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前世で宿敵だった魔王、転生したらそいつと双子の兄弟!?

作者: 小板晴雨

ここグレイド王国には様々な言い伝えが伝えられている。

その中でも民衆たちに最も強く根付いているのは、30年前この王国とある魔王との戦いについてだった。

グレイド王国を始めとし、様々な国々があるこの世界には人族をはじめとした多くの生き物が暮らしていた。人族に対して敵意を向けている魔族、人族とは仲が良く森の精霊と言われているエルフ、王国などに働きに出て人族と色々な技能を高め合っているドワーフなどがその代表だ。30年前グレイド王国は、長年停戦状態だった魔族と本格的な戦いを始めてしまった。この世界には魔法というものが存在し大規模な魔法や高度な魔法を扱えるものを中心に戦いは繰り広げられていった。魔族軍を統括しているのは魔王、王国軍を統括していたのは23代国王マーク=グレイドだった。民衆は誰もが王国軍は魔族軍に勝てるとは思っておらず街には絶望感が漂っていた。それも当然で、魔族は人族よりも高い魔法力を持っておりさらに魔族軍の数は約10万。対して人族は魔族に対して魔法力が劣るのに総勢約4万人しかいなかった。これは人族の、魔法が使える者がとても不足しているという状況が原因である。魔法が使えるのは貴族かそれに連なる家系のものがほとんどで、平民から魔法が使える者が出てくるのは稀で使えたとしても貴族達ほど強くはなれなかったのだ。結果人族は魔族軍に壊滅寸前まで追い詰められた。しかしそれでも国王は諦めなかった。それはこの国で最強の魔法力を持っており圧倒的な強さをほこる【大魔導師 フラン=アスタルテ⠀】という男の存在があったからだ。彼は戦いが始まった時別の国に旅に出ていたが祖国の危機を知り急いで駆けつけてきたのだ。それは戦いが始まり1ヶ月になろうとしていた時の事だった。フランは一緒に旅に出ていた仲間たちと魔族軍討伐に向かった。フラン一行の強さは人族としては桁外れに強く魔族からしてもとてつもない力だった。そのせいでフランたちが交流して1週間後には魔族軍もほぼ壊滅状態に陥っていた。そうなると当然魔族軍は魔王自ら戦いに参加するようになった。フランは魔族の大将である魔王にかかんに挑んだ。流石のフランも魔王は一筋縄とはいかず両者ボロボロになるまで戦った。戦いをする中でフランはあることを思うようになった。「こいつも魔族を守るために必死なんだな」と。魔王は魔族のためにフランは人族のために死に物狂いで戦った。両者が混戦状態になって3日後ついに決着が着いた。最後の力をふりしぼり最大級の技をフランは魔王に叩き込んだ。しかし魔王も同じことお考えており両者お互いの必殺技をくらい相打ちになってしまった。意識が途切れそうになった時、フランが魔王の方を見ると魔王はぎこちない笑顔をフランに向けていた。その顔からは悔しさや後悔などといった感情が全く伝わってこなかった。こうして両者は同時にこの世を去った。


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