第一話. しあわせな時間
その日から、基本的に俺の一日の笑顔の回数は増えた。
授業中、俺が彼女を見ていると、たまに目が合ったりして。
その度に顔を赤くする彼女が可愛くて、いつまでもこんなときが続けば、と。
いつしかそう思うようになっていた。
___
次の日も、次の日も、俺はずっと幸せだった。
俺と彼女はたまにしか、直接話すことはないけれど、
それでも自分たちには通じ合える何かがあった。
彼女はいつでも俺を笑顔にさせてくれた。
彼女の何気ない仕草を思い出すだけで、それだけで笑みがこぼれてきて、
彼女もまた、いつでも笑顔でいてくれて。
最近彼女のおかげで学校に来るのが楽しくなった。
そう彼女に言うと、顔を赤くして、
「あたしもだよ。」
と返してくれた。
不意に大好きだよ、と言うと、彼女はまた顔を赤くして、
「あたしも!」
と、満面の笑顔で返してくれる。
そんな別になんでもない会話が、俺にはとても愛しく思えて。
毎日毎日、寝る前になると彼女のことが頭に浮かんできて。
明日はなんていって赤くさせてやろうか。
なんて、くだらないことを考えるような、
そんな日々が続いた。
___
彼女とメールを始めだした。
メールの内容に困ってしまって、いつも返信に時間がかかってしまったけど、
彼女は決して怒らず、丁寧な文章を送ってくれた。
俺がたまに不意打ちで、好きだ、とかクサい台詞を送ると、
「/// いきなりそんなこと言わないでよ!
・・・・・・・・・あたしもだよ。」
そんな返信に俺はドキッとしたりした。
そして飽きることなくいつまでも、いつまでも、彼女とのメールを続けた。
どんな冗談でも彼女は真剣に受け止めてくれて、素直な返事を書いてくれる。
そんな彼女が、俺は本当に大好きだった。