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建築計画

 ライの協力もあって、宇宙要塞所持に必要な名義は解決した。


 一番の障害を乗り越えたことで、自然と皆の士気も上がっている。


「それじゃあ、あとは工事を始めるだけね」


 上機嫌で笑みを浮かべるエクリ。


 というか、そもそもコイツは宇宙要塞を作ることに反対じゃなかったのか。


『現在、カイルの所持する資金は2000万ゼニーです。宇宙要塞の着工には、少なくとも200億ゼニーの資金が必要となるでしょう』


「またお金かぁ……。デブリの回収も順調だったし、お金も結構貯まったと思ったのに……」


 シシーの説明に、エクリはガックリと肩を落とした。


「別に、一気に全部作る必要はないだろ」


 その場にウィンドウを出現させると、宇宙要塞の見取り図と設計計画を表示させた。


「まずは手始めにAブロックから開発して、余裕ができ次第Bブロック、Cブロックと開発していく。段階に応じて開発を進めていくんだ」


 始めから広いスペースを開発しては、初期費用と維持費がかさんでしまう。


 そのため、利益が増えるにつれ拡張していくことで、初期費用を可能な限り削減するのだ。


「海賊から奪った宇宙船が8隻ある。今は遊ばせている状態だが、コイツをそのままそっくり宇宙要塞に移し替えれば、新しく購入する資材もぐっと減るだろ」


 発電機やシールド発生装置など、宇宙要塞に必要な機器は少なくない。


 だが海賊船から流用できれば、その分のコストも削減できる。


 俺の計画を聞いて、エクリが目を輝かせた。


「うん……これなら作れるかも……!」


『……見積りを修正しました。宇宙要塞建設には、少なくとも40億ゼニーが必要となることでしょう』


「40億……」


 またしても、エクリがガックリする。


「シシー、初月から今までの売り上げはどれくらいだ?」


『およそ3500万ゼニーです』


 そこから諸経費や諸々かかった費用を差し引きすると、純粋な利益は2500万となる。


「これだけ安定して稼げているんだ。……それなら、俺たちに投資したいってやつもいるだろ」


 エクリやシシーが感心した様子で頷いた。


「ペテン師、出番だぞ」


 興味なさそうに話を聞いていたライを捕まえる。


「なんでオレが……。宇宙要塞の名義貸しだけじゃなかったのかよ」


「だからだろ。これから投資してもらおうってのに、名義主がいないでどうする」


 名目上、ライは宇宙要塞の持ち主ということになっている。


 役に立つかどうかはさておき、名義主が居て困ることはないだろう。


 また、何らかの契約をする際にはライの署名が必要となるかもしれない。


「チクショウ……話が違うじゃねぇかよ……!」


 俺に引きずられ、ライはコロニーに連行されるのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 『ペテン師、出番だぞ』 ナチュラルにクズな主人公に大爆笑
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