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アルカット王復活

続きです。

「う……おぉ?」


……目が覚めた。

となると、ここはあの世というところだろうか。


辺りを見渡すと、自分を取り囲むリアナや兵士達が見える。

……あの世ではない?


「王ッ……!」

「リアナ……ワシは……生きておるのか?」


木々に侵食された神殿の壁、蛇顔の男の死体も剣が刺さったまま転がっている。

邪魔だと判断されたのか、やや離れた所に放られているが……。

確かにここは自分が死んだはずの場所で間違いないようだ。


「申し訳ありませんが……本当にアルカット王でいらっしゃいますか?」

「うん?」


リアナが妙な事を聞いてきた。


「何を言う、ワシはアルカットじゃぞ?」

「……失礼します」


リアナは短剣を抜き、側面をアルカット王に向けた。

短剣は丁寧に手入れがされており、剣身はまるで鏡のように磨き上げられていた。

その剣身にアルカット王が映る。


「な、なんじゃこれは!?」


剣身には銀髪、黄色い瞳をした褐色肌の少女が映っていた。


「こ、コレ、ワシか?」

「はい……」


頬を触ったり左右に顔を振れば、剣身に映る少女も頬を触り、顔を左右に振る。

間違いなく、この少女が今の自分の様だ。


「なぜじゃ……ワシは確かに心臓を剣で貫かれて……」

「その剣が突然光り、その光が王を包み……消えた後にはもうその姿で……」

「そうじゃ!あの剣は何処に!?」


流石に今も刺さってはいない。

辺りを見渡すが、どこにも無い。

自分の胸をしっかりと貫いたであろう剣が見当たらない。

もちろん、いまだに胸に刺さっている訳でもない。


しかし、何故だろうか。

体の内に『何か』を感じる。


「よもや……体内(ここ)……か?」


体内のソレを意識し始めると、どうすれば良いのかがなんとなくだが自然と分かってくる。


「右手に剣がある」そう意識を向け力を込めると、手のひらに光が現れ、剣の形を作る。

光が消えると、そこには遺跡に安置され、自分の胸を貫いた剣がそこにあった。

違いがあるとすれば、まるで新品の様な輝きを放っている事だろうか。


それを見た周囲の兵士達から「おぉっ!」といった感嘆の声があがる。


「これは……まさか……!」

「うむ、本物じゃ」


リアナの(とい)に答える。

自分に新たな肉体を与えて蘇らせた事、そして何よりこの剣と()()した事で伝わる剣の力。

これは紛れも無く探し求めていた"神々の剣"だ。


「やったぞ!ついに見つけたわい!」


喜びの余り、アルカット王は飛び上がりそうな勢いで立ち上がった。


その時、留め具が外れ、何より少女となった体では余りにも大きすぎた鎧が、ストンと落ちた。

鎧の下に着ていた肌着も肩からズリズリと落ちていき、()()()()になる。


「お、王!?ええい!皆後ろを向け!早くしろ!」


「さもなくば首をはねる」と言いたげなリアナの声に周囲の兵士達は慌てて背を向けた。

まだまだ続きます。

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