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ーーーその時、一筋の光明が差す

 5月初め、昼下がりのこと


 一般的な大学生は大学に慣れ初め、友達もでき、高校生活に比べて大学生活の講義の違いに戸惑いながらも順応してきた、という時期にやってくるゴールデンウィークというひと時の休暇を楽しんでいるだろう。またはアルバイトに勤しんで今後のためにお金をためておくという人もいるかもしれない。そんな時に俺は…………。


「チーム組みませんか~!」


「グラウンドスタジアム」内でチーム員を募集していた。


 このゲームでは世界中のプレイヤーとチームを組むことができる。一応、自分一人だけでもチームを組むことができるのだが、自分が担当しているポジション以外はNPCが担当することになる。当然そのNPCの強さの設定はだいぶ弱めに調整されており、初めたての初心者より少し強い程度だ。

言ってしまえばこのゲームを一時間やるだけでこのNPCの強さを抜くことができる。いくら自分が動けたとしても他のプレイヤーすべてがこのレベルのNPCになってしまうのならば試合にならないレベルだろう。

ましてや自分が今しているポジションは「キャッチャー」。ピッチャーが自分の指示が通じない(NPCだから当然)ために簡単に棒球を投げる上に、打たれてしまえば守備するのは本当のひよっこレベルの守備陣。自分は本塁を守ることしかできない。


 ほかのチームに入れてもらうことも考えたが、高校時代の思い出がぶり返してきてなんだか嫌になってしまった。それで自分でチームを作ろうと決めたのだ。

 こっちは高校時代は少ししかできなかった身だったが今では一か月近く、多くの時間をこのゲームに割いてきた。今ならば並のプレイヤーよりもステータスも腕も高いだろう、だから自然と人も寄ってくるだろうと、募集を始めたはいいがここまで一週間、ゴールデンウィークも中ごろに差し掛かってきたのにもかかわらず、募集に応募してくれるプレイヤーは一人もいなかった。

 募集を取りやめて、どこかのチームに入ってのんびりやろうか…………と思っていた時に一軒の通知が来た。


「チームに入れてもらえませんか、ポジションはピッチャーです。」


それを見た瞬間、とても大きな声を出した気がする。何を言ったかは覚えてないが。その後すぐに冷静になった俺はそのプレイヤーを喜んで歓迎した。


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