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秋葉原MAP個人戦デスマッチ開会式

「さぁさぁみなさん夜まで待てないみなさまのための催しでございます!これから始まるのは腕に自信があるプロとはいかないまでも日々労働にあけくれその中に培われるストレスをぶちまけスカイウォーの世界で昇りつめてきた精鋭のショーぅっでございます!はたまた働きもせずスカイウォーの世界のみを生きる妖精が集うショーぅでございます!!」


 会場には今まさに進行を勧める司会者を中心に、右に10台。


 左に10台のゲーム設備が整えられ、選手の入場を待ち構えていた。


 「ゴホンゴホン、えーではですね、みなさんここにいらっしゃる方々もゲームの説明?そんなのいらねえよ!とおっさられる精鋭の方々ば・か・り・と思いますが一応一応、生放送で全国配信されているものですかららゲームの簡単な説明をご紹介したいとおもいまーす!」


 司会者はそういうと少し舞台袖にはけて顔よりも大きいプロペラのついた機械を掲げて見せる。


 「はーいみなさん!ご存知?でっぇすよねぇ~!知ってますよねー!そうです!ドローンです!このゲームはですね、平成に入りいろいろと話題になったドローンを仮想空間にて操作して敵の操作するドローンを破壊して倒すというゲームでございます!」


手に持つドローンを降ろすと今度は手を後ろに垂れかかるスクリーンに向けて説明を続けた。


 「このゲームのすごいところ。それは現実世界とほぼ同じと言っても過言ではないMAPの造形、そしてその種類の豊富さです。これは地球すべての環境を模倣してつくってあり、このドローンが受ける風、つまり天候についてもリアルに再現されています!」


 スクリーンには海、山、砂漠、街、工場内、ビル内、お城、古墳などありとあらゆる条件が用意されている。


 そして一番の目玉商品である武器、装備パーツの数はおよそ1万以上今も増え続けていて、戦闘の幅は広がり続けていた。


ゲーム内では機体同士が先頭を行うデスマッチから目標を破壊する爆破型。


さらには人間を模倣したCGキャラクターを護衛して目的地までたどりつけるように護送するゲームもあるのでその都度武器はみなカスタムする。


ただし、武器はレアガチャ制で有料のポイントをリアルマネーで購入し、目的のものがでるかはわからないがガチャを回してランダムで当てていく形式になっているのでそのMAPに適した武器をすべてモテる人などいない、それがスカイウォーの大きな収入源になっているもっと言えばあたっても7日間で使用期間がおわるので課金し続けなければならない。


 「ではではーみなさまー。今回おこないますのはデスマッチでございます!それもそれも、個人戦です!全員が1対19!自分以外はすべて敵!フィールドはここ!秋葉原です!」


 

 制限時間は10分



 参加者は400人 いや、401人


 「さぁみなさんおわかりだろうかー!実は今回申し込みには2000人の応募があったんだ!だけど今回の大会では明日もあわせて800人くらいしか参加を受け付けることができない!何故なら!時間がないからぁ!ということで応募者のIDを精査して、よりランキング、K/D数値の高い人を厳選して参加していただいていまーす!」受付で断られてしまったみなさんごめんなさーい!晴れて参加される皆さん負けんなよ!!」


ざわつく会場それも401人、その一人の端数の存在。


 司会にはいくつものやじがとばされ司会もそれに応えざるおえないほどの盛り上がりが会場を包む。



 「あぁ、やっぱ気になる?気になるよね?俺もきになるぅううううう!」


 司会はそのヤジを慣れたもののように笑って流してはけようとした。だがあまりにも会場が沸くので仕事柄この盛り上がりを不完全燃焼にはできなかったようだ。


 口を止められていたのだろうが困った顔をしつつも再び舞台の中央に戻ると彼は再びマイクを取る。


 「いいかみんな!俺もまだわからねえ!けど確かなのはあの名前を名乗る男が現れたということだ!話を聞けばそいつはいつもTTT-Gを使いたいがために初心者期間を永遠繰り返していたそうだ!初心者である7日間はすきな武器を使える。ただしランキングには乗らない!だがみんなもしっているだろう!あのTTT-Gが1万円のお金でガチャを回すこともなく直接そのアイテムを買えるんだ!しかも永久だ!何故かって?使えないからだよ!みんな当たってしまっても使いこなせなくて7日間倉庫に保管されっぱなしのTTT-Gを買う奴なんていないからさ!記念品さ!そのかわりTTT-Gはもうガチャにはでてこない!それはクレームが多かったからだ!あんな使えない武器だれが使うのかってな!」



 会場は鎮まる。司会のことばを聞き入る。


 「だが間違いねえ。あいつのIDは使用武器TTT-Gのみだ!間違いねえ!世界で唯一、あのTTT-Gを使いこなす男が現れた!お前らのクレームが呼び起こしちまったのさ!そうだ!ランカー狩りの初心者マーク!KAORU.namberがこの天空闘技場に現れた!」



 会場は沸きあがる。その熱気の中には思わず生唾を飲み込んで会場をあとにするものもいたり気を失うかのように椅子に倒れ込むものもいた。


 オーバーリアクション。


 そうではない。


 この一億円がかかった大会で奇跡がおこるかもしれないのだ。


 



 ある祭典でTOPランカー50人とオンラインユーザー無差別50人を合わせた個人戦デスマッチを行ったことがある。


 その時のムービーは今も伝説的なほど再生回数を伸ばし、その時の彼の記録は



 ――2時間一度も死ななかった。




 この事実を知っているものからしたらこの大会で史上初、アマチュアが1億円を手にする可能性がでてきたということ。


  あの彼ならやりかねないと。




 「じゃぁみんな、これから選手たちの入場だ!あえて名前は紹介しない!だがあの武器が、あの機体が現れた時には盛り上がろうぜ!じゃぁな!」 

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