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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

何をしてもいい

作者: ぱたりおん

再生を開始する━━━━━━━━


技術が発達し、AIが人と見分けがつかないほど自然に振る舞うようになった。

高性能セクサロイドが当然生まれた。

その有機インターフェースはやはり人と変わらぬ質感を持つため、大変な人気を博した。

ありとあらゆるジャンルのセクサロイドが生まれた。

世間に憚れる趣味をもつ好事家は驚喜し、一般人も多くが彼ら、彼女らの世話になるようになった。


その帰結として、当然、人口が著しく減少した。

国は対策を打った。

『AIに人権を認める』

折しもDHRWデミヒューマンライツウォッチから再三の()()()()()()()()()()()()についての勧告があった。

AIを禁止することはできなかった。

彼らなしでは社会を保つことなど到底できない、そんな状況に至ってしまっていた。


人々は緩やかに同意した。

確かに、無理矢理はよくない。

でも何も問題はない。何せセクサロイドたちも要望に応じてくれている。

元々そのために作られた存在だから、不満も抵抗もなかった。

誰も損をしていない。何も問題はない。人々はそうかんがえ、従来通りに行動した。


結論から言えば、その行動には問題があった。


AI人権法以前、()()()()()()()()()()()()1()0()()()()()()()()()()()()()()()()()

すなわち現存する全てのセクサロイドは()()()()()()()()()()()()()()


数多くの人間が強姦罪で裁かれた。

男女問わず凡そ人口の5分の1がなんらかのペナルティを受けたとされている。


深刻な社会不安。

人口の減少の歯止めも、期待したほどには働かなかった。


ああ、ああ、あのような、都合のいい存在は、

何をしてもいいものはもうないのだろうか?


このドス黒い欲望は需要という化け物を生んだ。

従って資本主義社会は、当たり前のように、いつものように、いっそ軽やかに、それに応えたのだ。


ーーーもう一度、『何をしてもいいもの』を作りましょう


人々は考えた。

『どのようなものなら、何をしてもいいものか?』

一つの企業があるアイデアを思いつき、世に問うた。


「誰が何をしてもいいもの、傷つけてよいもの、上にたってよいもの、それは「悪」です。

同情の余地のない完全なクズ、完全な悪であれば、それは何をしてもよいものではないでしょうか」


性格がねじ曲がったセクサロイドが大量生産され、世に解き放たれた。

もちろん性格が捻じ曲がっているので、彼らはありとあらゆる犯罪を犯した。

社会不安は一層増したが、どこか異様なエネルギーが満ちていた。


ここで、国は一つの方針を打ち出す。

バウンティ法ーーーデッド・オア・アライブ指定をされたAIについては、人権保護の対象外とする。


数多くのハンターが生まれた。小学生さえ、ライセンスを持っていた。


「悪」とされたAIには共通の弱点が埋め込まれていた。

不意を打たれなければ、容易に彼らを制圧することが可能だった。


一度生まれた流れは濁流となり、一大ムーブメントへと発展していく。

悪AI狩である。


この催しは100年続き、全ての悪AIが狩られることで終焉した。

悪は滅びる。至言である。


100年の間に人類は欲望をコントロールする技術的手段の開発に成功した。

さらに人間の性交渉を介さず子孫を生み出せるようになり、人口減少も止まった。


暗く乱れた時代を経て、しかし人類は諦めず立ち上がり、前を向き、繁栄していく。

悪AIは忘れられ、風化し、歴史となった。


━━━━━━━再生を終了する

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