再び頂を目指して
「なんだ…………これは…………」
正直驚いた。
セツナが当時の野球部の面々から今、俺のチームに来てくれると言ってくれる面々をスカウトしてきてくれるという話だったのだが、今戻ってきた彼に引きつられてやってきた人数を、正確に言えばやってきたプレイヤーの返信を見ているのだが…………。
「セツナ…………これはどうしたんだ」
「みんな呼んだら来てくれた、ただそれだけだよ。」
「そうか」
どうしてだろう。
今までの俺はこの野球部に申し訳ないという気持ちでいっぱいだったのに、もう一度顔を合わせてしまったら俺は再びあの時の、夢破られた瞬間の思い出がフラッシュバックしてきてしまうからと、そう思っていた。だが違ったようだ。
それが最初にセツナに会ったからなのか、自分からこの俺のチームに来てくれたからなのかはわからない。ただ今はこう思っている。
「このチーム作って良かったな」と。
「なんでもう満足気なのよ」
「気が早いぜ兼継~」
「そうですよ二階堂先輩」
続々と声をかけてくれる元野球部の面々。プレイヤー名は本名なわけがないので最初は分からなかったが、多分それぞれ的確なツッコミをくれる気のいいセンターのアイツ、ノリが軽すぎるがここ一番では強いファーストのアイツ、気配りがすさまじく良いが試合の時はすさまじい長打を放つサードのアイツだろう。なぜか直感でわかる。
「…………いい意味で変わらないな、お前らは」
「変わってないよ、お前も」
そう言われてみればと、切名の言葉で気づく。
結局、考え込んで、自分のせいにして、自分から遠ざけていたのだろう。
まだ喜ぶのは早いかもしれないが、今はこのことを皆で喜ぼう。
「また全員で甲子園を、頂点を目指そう。」と。
とりあえずはここまでで止めておきます。気が向いたら再開するかも