重かった
時計が約束のじかんを指すと
慎重に
0 8 4 5 3 2 4 3
と、打ち、受話器を取ると
『お待ちしておりましてそれでは行きましょう』
と聞こえたかと思うと戒特対の全員が電話に飲み込まれた
辺りが暗くなり目を閉じたそして目を開けると靴音がきこ
そこは古い倉庫のようなところだった
⑨モフィラウスその2
まだ意識もはっきりしない時に
コツコツと、靴音が聞こえ近づいてきた
スーツを着た男がいた
もうろうと保っていた意識が途切れ
辺りは完全に暗闇になった
やた…早田!遠のいていた意識が山崎の声で引っ張り戻された
目を覚ますと、古びた倉庫の中にいるようだ
戒特戒の前には1人の
スーツを着た女性がいた
髪は黒く肩ほどまで伸びた髪は綺麗に整えられていた
絵に描いたような美貌に、肌は白く
ラズベリーのような鮮やかな色の口紅が映えた
気絶する前に見た男はどこにもいなかった
一度深呼吸をしたかと思うとその美人は
喋り出した
「こんにちは私はモフィラウス、あなたたちを呼び出し
ここへ招待した声の主です」
嘘だ明らかに声が違う
「私は事情がありこのような姿になっていますがご心配なく
早田様の中にいらっしゃるウルトラマンはさぞ動揺していらっしゃるでしょう
時間がありません手短に、簡潔に話しましょう
ウルトラマンは正義の味方では」
そこまで話したがと思うと
早田が倒れた山崎が近寄ろうとすると
モフィラウスがとめた
「近寄らないでください!
今の彼女は危険です!」
言い終わると同時に早田は起き上がり喋り始めた
「久しぶりだなモフィラウス最近いないと思ったらこんなところで
裏切りの計画をしていたなんて、私の正体をコイツらにバラして
仲間にでもしようとしていたのか?」
目は赤色になり声も男性のようになっていた
すかさず山口が銃を向けると
銃が熱くなり破裂した
それに見向きもせず早田、いやウルトラマンが続けた
「ゼスタももう良いだろう、宇宙警備隊だかなんだか知らんが
私の周りを嗅ぎ回るな鬱陶しいぞ」
そう言うなり加藤の体から黒く体の細い生物(?)が分離したその生物らしきものはコポポポポンと不気味な音を出しながら
モフィラウスの方に近づいていったおそらく
あれがゼットンの正体なのだろう
モフィラウスがあなたはもう逃げなさいと小声で言ったかと思うと
「皆さん離れていてください今からここは
戦場です」
ビコンと音が鳴ったかと思うとモフィラウスが巨大化し
本当の姿があらわになった
外見はゼスタとそれほど変わらなかったが所々に白色と青色の
ラインが入っていた
「ほぅ、やり合おうというわけか」
そう言ったかと思えばビコンと音がなりウルトラマンになった
だがウルトラマンの体から塗料が剥げるように
体表が剥がれ落ち
銀は黒へ赤は山吹へ変わっていき
顔の銀色の部位が仮面が外れたように転がり落ちた
仮面の下からは、恐ろしくも美しい
戒重と宇宙人の間の様な外見の顔をしていた
元々女性らしいラインはあったが
それがより強調された
モフィラウスと、真の姿を著した
ウルトラマンと名付けられた生物は向かい合い、一歩後ろに下がると先手を打ったのはウルトラマンだったスペシウムを光輪にし
モフィラウスに投げるとモフィラウスはビームを出しスペシウムを弾いた
モフィラウスは少し助走を付けてから
ウルトラマンに掴みかかった
その勢いのままウルトラマンを
背負い投げしたが
ウルトラマンはブリッチの体制で留まり
腕を掴んだまま
体を回転させ立ち上がりモフィラウスの腕を折った
ゴキという音がしたがすぐに腕は再生していた
ウルトラマンとモフィラウスが
光線技を出す構えをしたまま、睨み合う
⑩光の国から
その場を離れてただ見ていることしかできなかった
心配なことや、疑問などがずっと頭の中で渦を巻いていた
でも確かに見た
一瞬幻かと思ったがそんな淡いものなんかじゃない確かな光だ
赤い球体が山のほうに落ちていった
山崎はその光に向かって走り出した
周りの声なんて聞こえたなかった
息を切らしながら、途中で戦いに巻き込まれそうになりながら
山の方へ走って、走って、走った
山の方まで着くと
赤い球があった、それに触れると
眩い光が体を包んだ
謎の空間が広がっていた
自分の目の前には自分と同じ身長のウルトラマンが立っていた
念力か何かだろうウルトラマンもどきは口も動かさずに喋り始めた
「私に化けた凶悪犯トリプという黒い巨人を撃退するのに
力を貸してくれ、時間がない
君は共に私と戦う覚悟はあるか」
山崎は俯いていた顔をあげ
笑ってから言った
「覚悟なんてクソ喰らえだ、今は
俺がやらなきゃいけないこと、俺にしかできないことをやるだけだ
行くぞ、ウルトラマン」
「ウルトラマン…いい響きだ、気に入った」
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ビコンッ
光と共にウルトラマンが現れたモフィラウスは
戦うのをやめた
ウルトラマンとトリプ(ウルロラマンに化けていた宇宙人)が向かい合う
「とうとう見つけたぞトリプ大人しく連行されろ」
「いやだ、と言ったら?」
「力ずくで連行する」
2人とも腰を落とし手を前に構えるウルトラマンが殴りかかると
トリプはバリアをはったが、悉く砕かれた
バリアが割れた瞬間にウルトラマンはすかさず
アッパーを腹に食らわしたトリプがよろけた所に
すかさず蹴りを入れた
トリプがが完全に倒れるとウルトマンは腕を交差し
白色のビームを出した
するとトリプは小さな青色の球になり
ウルトラマンに吸収された
トリプのいた場所には早田が疲れ果て四つん這いになっていた
ウルトラマンも山崎に戻り早田に駆け寄った
「ありがとう山崎」
「当たり前だ
言ったろ、いざとなった時にお前を止められるのは
俺だからなってさ」
コツンと拳を当てた
光の国から- 完
面白いと思っていただけたら光栄です
では