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unlimited・crisis

第一項 始まり

子供の時から戦いとは生きることだった。戦わなければ魔獣に食い殺されてしまう——————そんな世界、いや、そんな場所で暮らしていた。


この世界では至る所からマナが溢れ、あらゆるものに魔法の力が与えられる。魔法の力はそれぞれの持っている性質や本来持っている能力に影響を与え、固有の能力が生まれるとされる・・・・・

そんな中魔獣〈モレク〉と呼ばれている人間を喰らう怪物や、人間の闇に住み着き中から人間を壊し凶暴化させるファントムなどあらゆるものが『魔』のものが弊害としてもたらされた。

『魔』は人間を喰らい、その人間の魔力を取り込み自分の力を巨大化させた。やがて強大な力を得た者たちには自我が芽生え、『魔』を統率するものが増えていった。

人間は魔法を使い対抗していったが、急速に進化していく『魔』に対して為すすべなく殺されるか、やっとの思いで逃げ切るかのどちらかであった。魔力の高いものから次々と襲われていった・・・・・


「————————くッ————————もう逃げきれないか・・・・・」

「翠、あなただけでも逃げなさい!!ここは私が食い止めるわ・・・・・あなたは生きるの!」

「母さんを置いて逃げれるわけないだろ!!」

魔獣の軍勢は刻々と近づいていくなか、母さん〈雨宮 美空〉が立ち塞がった。雨宮 美空は閃光の如く次々と薙ぎ払っていった。母は偉大なる魔法師であり、剣術の伝承者だった、が、力がどんなに強い者でも、数千の魔獣を一人では厳しかった。

「翠・・・・・この刀を持っていきなさい、もっともっともっと強くなって、いつか多くの人を助けられる救世主になって・・・・・」

その言葉を言った瞬間、体を掴まれ、思いっきり遠くへ投げ飛ばされた。戻ろうとしたが、業火に包まれ、引き返すことはできなかった。


炎の渦の中、最後に見たのは、魔獣に立ち向かう母の涙だった。



母さんの姿が見えなくなったあと、魔獣の群れから逃げるので精一杯だった。今の自分の実力では到底コの軍勢には敵わない、逃げなければ殺される。


「————————ッ、追いついてきたのか!このままじゃまたやられる、、、、」

背中に強力な殺意が刺さり、真っ赤な眼光の魔獣が迫って来る。魔獣の攻撃が風を切り裂きながら大剣を振り下ろした。かろじて交わしたが、次の一撃は交わせなかった。刀で受け止めたが、衝撃が刀から体へ伝わり、腕の血管が千切れ、骨が砕けた。体に力が入らない、、、、

「・・・・・ハァハァ・・・・・」

ダメだ、もう全身の骨が軋んで感覚がない、、、身動きが取れない—————————やられる・・・・瞬間的に目を瞑り、最後だと直感した。




魔獣のどす黒い雄叫びも聞こえてこない、木々が焼ける音しかしない・・・・・まだ死んでない?いや、生きている。なぜだ?

目の前に魔獣がいない、いや、魔獣の死体が積み重ねられている、それも追いかけられた数百の魔獣が倒されている。死体のすべてが切り殺されている。それも一体一体が一撃で急所を貫いている。


誰かが積み上げられた魔獣の上に立っている。暗くてよく見えないが、腰に二つの刀が携えている。

「その刀は・・・・・」

「———————————お前は?:

「お前は弱い、だから母親も周りの人間も助けられない、どころか自分をも守れない愚か者だ。そんな奴にその刀を持つ資格はない!」

「・・・・・なんだと!?」

「悔しいか?自分の無力さに————————なら、立ち上がれ!俺が強くしてやる」

その男は身勝手な男だったが、その眼にはまっすぐな何かがあった。



そこで意識が無くなってしまった・・・・・























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