覚悟の証明⑤
戒理と姫歌はその後も順調にデートを続け、日も傾いて来た現在はいよいよシミュレーションも終盤。
二人はディナーを食べる予定のレストランへと到着したところだった。
「はぁ〜……後は、夕飯食べて終わりだっけ?」
「ははっ、そうだね。ちょっと早いけど、お疲れ様、姫歌」
コンスタントに続いていた襲撃が止み、二人はどこか拍子抜けした心持ちでいつつも、ドッと疲れを感じていた。
……まあ、“コンスタントに続いていた襲撃“とは、どこの紛争地帯だという話だ。結果的に実害こそ無かったものの、守る方も守られる方も、相応にストレスが溜まるのは当然だ。
とは言え、それも後少しの辛抱。ご褒美のつもりなのか、心那が予約したレストランはかなりグレードの高いフレンチだ。白塗りの小さなお城を思わせる外観は、それだけで高級店だと察しがつく。
普通に考えれば、高校生が二人で食事するには敷居が高い店だろうが、姫歌は一般的な富裕層の更に上を行く旧家の生まれであり、戒理はそんな彼女の守護者。高級店で物怖じするような、やわな教育は受けていない。純粋に料理の味を楽しめるだろう。
戒理は躊躇う事無く高級感漂う入口のドアを開けようと前に出た。彼は普段からそうだが、この手の店で男性は特に、レディーファーストを心掛けるのがマナーの基本だ。
……と、その時、彼が手を伸ばす前に、内側からドアが開いた。
中から顔を出したのは、絵に描いた様なキッチリとしたギャルソン姿の男性店員。皺一つ無い清潔感のあるワイシャツに黒のベスト、光沢のある深い赤みを帯びたネクタイは、一眼でこの店が一流だと言う印象を与える。
その証拠に、男性は二人の姿を見ただけで、自然な所作で深く腰を折る。
「お待ちしておりました。ご予約の、西院様、黒守様でお間違い無いでしょうか?」
「あ、はい。そうです」
戒理は多少動揺したものの、すぐ気を取り直して頷く。
「ありがとうございます。差し支えなければ、お荷物をお預かり致します」
「ああ、それじゃ、えっと……」
「紙袋だけお願いするわ。ハンドバックは席に持って行くけど、構わないかしら?」
ややもたついた戒理に代わり、姫歌は落ち着いた様子で男性店員に指示をして、前へ進み出る。
「もちろんでございます。では、失礼致します」
「お願いします」
戒理は気を取り直して紙袋を男性店員に渡す。
「では、お席へご案内致します。どうぞ」
「どうも」
「お世話になります」
男性店員に導かれるまま、二人は店内へ足を踏み入れる。
内装もまた外観に違わぬ上品な造りで、絵画の掛けられた白亜の壁や、ベルベットの絨毯が敷かれた長い廊下が続いている。
かなり奥まで進んだ所で、先導していた男性店員が一つのドアへ手を伸ばした。
「本日はこちらの個室をご予約頂いております」
「「っ……」」
戒理と姫歌は、思わず言葉を失う。
無理も無い。ドアを開けた先に広がっていたのは、正に贅の限りを尽くされたと言わんばかりの空間だったのだ。
高い天井に吊るされているのは、数えきれないほどのクリスタルで出来た煌びやかなシャンデリア。
片隅には様々な花が生けられた豪奢な花瓶。
純白のクロスがかけられたテーブルに並ぶシルバーや飾り皿は、一見するだけで最高級品と分かる輝きを宿している。
ただそれらはどれか一つが過度な主張をする訳では無く、寧ろその全てが、絶妙な調和を保っていた。
広々とした空間に対しては少ないが、二人が案内された他にもテーブルがあり、既に他の客達が席に着いていた。いずれも仕立ての良いドレスやジャケットを身につけており、店の雰囲気に溶け込んでいる。
「あのメンヘラトマト……このランクの店予約するなら事前にドレスコードとか教えときなさいよね」
「は、ははっ……入る前から予想はしてたけど、流石にここまでとは思わなかってね」
頬を引き攣らせる姫歌に、戒理もまた苦笑いしか返せない。
「気を遣わせてしまい申し訳ありません。ですが、お二人とも素敵なお召し物で、十分当店のドレスコードは満たされております。どうぞ、ごゆるりとお寛ぎ下さい」
「「ア、ハイ」」
椅子を引く男性店員に促されるまま、姫歌から順に、二人は借りてきた猫の様に席へ着いた。
いくら高級店に慣れていると言っても、まさか訓練を兼ねたシミュレーションの途中で最高ランクの店に入るとは思いもしていない。服装以前に心の準備が出来ていなければ、彼らとてただの高校生と大差無いのだ。
男性店員はそんな二人の反応に完璧な笑顔を崩すことも無く一礼し、席から離れた。
「ふぅ〜……ま、あっちが良いって言ってるんだし、気にせず楽しみましょ」
「姫ちゃんはホント心臓強いよね。僕はまだドキドキしてるよ」
「姫ちゃん言うな。つーか、ドキドキって……アンタ、心臓あるの? あと、いっつも普通に私らと食事してるけど、消化器官とかどうなってんのよ?」
「そういったセンシティブな質問にはお答え出来ません」
「S◯riか。急にAI感出すな。幼馴染設定どこ行ったのよ」
「設定とか言わないでよ。本当にセンシティブな話題になっちゃうでしょ……」
「アンタ等が気にし過ぎなだけよ。実際私は、昔の記憶が無い事なんて、別にどうでも良いと思ってるんだから。なのにどいつもこいつも家だの異能だののせいで無駄に特別扱いして来るし、うんざりよ。……アンタとメルティくらい、普通の女の子扱いしてくれたって良いでしょ?」
「……」
不貞腐れた顔をしても綺麗なままの目の前の少女に、戒理は何とも言えない表情しか出来ない。
それでも、勇気を振り絞って、どうにか言葉を紡ぐ。
「あのね、姫歌。家とか、希少な異能とか、そんな物は関係無いと思うんだ」
「な、何よ? ちょっと愚痴ってみただけなんだから、そんな顔しなくたって……」
思ったより真剣に返されて狼狽える姫歌に、戒理はどこか躊躇いがちに、憂を帯びた顔で続きを口にした。
「……ヤクザ口調でブチギレたり、軍の幹部相手にタメ口で喧嘩売る女の子は、どの道“普通の女の子“にはカテゴライズ出来ないんじゃ無いかな?」
「OK分かった表出ろポンコツAI。スクラップになる覚悟は出来てるよなぁ?」
「「「っ!?」」」
声量こそ控えているものの、上品な空間に似つかわしくないドスの効いた声は、近くの席に座る客達をビクリとさせた。
「お待たせ致しました。お飲み物のメニューをお持ちしました」
タイミング良く(?)、先ほど案内してくれた男性店員とは別の女性店員が、ドリンクメニューを持って席へやって来た。
高級店ではレセプションとテーブルに付くサービススタッフが違うのは良くあることなので、二人は特に疑問を覚えずメニューを受け取る。
それが、襲撃の合図だとも知らずに。
「っ!? 姫歌!!!!!」
注文を聞くため側に控えていた女性店員。
彼女の袖から、小型の仕込み銃が見えた瞬間、戒理は叫んでいた。
「っ、ちっ!?」
幸い姫歌の優れた反射神経は即座に反応し、女性店員の腕を関節技の要領で天井へと捻り上げ、銃口を逸らす。
「なるほど。確かにただ守られるだけのお姫様じゃないみたいね。あの子から聞いていた通り、格闘能力は及第点と言ったところかしら。……けど、彼は不合格よ」
「はっ!? なっ……!?」
不意打ちを防がれたにも関わらず、女性店員に扮した襲撃者は酷く冷静だった。
そして彼女の視線を辿れば、そこには客や店員の格好をした襲撃者達に囲まれている、戒理の姿が。
「くっ!? 退けぇっっ!!!!」
既に蒼白いアルマギアの光を纏った彼は、凄まじい勢いで抜き手や剛脚を振るっている。表面が人工皮膜と人口筋繊維に覆われているとは言え、掠りでもすれば人間の身体など容易く粉砕出来る威力だ。
ただ、それは当たればの話。
「がっ!? くそっ、何でっ!?」
彼が相手どっている襲撃者は三人だが、その動きはいずれも実力者のそれで、まともに攻撃を入れるどころか、先ほどから何度もカウンターを貰ってその場から動けずにいた。
「あれはダメね……。まあ、分断が成功した時点で、殆ど詰んでいたのだけど」
「このっ……!?」
「大人しくしていて頂戴。これは、悪魔で彼の為のシミュレーションでしょ? 貴方が加勢したら何の意味も無いわ。……まあ、出来たとしても結果は変わらないでしょうけど」
女性店員に扮した襲撃者はいとも容易く姫歌に関節技をキメ返しながら、ため息の様に言葉を零す。
そんな彼女の様子から、姫歌は今更ながらに状況を察した。
「訓練って事は、やっぱりアンタらもあのメンヘラトマトの差金ってわけ!?」
「ブフッ!? メ、メンヘラトマトって、ココちゃん……心那のこと言ってる?」
「他に誰がいんのよ……」
「ふふっ、ごめんなさい。あまりにセンスが良いニックネームだったから。……でも、あまり嫌わないであげてね。口は悪いし、隊長の事になると我を忘れがちだけど、あの子なりに、貴方達の為に出来ることを一生懸命考えてるみたいだから。今日だって、普段は他人に頼らないあの子が、珍しくお願いしてくれたから、わざわざ非番の時間に私達は集まったのよ」
「……分かってるわよ。そこまで命令された訳でも無いのに、放課後残って私ら全員の訓練相手してるくらいだし。腹立つけど、世話にはなってるわ」
「あの子はうちの隊で、誰よりも真面目だから。第七でエースを張れる実力を身につけたのは、自分の居場所を作る為になりふり構わず努力した結果。……だから、力も居場所もあるのに覚悟が足りない彼が、歯痒くて仕方無いのでしょうね」
「……」
二人の視線の先では、戒理が焦燥を露わに攻撃しながらも、突破口を見出せず良い様にあしらわれ続けていた。
『特専』のクラスメイトに襲撃されていた今までは、ただ守護するだけで良かった。けれど、その守護対象である姫歌と引き離されてしまった今は、奪還のため攻める側。非武装とは言え、相手は第一線で闘い続けてきた第七執行部隊の隊員達だ。心那一人相手ですらまともに攻撃を成功させた事の無い未熟な彼には荷が重い。
……もっとも、それは悪魔で、正攻法であればの話だが。
戒理が本気の出力を出せば、襲撃者達を強引に跳ね除けて姫歌のもとに急行する事は可能だ。……ただし、その場合、周囲の被害は甚大となり、直接攻撃を受ける襲撃者達の重傷は免れ無いだろう。
彼は、その選択肢を選べない。
そんな葛藤を知ってか知らずか、絶妙なタイミングで冷ややかな声が彼に浴びせられた。
「何をしているんですか? 早くそこを抜けださなければ、貴方のお姫様は死んでしまいますよ?」
「っ……バーミリオンさん」
いつの間にか、心那と『特専』のクラスメイト達が部屋に入って来ていたのだ。予め店内のどこかで待機していたのかもしれない。
「まさか、シミュレーションだからと鷹を括っているのですか? 言い忘れていましたが、今日のシミュレーション結果は彼女の保護者である西院保安課長、そして独立政府上層部に報告します。今のままでは、明らかに能力不足と判断される事でしょう。たとえ家が取り決めた守護者であっても、このままでいられますかね?」
「なっ!? 待ってくれ!? 僕は彼女の側を離れる訳にはいかないんだ!!」
戒理は思わず戦闘を止めて叫び返す。
余りに悲痛なその訴えに、襲撃者役の者達も顔を見合わせていた。
けれど、沈黙が場を支配することは無かった。
「……あ〜もう、鬱陶しいっっっ!!!!」
「「「っっっっっ!?」」」
それまで冷たく詰る様な口調だった心那が発した突然の怒号に、戒理だけで無くその場に居た者達全員がビクつく。
小さな身体から溢れ出す怒気は、大人も子供も関係無く背筋に怖気を走らせた。
「あ、あの…」
「何で分からないんですか!? アンタの根本的な問題は、その温っちい舐め腐った考え方だって言ってんですよ!! この体たらくでよくもまだ『側を離れる訳にはいかない』なんて乳離できてないガキみたいなワガママ言えますね!? アンタが今日対応できたのは、まだ訓練もろくに積んで無い素人に毛が生えた程度の学生だけ! 案の定プロが四人出てきたら即ゲームオーバー! これが殺害を目的としたリアルの襲撃だったら、とっくの昔にアンタの大事なお姫様はぶっ殺されてるんですよ!?」
「それは……で、でも、君が連れてきたって事は、彼らは第七執行部隊の精鋭なんだろ? 言い訳にはなるけど、そんな手練れ集団がいきなり襲ってくるなんて状況、そうそう無いんじゃ無いかな?」
明らかに苦し紛れだが、それでも何とか悪い流れを変えようと言葉を尽くす戒理。
だが、心那はそんな彼の甘さを、残酷な事実で徹底的にすり潰す。
「先輩が助けなければ、今ここに西院姫歌は居なかったのに、ですか?」
「くっ………」
「チンピラレベルの犯罪者に子供のアルミリスが一匹混ざっただけで、普通に殺されかけましたよね? 調書を読みましたが、リーダー格の男以外は素人相手の暴行ぐらいしか犯罪歴の無いほぼ素人。何ならそこに居るクラスメイトの皆さんより楽な相手だった筈です。……なのに、人質なんて古典的で誰でも思い付く手段を取られただけで、あっさり護衛対象の命を危険に晒した。無能を通り越して、もはや足枷じゃないですか」
「………っ」
心那の言葉には、一切反論の余地が無かった。
「偽善だか矜持だか知りませんが、守るべき物以外で目が曇っているような奴に、守れる物なんて何一つ無いんですよ。このシミュレーションの目的は、それをアンタに思い知らせる事です。良い加減理解したでしょう? アンタが覚悟だと勘違いしてるそれは、アンタ自身のエゴでしか無い。本気で彼女を守りたいなら、いっそ使えないその脳みそも機械と取り替えて、考えるまでも無く合理的な判断を出来るようにしてしまえば良いのでは?」
「………」
「…おい、メンヘラトマト。こいつが機械の身体になってまで私の側に居んのは、紛れも無く私を守る為だ。覚悟って言うなら、それだけで十分だろ。そこまでこき下ろされる筋合いないわよ!!」
返す言葉を失ってしまった戒理に代わって、姫歌が声を荒げた。
だが、心那はそんな彼女に視線を向ける事も無く、冷めた声だけを返す。
「そうやって貴方が甘やかすから、ここまで増長したんでしょう。というか、一番危機感が必要なのは貴方なんですよ? 運良く……いえ、恐らく今までは西院保安課長や独立政府が手を回して、決定的な窮地を避けていたんでしょうが、今はテロ対策でどこも手一杯の状況。そして彼一人では、貴方の身の安全は確保出来ない。自分は独立政府がどこまで貴方の異能を重要視しているのか知りませんが、事と次第によっては最低限の人員で護衛できるよう軍本部で軟禁、或いはシェルターに隔離という可能性もあります。実際、政府要人の何人かはシェルター内の居住区画に移っているみたいですしね」
「チッ……」
姫歌自身にも、独立政府がどこまで自分に価値を見出しているかなど分からない。ただ、兄の異例とも言える早さの出世や、戒理の身体を用意する為に注ぎ込まれたであろう莫大な予算を考えれば、心那が予想した様な対応を取る可能性は少なくない。……そしてそうなった場合、姫歌に抵抗の余地は無いだろう。言葉の上で拒否は出来ても、今後の自由や戒理の廃棄処分を引き合いに出されれば、彼女は頷くしかないのだ。
「………バーミリオンさん。僕は、どうすれば良い? どう変われば、彼女の側に居続けられる?」
意を決した様に、戒理は口を開いた。……けれど、その顔は未だ俯いたままだ。
そして、心那は苛立ちを通り越して呆れ返った表情で深い溜息を吐いた。
「はぁ〜〜〜……。先ずは、そのすぐ他人に答えを求める癖から直しては? 他人の顔色を窺う暇があるなら、少しは自分で頭を使って下さい」
「っ……そう、だね。すまない」
「「「………」」」
酷く重たい空気に、心那以外の全員が押し潰されて口をつぐんだ。
そんな中、気まずげに苦笑しながらも、姫歌を取り押さえていた女性がその手を離し、心那に歩み寄った。
「……あ〜、ココちゃん? 取り敢えず、私らは撤収しても良いかしら? もうやる事も無さそうだし」
「ええ。桐生さん、皆さんも、非番の日なのに手伝って下さりありがとうございました。お礼は、後日用意するので」
「いや、お礼とかは別に良いんだけど……あんまり、嫌われ役にばかりなろうとしないでね。勝手だけど、私らはココちゃんの事、妹みたいに思ってるから。お節介でも心配しちゃうわ。任務とは言え、せっかく学校に通ってるんだし、いつも頑張り過ぎてる分くらいは、肩の力を抜いてもバチは当たらないわよ」
そう言って肩を竦める桐生と呼ばれた女性に同調するように、他の隊員達も苦笑を見せた。
だが、そんな彼らに、心那はまるで捨てられた子猫の様な顔で、寂しげな声を漏らした。
「……皆さんも、先輩と同じことを言うんですね」
「え…?」
「………いえ。ご心配おかけして申し訳ありません。でも、自分は大丈夫なので」
思わず聞き返した桐生から、心那は顔を逸らした。
「『特専』の皆さんもお疲れ様でした。シミュレーションはこれで終了です。後は第七の事後処理班が片付けに来てくれるので、速やかに解散して下さい。明後日からも訓練は続けます。十分な休養を取るのもお忘れ無く。では、自分はこれで……?」
一息にそう言った心那は、足早に出口へと向かう。
けれど、ドアノブに手を掛ける寸前、何かを察知して動きを止めた。
その直後、慌ただしい足音と共に、勢いよくドアが廊下側に引かれる。
飛び込む様に部屋に入って来たのは、戒理と姫歌を出迎え案内した男性店員だった。
「皆様!! お逃げ下さい!!!!」
彼がそう叫んだ瞬間、その背後にあった筈の豪奢な店内の景色が、蒼白の極光に呑み込まれた……。
お読み頂き感謝の極み。
ちょっと色々あって間が空いてしまいましたが、無事投稿出来ました。
今話はそこそこ長く書いたつもりだったのですが、読み返してみたらそうでも無かった……。
とは言え、やっと物語が動き出すとっかかりまでは書けたので、次回からは割と激しい展開になって行く予定です。
ご意見、ご感想お待ちしております。